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第6話 どこかで聞いた事があるような無いような昔ばなし

-前回のあらすじ-
資金が潤沢な領主ザル・マンキィは、フリマアプリを通して相場の10000倍もの値段が付けられた自分のしっぽを躊躇する事なく購入しました。マンキィの富豪っぷりが気に食わないカニ太郎たちの心にはさらなるマンキィへの復讐心が沸き上がってしまい、直接会ってマンキィのしっぽを手渡しする事になるのですが…

・・・ 第6話 ・・・

TARO「さっき電話で何を言おうとしてたんだ?ゴニョゴニョと何を言ってんだかサッパリだったよ。 ところでお前さ、なんか変わったよね?」
 マンキィ「はい? 何がでしょう?」
TARO「ちょっとアッチ向いてみ?」
 マンキィ「あ、大丈夫です。」
TARO「アッチ向けっつってんだろ!」
 マンキィ「あ、はい!はいっ!」
TARO「なんかスッキリしてない? あ、しっぽないじゃん。」
 マンキィ「もともとです。」
TARO「ウソつけ。少しあっただろ? どうした? しっぽがないと鬼ヶ島行きフェリーに乗れないんだぞ? キジキジもワンワンもちゃんとしっぽついてるし、お前だっていつもしっぽにスタンプ押してもらってんだろ?」
 マンキィ「あ、はい~。実は.......…nantara-kantara-untara-kantara…..という訳でして… でも今日戻って来ます。大丈夫です。」
TARO「そうか。第358回鬼ヶ島監査、来週だからな。すぐに縫い付けてもらえよ?どこに取りに行くんだ?」
 マンキィ「しょうぞんそう..… しょしょんじょ… ぞんしょ」
TARO「噛んでんじゃないよ。しょうじょうそん塾って言いたいのか?」
 マンキィ「そうです。そこで待ち合わせです。それにしてもTARO様、凄いです!よく噛まずに言えますね!? しょうぞ…ずく、って。」
TARO「おう。俺は松上村塾しょうじょうそんじゅくの第一期首席生だったからな。」
 マンキィ「えっ!? 伝説の第一期首席って、TARO様だったのですね!?」
TARO「そうだ。同期卒の仲間が俺の他に4人いる。いつかお前たちも会う事になるだろうな。じゃ、懐かしいから俺も一緒に行くとするか。」


一方、松上村塾前の広場ではカニ太郎たちがマンキィを懲らしめるための準備に入っていた ・・・


カニ太郎「いや~、ちょっと作り過ぎちゃったな、おむすび。」

 カニ次郎「そうだね。でもその分面白いじゃん。」
 Uちゃん「名付けて、おむすびロシアンルーレットうっすね。」
カニ太郎「そうそう。【この中のどれかにしっぽが入っています。】って書いておけばさ、普通は中身を見てハズレたら次に行くはずなのにさ、あいつ欲張りだからさ、ハズレとか関係なくドンドン食べていくはずだよ。間違いない。」
 カニ次郎「なるほどね!それで食べ過ぎてオェオェなってる所に、Uちゃんがダイビングボディプレスをお見舞いすると。」
カニ太郎「いやいや、それはさすがにやり過ぎだから、カンチョーぐらいでいいんじゃない?」
 Uちゃん「手袋していいうっすか?」
 カニ次郎「絶対した方がいい。あいつら雑食だからね。」

 
カニ太郎たちが松上村塾の中に身を隠して待つ事30分余 ・・・


カニ次郎「来た来た来た来た!」
Uちゃん「。。。一人じゃないうっすね。」
カニ次郎「え?なんか、めちゃくちゃいるぞ?」
カニ太郎「うわ、あっちにもいるじゃん!」
カニ次郎「こっちからも来たぞ!」
カニ太郎「3、40人はいるぞ? どうなってんだ???」

第6話 おわり。

ーあとがきー
なんと、領主ザル・マンキィの上司と思われた「TARO様」とは、日本人ならば誰もが知る英雄「初代・桃太郎」の子孫だったようです。つまりTAROは、あの鬼ヶ島の鬼を退治した初代・桃太郎の代から続く、カニカニ村の総元締めだったのです。 さらにマンキィが一人で来ると思っていたのに四方八方から多くの人影が…

第7話へ続きます。
お読みいただきありがとうございました😊

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