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【回想録】去年の1月1日は飛行機の中でした(デンマーク→日本)

デンマーク留学から帰国してまる1年が経ってしまいました。
1年が経過すると、悲しいことに細かいことはどんどんと忘れていってしまいます。でも逆に大事だと思っていることは鮮明になってきています。
2022年を迎えるにあたり、改めて何を大切にしたいかを振り返りたいと思います。

2020年8月〜12月の留学が終わり、2021年1月1日のフライトでデンマークから日本へと向かいました。あの時は不安でいっぱいでした。

4ヶ月のデンマーク生活に慣れるまでは、日本で育んできた日本的価値観が覆るような経験の連続で、心は揺れ動くばかり。
ではデンマークから日本に向かう時は、というと…
「せっかくデンマークで得た価値観も日本に帰ると維持し続けられないのではないか?」という不安に苛まれていました。
・自分の「気持ちや想い」を大切にすること
・「今」を大切にすること
・上記2つを満たすためにも、ゆったりとした時間の中で過ごすこと 

日本の組織で働くと、長時間労働ですし、自分の想いより組織の目標や周囲の気持ちを優先させられる。
生活に占める労働時間が長く、仕事外のやりたことを詰め込むと時間に追われた生活をついつい送ってしまう、という恐怖でした。

働き方、働く内容について、下記をどちらも満たすような職場が見つからず、最初の半年はひたすら模索の時間でした。
・デンマークと繋がりながら、学んだことを生かせる仕事がしたい。
・個人の思いを大切にした仕事に従事したい。
時間的制約が少ないフリーランスや、パラレルワーカーにチャレンジしていました。しかしなかなか難しかった。

後半はこれまでの経験を生かせる様な、学びの場を作ることで個人の成長からイノベーションを生み出せる人材の育成に関われる仕事に巡り合うことができました。

また、デンマークで学んだことを生かすという面では、奈良にフォルケホイスコーレを作る取り組みをスタートすることができました。月に1回のオンラインイベントでは、フォルケホイスコーレで学んだ経験がある方のお話を聞いたり、デンマークと繋いでフォルケホイスコーレの歴史を皆で学ぶ機会を作ることができました。
何度も話し合いを重ねて実施に至るプロセスが私にとって楽しくて、フォルケにいるような学びの場だと思いました。フォルケホイスコーレはその時、瞬間的であっても、すでに日本にできていたのかもしれません(笑)

2021年1月に応募した、スカンジナビア・ニッポン ササカワ財団の助成金が採択されたことが随分と心の支えになりました。フォルケホイスコーレやデンマーク文化を日本に伝えることは、今必要とされていると自信を持つことができました。
コロナ禍で延期しておりますが、2022年8月にフォルケホイスコーレのショートコース「幸せの国デンマークから学ぶ生と死 フォルケホイスコーレを体験できる1週間」を実施したいと考えていますので、ぜひご注目ください!

暮らしについても大きな変化がありました。フォルケホイスコーレで「生活から学ぶ」「対話のある生活」の魅力を知り、これを続けたいと思ってシェアハウスを探していました。それに加えて自然の中で暮らしたいと考えていたところ、奈良の中山間地域のシェアハウスで暮らすチャンスをいただきました。

年齢や職業、家族形態が違う人たちと一つ屋根の下で暮らす。こんなことが日本でも可能なんだと実感しています。多様な人たちとの生活がいかに人間に豊かさをもたらすか。自分に取り込むのではなくシェアすることで豊かになるという実感。フォルケホイスコーレに行かなければ、他人と暮らすシェアハウスを選択することはなかっただろうなと感慨を覚えます。

2021年は「自由な働き方、自分の想いを大切にしながら生活することは、日本でも可能かどうか」の実証実験を行う1年でした。大変だけど、やろうと思えばできる。AかBではなく、両方のエッセンスからCを生み出す1年だったのかもしれません〜

不安が全く無くなったとは思いませんが、母国で暮らすことが不安ではなく楽しみと思えるようになったことは大きな進歩でした。

次の1年、2022年はどんな自分に出会えるのか楽しみになってきました♪



1. そんな!いいんですか!? 嬉しいです!! フォルケホイスコーレ作りのための勉強に使わせていただきます♪