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「人類を裏切った男~THE REAL ANTHONY FAUCI(上巻) 」④ ポイント抜き出し 4/7~イベルメクチンの弾圧

 2021年11月9日に米国で発売された本書は、書店に置かれず、様々な妨害を受けながらもミリオンセラーとなり、この日本語版も販売妨害を避けるためか、当初はAmazonでは流通させず、経営科学出版からの直売のみになっているようだが、現在はAmazonで買うことができるようになっている。

 日本語版は1000ページを超えるために3巻に分けられた。

 本書はその上巻「巨大製薬会社の共謀と医療の終焉」だ。

 極めて重要な情報が満載で、要旨を紹介して終わりでは余りにも勿体ないので、お伝えしたい内容を列記する。

 今回はイベルメクチン弾圧の実態について。

3.イベルメクチン

十分に安全だと認められていた

 2015年、メルク社に関わりのある2人の科学者がイベルメクチンを開発した功績でノーベル賞を受賞した。イベルメクチンは、回虫、鉤虫、オンコセルカ症、リンパ系フィラリア症など、ヒトの寄生虫に対して幅広い適用があり、前例のない威力を発揮する。

 アメリカ食品医薬品局(FDA)は1996年に、イベルメクチンはヒトへの使用が安全かつ有効であると承認した。WHOは、ヒドロキシクロロキンと共にイベルメクチンを「必須医薬品」のリストに加えている。

 何百万人もの人が抗寄生虫薬として何十億回もイベルメクチンを服用してきたが、副作用はほとんどない。

 2012年以降、複数のin vitro実験(試験管内や培養器等内での実験)により、イベルメクチンが様々なウイルスの複製を阻害すると実証されている。

 ネイチャー誌は、イベルメクチンには「一部のウイルスを含む微生物に高い効果がある」とし、動物実験では「ジカ熱、デング熱、黄熱、ウエストナイル熱などの病原ウイルスにイベルメクチンは抗ウイルス作用を示す」とする結果が得られたと報告している。

新型コロナウイルスの有望な治療薬

 2020年5月8日、ペルーはイベルメクチンを国家のガイドラインに採用した。
ペルーがイベルメクチンを配布した地域では、新型コロナウイルスによる死者数が14分の1に激減した。2020年12月、ペルーの新大統領はWHOからの圧力により、イベルメクチンの使用を大幅に制限したため、新型コロナウイルスの感染者数は元に戻り、死者数は13倍に増加した。

 研究によると、イベルメクチンは20もの異なるメカニズムで作用すると考えられている。そのひとつが、イベルメクチンは「イオノフォア」として機能し、ウイルスの複製を阻害する亜鉛の細胞内への移動を促進する、というものだ。

 予防的に使用した場合、イベルメクチンは平均して84%の有害事象を予防した。

全面的に排除されたイベルメクチン

 2021年1月14日にNIHが示した「中立」は、「推奨しない」ことを意味していた。これは、イベルメクチンを抑止しようとするNIHの決意を示す最初の明白なサインになった。NIHは「新型コロナウイルス感染症の治療にイベルメクチンの使用を認めるにしても禁止するにしても、エビデンスが不十分」と主張した。

 国民がイベルメクチンを容易に入手できるようにした国では必ず、新型コロナウイルスによる死者数が即時に、かつ劇的に減少している。

 2020年の研究では、種々の寄生虫疾患の治療と予防にイベルメクチンを広く使用しているアフリカとアジアの国々は、新型コロナウイルスの感染者数と死亡率が世界で最も低く抑えられている。

 2021年4月20日、インドの医学会は、イベルメクチンを国内プロトコルに追加した。
 インドの政府関係者や医師の多くは、イベルメクチンが感染拡大を抑える奇跡の薬だと考えている。その印象を確かなものにしたのは、新型コロナウイルスの戦略が正反対のインドの2つの州(ウッタル・プラデーシュ州とタミル・ナードゥ州)の自然実験だ。
 ウッタル・プラデーシュ州は、予防および治療のためにイベルメクチンの大規模な使用を導入した同国内初の州である。
 9月になると、ウッタル・プラデーシュ州政府は、ワクチン接種率がわずか5.8%であるにもかかわらず、同州の33地区の感染者は実質的にゼロだと発表した。
一方、タミル・ナードゥ州では、アンソニー・ファウチ博士のプロトコルが続けられていた。レムデシビルの投与、イベルメクチンの非合法化、早期治療の抑止だ。タミル・ナードゥ州で続いている感染と死亡の状況は、米国の大惨事と完全に一致する。

 WHOの研究者アンドリュー・ヒル博士は、1月13日以前にはNIHの委員会でコリー博士と一緒に熱意を持ってイベルメクチンを支持する証言をしたのに、1か月のうちに180度の方向転換をした。
 ヒル博士の最初のメタアナリシスで対象とした7件の研究では、イベルメクチンを投与されている患者の入院や死亡が劇的に減少していた。ところがヒル博士のメタアナリシスのリーク版には、新型コロナウイルスの奇跡的な治療薬としてイベルメクチンを強く推していた論文と同じものがすべて含まれていたが、結論だけが変わっていた。
 彼は、それらの研究はエビデンスの質が低いと主張し、肯定的な結果が得られているのに、その結果を「確実性が低い」としたのだ。そして、「WHOは長期に渡る無作為化プラセボ対照試験を行なってからイベルメクチンを推奨すべきで、試験には数か月必要だ」と宣言したのである。

 ローリー博士に説明を求められたヒル博士は、スポンサーから圧力をかけられたため「難しい状況にある」と説明した。ヒル博士はリバプール大学のウイルス学者であり、ゲイツ財団やクリントン財団の顧問を務めている。彼は自分のスポンサーがユニットエイドだと答えた。

 ユニットエイドは、ゲイツ財団とフランス、イギリス、ノルウェー、ブラジル、スペイン、韓国、チリなどの各国から資金提供を受けている特殊法人に近い形態の団体で、アフリカの貧困層に配布する医薬品を多国籍の製薬会社から購入するための資金提供を各国政府に働きかける活動を行なっている。

 ユニットエイドの執行委員会の議長も役員もビル&メリンダ・ゲイツ財団の人間であり、財団は2005年以降、ユニットエイドに1億5000万ドルを提供している。

 ゲイツはユニットエイドを利用して、ヒル博士のような、御しやすい研究者による不正な科学に資金を提供し、WHOへの政策指示を正当化しているのだ。

イベルメクチンの使用禁止キャンペーン

 イベルメクチンを支持する査読済みの科学論文に触れながら、コリー博士は2020年12月8日に上院で衝撃的な証言を行なった。この証言は急速に広まり、米国ではイベルメクチンの処方が爆発的に増えた。

 YouTubeはすぐにコリー博士の動画を削除し、Facebookは彼の利用を停止した。そして2021年3月、米国FDA、欧州医薬品庁(EMA)、WHOが新型コロナウイルス感染症へのイベルメクチンの使用を控えるよう勧告する声明を発表した。

 FDAはさらに厳格な「新型コロナウイルスの感染症の治療や予防にイベルメクチンをしようしてはならない」という指示を出した。

 2021年9月上旬、先陣を切ったFDAとCDCとNIAIDに続いて、米国医師会(AMA)、米国薬剤師会(APhA)、米国医療薬剤師会(ASHP)が、臨床試験以外で新型コロナウイルス感染症へのイベルメクチンの処方を直ちに中止するよう医師に呼びかけた。これらの影響力のある組織は、活動資金を製薬業界からの多大な献金に頼っている。

 イベルメクチンを処方した医師たちは、9月上旬以降、監視や強引な手段に直面した。政府や医療委員会からの検閲、免許や認可を取り消すという脅迫、その他の抑圧的な政策などが実行された。

メルク社がかつてのヒット商品を抹殺した

 2021年2月4日、メルク社も同様にイベルメクチンに関して「大半の研究で安全性に関するデータが不足している」ことを発見した。メルク社はイベルメクチンの先発メーカーであり、イベルメクチンは自慢の「特効薬」だった。

 メルク社のイベルメクチンの特許権は1996年に失効し、現在では数十社のジェネリック医薬品メーカーがイベルメクチンを製造している。販売価格は1回の投与につき約40セントで、メルク社がイベルメクチンから得る利益は大幅に減少している。さらにメルク社がイベルメクチンに関する懸念を発見するわずか10日前に、メルク社はノババックス社およびエマージェント・バイオソリューションズ社と業務提携し、新型コロナウイルスワクチンの最終試験に入ったところだった。

 何よりも、イベルメクチンは利益率が低いのだ。メルク社は新型コロナウイルス感染症の治療薬として新製品を開発していた。つまり、メルク社が財政面で成功させたい高コストの抗ウイルス薬モルヌピラビルとイベルメクチンが競合するわけだ。皮肉にも、後釜となるモルヌピラビルは、イベルメクチンと同じ作用機序で効果を示す。この薬の販売価格は治療開始から終了まで700ドル程度だが、メルク社が自社の安価なライバルを消し去ることができなければ売れないだろう。

 モルヌピラビルの憂慮すべき兆候のひとつに、先天性異常を引き起こす可能性があった。

 PREP法は企業を優遇する無駄な法律だ。その趣旨は、ワクチンをはじめとするパンデミック対策品の製造業者や提供者を提訴から守るために、製造業者や提供者の責任を免除することだ。この法律の下では、企業がどんな過失や非難に値する行動を取っても、また被害者がどんな痛ましい障害を負っても、企業に故意の違法行為があったと被害者が証明できなければ、企業は責任を問われない。

 2021年6月9日、バイデン大統領は、NIAIDが資金提供した薬モルヌピラビルをメルク社から約170万セット調達した。この薬は税金で開発されたうえに、納税者が服用するときは1回あたり712ドルかかり、メルク社の製造原価17.64ドルの40倍にもなる。

 イベルメクチンは30年間で379件の死亡が報告されているが、これは投与された患者1058万4408人につき死者1人という驚異的な割合である。
 一方、レムデシビルが緊急時使用許可を取得してからの1年半の間に、約150万人の患者にレムデシビルが投与され、1499人の死亡が報告されており、投与された患者1000人に1人が亡くなる計算だ。一方、米国で新型コロナウイルスワクチン接種が開始されてから10か月の間に接種された患者のうち、約1万7000人がワクチン接種後に死亡しており、接種された患者1万3250人につき死者1名と報告されている。
 したがって、イベルメクチンは、レムデシビルや新型コロナウイルスワクチンよりも何千倍も安全だと言える。

 CNBやMSNBなどのマスメディアは、イベルメクチンの服用により多くの患者が出ていると報道したが、全ては全くのデタラメだった。

続き ⑤↓

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