見出し画像

「私はあなたの愚痴聞きマシンじゃない」と友人に言われた話

ふと思い出したことを。

大学時代、まだこんなふうに携帯電話も普及していなかった(一部の最先端の子たちが「ピッチ(PHS)」を持っていた時代です)のことです。

友人とのやりとりは主に電話か手紙。私はその頃から文字を書くのが好きだった(というか電話代がもったいなかった?笑)ためにもっぱら手紙派でした。

大学に行くと、それまでの友人とは離れ離れになりつつも、やっぱりお互いの近況が気になるものです。けっこうまめに手紙を書いていたんじゃなかったかな。

大学生になった私は、サークル活動で生まれて初めて「望まない人間関係」に巻き込まれます。ありていにいって、男女間の恋愛云々のあれこれです。
もうね、年齢一桁の頃から二次元限定の腐女子やっていて、中学高校はずっと女子高。となると、三次元の男の話なんかに興味ないんですよマジで…😂
なのにAさんとBさんがくっついただの、CさんとDさんが別れだの、そんな話に巻き込まれるようになり、その愚痴を友人相手の手紙にたくさん書きこんでいました。

そんな手紙を何度か送ったあと、友人から返信が来ました。
私としては「大変だね~」という優しい言葉を期待していたのでしょう。
なのに送られてきたのは

「私はあなたの愚痴聞きマシンじゃない! 訊いててこっちまで辛くなるから、そんな話ばかりするのはやめて!」

という言葉でした。
その時に痛感したのが、「自分が苦しい話ばかり聞かされたら、そりゃ相手だって苦しいよね」ということ。
よくtwitterなどのSNSを見ていると気持ちが荒むというのは、この「誰かの嫌な話をガンガン聞かされているから」に他なりません。

そして、「嫌な話をなんでも親身になって聞いてくれるのが友人」とは私も思いません。それって自分にとって「都合のいい人」だから。
私の愚痴ばかり聞かされている友人も、私から「都合のいい人」という風に扱われている気がしたのでしょう。

もしかしたら友人は、私がそんな手紙を送り続けたせいで、気持ちを病んでいたかもしれない。私との縁を切ろうと思っていたかもしれない。
(事実、大学に入ったとたんに言動が変わってしまい「この子ってこんな性格だったっけ…?」と距離を置いてしまった友人が、私には何人かいます)
ですから、わざわざ苦言を呈してくれたというのは、むしろありがたいことなんですよね…。

それを機に心を改めた私。
――しかしですよ、愚痴って口から出ちゃうんです。文字にも現れちゃうんです。仕方ないよね、人間なんだもの! 適度に出さないと体にも悪いんだもの!

しかし心を改めた私は、愚痴の表現方法にだけは気を付けるようにしました。なるべく面白おかしい話にして、オチをつけるような感じで。聞いている人が苦しみを分かち合わなくて済むように。
私さえ話し方に気をつければ、けっこう上手くいく、ということにも気付きました。
おかげで結構私は愚痴ってるつもりでも、相手にはそうと捉えられていない(笑い話を聞かされている気になっている)らしく、これなら両者ともにwin-winです。

どうしても出ちゃう愚痴は、仕方ないものとして諦める。
でも、相手に負担をかけるような話し方はしない。
だって相手は大事な友人だから。自分の嫌な話は、相手だって訊いてて辛いんだから。
自分の話し方ひとつで、愚痴の印象も変えられるんだよ。

という話をしたところでこの話のオチを。
心を入れ替えて楽しい話を心がけるようになった私に対して、1年後。
その友人から、「人間関係に苦しんでいる」という愚痴の手紙が大量に届くようになりましたとさ☆
その時はさすがに「えーと、私、あなたの愚痴聞きマシンじゃない、…って言い返すべき?」と思いましたがそうは言わずに「大変ねぇ」と返事をしました😂





もしサポートのご意思があるなら、お気持ちだけで。別の困っている方へ直接ご寄付ください。私と私の家族は元気なのでnote経由のサポートの必要はありません(*'ω'*)