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219 毎日、絵に取り組んでいる

絵の下手さ加減への逆襲

 絵が下手である。自慢ではない。だから絵には触らないように生きてきた。かつてプロのイラストレーター、絵本作家とも編集関係の仕事で打ち合わせをさせて貰ったし、その作品を預かって印刷にかけて、色校でともに苦労した。紙の問題もあって、なかなか思うような色が出ないのだ。私は、印刷所と作家の間に立って、最終的な仕上がりを決定しなければならなかった。ずっと「絵は自分のエリアではない」と決めていたので、こうした仕事も苦ではなかった。
 それがある時(2年ほど前)、例の「お試し」で色鉛筆を手に入れた。スケッチブックを購入して、まずはデッサンからはじめた。だが、これはすぐに壁にぶつかる。「いい」と言えばいい感じ、「よくない」と言えばもちろんレベルに到達していない。簡単に上手になる方法はない。
 その後、水性筆ペン、何十色もあるマーカーも「お試し」で入手した。
 ところが、いまは、メディバンである。PC、タブレットでクラウドに保存した絵を開いて、いつでもどこでも続けることができる。やはり「お試し」でかなり前にワコムのペンタブレットを手に入れているからそれも使う。スタイラスペンは使っていない。マウスか指だ。
 それは、とにかく絵を描こうと思ったときのハードルを下げるためには役に立った。だいたい、簡単に消せるのである。これが便利だ。
 下手は下手なりに絵を楽しむ方向を模索している。たぶん、上手になることはない。それでも慣れてくれば、自分なりの楽しみ方は見つけられるだろう。

メディバンでなにをしているか?

 メディバンのチュートリアルをすべてちゃんとやれば、その機能をフルに使えることだろう。いまのところ、それはやっていない。困った時だけ検索してやり方を知るだけである。あとは直観と手探り。
 いま繰り返してやっているのは、写真を使った「塗り絵」である。
 気に入った飼い犬の写真を、Windowsに入っているペイントでトリミングし、必要な解像度へ調整する。
 それをメディバンで開き、名前をつけて保存する。
 写真の上に、レイヤーを追加し、あたりを取る。これは、輪郭線を細いペンでなぞる。あるいは、描きたい部分、色の違いなどごとに、線を入れていく。いわば塗り絵の本のような状態にする。
 さらにレイヤーを追加して、あたりに合わせて塗っていく。このとき、背景のレイヤーと主役のレイヤーを分けてもいい。最初の頃、背景は単色で塗り潰していたので、レイヤーを分けると、いろいろな背景色を試せる。
 その後、「背景こそ重要ではないか」と思い、背景から描くようになった。
 写真からスポイトで色を抽出できる。それでも色では迷う。毎日、とても迷っている。これまで、自分は色についてあまりにも無頓着だったことが露呈する。「白」といっても、ただ白で塗ると、まったく存在感がない。ではグレーにしてみるか。茶色も、白っぽい茶から赤っぽい茶までさまざま。
 筆の太さによっても効果が違う。
 塗りたいところに塗りたい色で、塗りたいように塗ることは、いまのところまだ出来ていない。試行錯誤している。
 そもそも「写真のまま」に描くなら、写真でいい。絵にしたい。絵にする段階で、リアルの質が変わる。自分の中にあるリアルと違和感の戦いになる。明らかにリアルではないのに、自分では「これがいい」と思えるケースがある。写真よりずっといい、とさえ思うのである。これは不思議なことで、絵を描いてはじめて知った。
 きれいな線をフリーハンドで描くことはかなり難しいので、そもそもそうした本格的なプロっぽい道は最初から目指していない。使えるツールはなんでも使う(メディバンでは直線や曲線の定規がある)。
 ここまで書いておいて言うのもなんだが、毎日、メディバンで絵を描いている(塗り絵している)とはいえ、その時間はわずか15分から30分である。自分の集中力が続かないのだ。
 やはり才能のある人は集中力がぜんぜん違うのであって、24時間没頭できる人は天才だろう。私はそういう人とは違うのだから、違う道を探すしかないのだ。

ここまで来たけど気に入らない。


 


 

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