ほんまシュンジ

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マガジン

  • 微睡みの中で恋をして

    日記のような創作のような。創作のような日記。

  • 小説「ライフタイム」

    マガジン「微睡みの中で恋をして」に連載している小説「ライフタイム」のみを抜き出しています。

記事一覧

235 タイトル未定(仮)

最初からタイトルが決まっているのが一番 書籍では編集と営業によるタイトルについての会議を開くことがあるらしい。らしい、というのは私は一度もそういう場に出席したこ…

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234 説教ですか? 意味あります?

説教の分析 人は立場によるけれど、ある日突然、説教をしたくなるものだ。  ここで言う説教は、宗教の教義を伝えるものではなく、なにかをやらかした、あるいはなにもや…

233 音と文字

聞えるときと聞えないとき だいたい耳について、これほどいろいろ考えた日々はかつてなかった。なぜなら、それまで自分は耳がいいと信じていたからだ。子どもの頃から耳コ…

232 昔の人は賢いか

神野守さんに紹介いただきました 前回の231の記事が神野守さんに紹介いただきました。  神野さんは、小説を主に投稿されています。  どうなるのか、展開が気になりま…

231 そんなの本当の○○じゃない

本物と偽物しかないのか? たとえば、私はXでのみやりとりしている人たちがいる。直接会ったことはない。メッセージもまずやり取りしない。相手がどんな人なのかは、正直…

230 過剰な期待

なんだ自分が一番年寄りか 少子高齢化社会では、高齢者が多くなる。そのせいか道を歩いているとどこを見ても自分によく似た高齢者と出会う。ファッションが似ているのだ。…

229 中年危機一髪 ミッドライフ・クライシス

誰にでも訪れる危機 朝のワイドショー、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」で、「ミッドライフ・クライシス」を取り上げていたという。いわゆる「中年の危機」であ…

228 一貫性はあった方がいいのか?

人は「変われ」と言い、「変わるな」と言う 私はある人からは「頑固」と言われてしまう。どうも、いつも同じ反応をしてしまうらしい。それは一貫性がある、とも言える。と…

227 ドラマはいま視聴者側で起きている

過去を描くしかないのか? 見なくなった、あるいは最初から見なかったドラマについては省略。  見終えたドラマ、いまもまだ見ているドラマは次のとおり。  『95』、『…

226 なにもしたくないとき、なにをするか?

コスパもタイパも虚しい理由 前回こういうことを書いた。  ところで白状するのだが、私自身はコスパとかタイパをあまり重視していない。コスパのよさもタイパのよさも、…

225 インフレとコスパ、タイパ

インフレ時代が来るとして 日本はかつて「狂乱物価」と呼ばれた時代があった。1970年代のことだ。ちなみに1970年には大阪万博があった。そしてまた2025年にも大阪万博が開…

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224 悩みは解決するのか?

なるようにしかならない 先日(5月1日)、MLBの試合で蜂騒動があった。球場の内野のネットに蜂が大量に固まっている。駆除するまで試合は行えない。そんな話。そのとき、…

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223 なぜ同じものを撮るのか?

映えスポットに行きたい? 朝のニュースで、天井の高い中華料理屋が金網を吊ってそこに蛍光灯を配置し、金網はそのまま客の荷物置き場にしたところ、そこにスマホを置いて…

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222 ポール・オースターの逝去

多くの本の著者はすでに亡くなっている 身も蓋もない話だが、私の部屋に、そしてスマホの中に所蔵されている本の大半は、すでに亡くなった著者によるものだ。だから、同時…

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221 とにかく明るいけど重たい話

救急車は呼ばないでね 父(95歳、6月生まれ)、母(90歳、5月生まれ)。二人の誕生日が近づいている。我が家は、私が子どもの頃には誕生日を祝ったものの、中学生からは特…

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220 絵の効用

絵をさらりと描く人たち 台東区の中央図書館には池波正太郎の書斎が再現されている。なによりも驚くのは絵と絵の道具だ。作家であることはよく知っている。時代劇の定番を…

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235 タイトル未定(仮)

235 タイトル未定(仮)

最初からタイトルが決まっているのが一番 書籍では編集と営業によるタイトルについての会議を開くことがあるらしい。らしい、というのは私は一度もそういう場に出席したことがなく、営業の強い某出版社の編集者によれば、そこで決まると動かせないらしい。筆者が考えたタイトル、それを企画書に反映させるときには、編集者の気持ちが入ってくる。もっとも簡単なのは、筆者からのタイトルに(仮)とつけておくことだろう。なぜ(仮

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234 説教ですか? 意味あります?

234 説教ですか? 意味あります?

説教の分析 人は立場によるけれど、ある日突然、説教をしたくなるものだ。
 ここで言う説教は、宗教の教義を伝えるものではなく、なにかをやらかした、あるいはなにもやらかさない相手に対して、先輩、上司、教師、親、兄、姉、コーチなど社会的に指導しなければならないとされる立場にある者が、「どうすればやらかさないですむか」あるいは「どうすればやらかすようになれるか」を伝えようとするときに発生する。
 通常、こ

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233 音と文字

233 音と文字

聞えるときと聞えないとき だいたい耳について、これほどいろいろ考えた日々はかつてなかった。なぜなら、それまで自分は耳がいいと信じていたからだ。子どもの頃から耳コピで曲を覚えることができた。その能力はなんにも生かされないまま、いつしか衰えていったわけだけれど。
 それが突発性難聴によって、気づけばかなり能力は低下していることが判明した。そのちょっと前から耳鳴りには気づいていた。最初の異変はかなり前に

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232 昔の人は賢いか

232 昔の人は賢いか

神野守さんに紹介いただきました 前回の231の記事が神野守さんに紹介いただきました。

 神野さんは、小説を主に投稿されています。

 どうなるのか、展開が気になりますね。
 ちなみにXはこちら。Xをnoteに埋め込むとタイムラインがばーっと出ちゃうので、リンクだけにさせていただきました。
 このように、そこはかとない関係がネットでは生まれます。目に見えて、なおかつ指で覚える的な関係がネット社会で

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231 そんなの本当の○○じゃない

231 そんなの本当の○○じゃない

本物と偽物しかないのか? たとえば、私はXでのみやりとりしている人たちがいる。直接会ったことはない。メッセージもまずやり取りしない。相手がどんな人なのかは、正直わからない。それでもその人のXを見ているので、その人がなにを外に対して打ち出しているのかはだいたい想像がつく。その打ち出された数少ない情報に、こちらは少し反応する。反応するとお返しに反応してくれることがある。それは、たいがいはいわば「義理」

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230 過剰な期待

230 過剰な期待

なんだ自分が一番年寄りか 少子高齢化社会では、高齢者が多くなる。そのせいか道を歩いているとどこを見ても自分によく似た高齢者と出会う。ファッションが似ているのだ。歩き方も似ている。お互いに嫌な顔をする。自分を見ているようで嫌なのである。とはいえ、高齢者の一群から見れば、私はまだ片足ぐらい高齢者に突っ込んだばかりなので、「はなたれ小僧」と呼ばれてもしょうがない。
 そもそも自覚が伴わない。「あー、年を

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229 中年危機一髪 ミッドライフ・クライシス

229 中年危機一髪 ミッドライフ・クライシス

誰にでも訪れる危機 朝のワイドショー、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」で、「ミッドライフ・クライシス」を取り上げていたという。いわゆる「中年の危機」である。40代から50代といえば、女性には更年期障害が起こりやすいが、男性はミッドライフ・クライシスだという。しかし、この時間帯(朝8時から10時)にテレビを見ている対象年齢の人は少ないだろうに。あ、いまはこうやってネットにまとめ記事が出るから

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228 一貫性はあった方がいいのか?

228 一貫性はあった方がいいのか?

人は「変われ」と言い、「変わるな」と言う 私はある人からは「頑固」と言われてしまう。どうも、いつも同じ反応をしてしまうらしい。それは一貫性がある、とも言える。ところが、「変わらなきゃだめ」と言う人もいる。頑固じゃなくなれば、「変わった」と言えるだろうか。するとたぶん「一貫性がない」と言われないだろうか。
 20代で出版関係に飛び込んで(最初は業界紙だったが)、40年ぐらいやってきたことは、編集とラ

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227 ドラマはいま視聴者側で起きている

227 ドラマはいま視聴者側で起きている

過去を描くしかないのか? 見なくなった、あるいは最初から見なかったドラマについては省略。
 見終えたドラマ、いまもまだ見ているドラマは次のとおり。
 『95』、『天使の耳〜交通警察の夜』、『RoOT/ルート』、『滅相も無い』、『イップス』、『君が獣になる前に』、『季節のない街』、『光る君へ』、『アンチヒーロー』、『藤子・F・不二雄SF短編ドラマ 2』、『虎に翼』。『白暮のクロニクル』。
 正直、そ

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226 なにもしたくないとき、なにをするか?

226 なにもしたくないとき、なにをするか?

コスパもタイパも虚しい理由 前回こういうことを書いた。

 ところで白状するのだが、私自身はコスパとかタイパをあまり重視していない。コスパのよさもタイパのよさも、その瞬間だけのことで、少し俯瞰で眺めると、おかしなところにコストをかけていたり、どうでもいいところに時間をかけていたりする自分がいるからだ。
 その瞬間だけコスパがよかったとしても、その瞬間だけタイパがよかったとしても、結果、私の財布や時

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225 インフレとコスパ、タイパ

225 インフレとコスパ、タイパ

インフレ時代が来るとして 日本はかつて「狂乱物価」と呼ばれた時代があった。1970年代のことだ。ちなみに1970年には大阪万博があった。そしてまた2025年にも大阪万博が開かれる予定だ。歴史は繰り返すのか。
 それは冗談として(冗談でもないけれど)、70年代の物価高騰は、たとえば、朝50円だったものが夕方には100円になっているというような(あくまでイメージとして、だが)激しい物価高があった。年に

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224 悩みは解決するのか?

224 悩みは解決するのか?

なるようにしかならない 先日(5月1日)、MLBの試合で蜂騒動があった。球場の内野のネットに蜂が大量に固まっている。駆除するまで試合は行えない。そんな話。そのとき、球場でビートルズ「レット・イット・ビー」(Let it be)が流れたとニュースで盛んにやっていた。蜂(Bee)とbeのシャレはもちろんそうだが、そもそも意味として「あるがままに、なるようになる」を連想したのではないか。自然界の出来事の

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223 なぜ同じものを撮るのか?

223 なぜ同じものを撮るのか?

映えスポットに行きたい? 朝のニュースで、天井の高い中華料理屋が金網を吊ってそこに蛍光灯を配置し、金網はそのまま客の荷物置き場にしたところ、そこにスマホを置いて真上からテーブルを撮影する人たちが続出し、店内はそれを撮りたい女性でいっぱいになっているなんて話をしていた。
 そもそも街中華は、この数年、じわじわと浸透しているジャンルだとは思うが、多くの街中華の店は、あくまで私のイメージだが油ですべりや

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222 ポール・オースターの逝去

222 ポール・オースターの逝去

多くの本の著者はすでに亡くなっている 身も蓋もない話だが、私の部屋に、そしてスマホの中に所蔵されている本の大半は、すでに亡くなった著者によるものだ。だから、同時代的に自分の人生と少しでも重なっている作家は貴重とも言える。もちろん、存命の作家はたくさんいるけれど、自分が気に入った作品の著者となると、そう多くはない。
 そのひとり、ポール・オースターが亡くなった。別の記事で、これまで読んだオースターの

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221 とにかく明るいけど重たい話

221 とにかく明るいけど重たい話

救急車は呼ばないでね 父(95歳、6月生まれ)、母(90歳、5月生まれ)。二人の誕生日が近づいている。我が家は、私が子どもの頃には誕生日を祝ったものの、中学生からは特別なことはしなくなった。中学の頃、私としてはもっとも多くの友人がいた時代なので、たぶん、家でなにかするなんて「カッコ悪い」と言い放ち、友人たちと適当に過ごしたに違いない。といったって、この友情は高校受験によって消えてしまうのだが。
 

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220 絵の効用

220 絵の効用

絵をさらりと描く人たち 台東区の中央図書館には池波正太郎の書斎が再現されている。なによりも驚くのは絵と絵の道具だ。作家であることはよく知っている。時代劇の定番を数々世に送り出した作家だ。だから原稿用紙や台本、そして出版物が並ぶことは想像できる。それより目を引くのは絵なのである。さらりとスケッチしたかのような水彩画、渋さの中にユーモアの漂う表現。どうしたって、そちらに心は奪われてしまう。絵の力は強い

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