225 インフレとコスパ、タイパ
インフレ時代が来るとして
日本はかつて「狂乱物価」と呼ばれた時代があった。1970年代のことだ。ちなみに1970年には大阪万博があった。そしてまた2025年にも大阪万博が開かれる予定だ。歴史は繰り返すのか。
それは冗談として(冗談でもないけれど)、70年代の物価高騰は、たとえば、朝50円だったものが夕方には100円になっているというような(あくまでイメージとして、だが)激しい物価高があった。年に1度、ベースアップで給与水準を改定したところで追いつくはずもなく、年に2度のボーナスで調整しても追いつかない。つまり、いまの政権が言うように「給与が上がれば実質負担ゼロ」みたいなバカな言い逃れは効かない。給与をはるかに飛び越えて物価が上昇してしまう。
朝三暮四といった話を思うと、サルたちが「朝に3つ、夕方に4つ」では怒ったので、「じゃ、朝4つで夕方3つでは?」と言ったら喜んだ。これが「浅はか」とか「目先に囚われている」と解釈されるのだが、インフレ時はそれぐらいのスピードで物の価格は変わるので、朝の3つと夕の4はかなり違うだろう。価格として見れば、朝の4つより夕の4つの方が高くなる。その結果、同じ費用で賄うとしたら、「暮に4つはムリなので3つにしてね」と言うこともあるかもしれない。サルはどっちも怒るべきだった。
ただ持っているだけで価格が上昇するとしたら、物は売らずに倉庫に入れておくだけでいい。
こうしたインフレ時代に、コスパ、タイパも大きく変化するのではないだろうか?
タイパの意味がなくなる?
コスパのよさは、消費側の理論だ。同じものなら安い方。できれば安くてなおかついいものを選びたい。しかし選んでいる間に価格が上昇してしまう。こうなると早く買って置くしかない。同じ物なら今日が最安値。明日は高くなるかもしれない。
または、なにをもってして価値があるか、と考えたとき「どうせ買うなら」とより気分のいいところ、あるいは自分にとって大事なプラスαのある物を選別するようになるだろう。いま以上に物の価値、付加価値を重視する人が増えてしまい、競争はかなり厳しくなるだろう。
タイムイズマネー。時間の節約は効率化、あるいは生産性向上に役立つのか? それは場合によるだろう。しかし、インフレ時代はまさに「時が金なり」なのだ。今日売るより、明日売った方が高くできるなら、1日置いた方がいい。ただし、高くなりすぎて買い手が減る可能性との戦いである。
タイパはいかに素早く消費するか、と考えられるけれど、もしかすると時間あたりの物の価値は、今日より明日の方が高いかもしれない。現実としては、働かないと食えないので、働く時間を大事にするために、いま以上にタイパを重視するようになるかもしれない。ただし、これも限界があって、楽しめない速度にまで早送りしてしまったら、「ムリ」となるだろうから、タイパどころか「なにも消費しない」と諦めてしまう可能性が増えるだろう。つまり、タイパの意味がなくなってしまう。
本来は、時間あたりの満足度を示すタイパの考えが、なにをやっても満足できない状態となってしまうかもしれない。
どうにもならず、無気力へと進む人が増える可能性もあるだろう。
いや、いま予想してみても、はっきりしたことはわからないけれど。
ちなみに、今回、念のためにチャットGPTにいくつか質問を投げかけたのだが、どうも、「タイパ(タイムパフォーマンス)」を理解できないらしかった。時間管理みたいな話をしはじめて、トンチンカンになってしまった。まさに、私にとってタイパの悪いサービスとなってしまうのだった。
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