高校受験の学区撤廃は、序列嫌いには辛い

ここ最近でもないが、公立高校の入試において、学区制が緩和されたり(=学区が大きくなったり)、撤廃される方向性にある。

2003年の東京都での撤廃を皮切りに、全国各地で緩和や撤廃が進むが、ゆとり教育(2002年開始)と逆行しているように思える。

ゆとり教育は、過度な序列づけを良しとしない方針だが、学区制の緩和や撤廃で、序列づけが激しくなっている。

具体的に説明すると、学区内の競争から、県内全体での広い範囲での競争となる。
その結果、学区内での序列づけから、県内全体での序列づけがなされる。
いわば、県内1位から最下位まで、細かく序列づけされることとなる。
大多数の中での立ち位置を意識せざる負えなくなり、心にゆとりを到底持てる状況ではなくなる。

県内1位の高校に入れるほど勉強が出来れば、序列づけに悩まされはしないが、そうでなければ、多かれ少なかれ悩まされる。
元学区トップ高(県内3位・4位)に通っているとしても、1位の高校に行けなかったと悩むこともある。
元学区3・4番手の高校(偏差値50台中盤)に通っている場合、自分の高校より偏差値が高い高校の多さを実感してしまう。

もちろん、学区制が存在しても、立ち位置は感じるだが、せいぜい学区内での序列のため、他の学区の人と比べられることは無い。自分の学区だけ気にしていれば良いのだ。

そう考えると、学区制の緩和・撤廃で、競争の規模が大きくなることは、(私のような)序列づけが嫌いな人にとって苦しい。
より多くの人と比べられて、自分の立ち位置が高くないことを痛感しやすくなるからだ。

学区制の撤廃によるメリットは否定しないが、
公立高校の入試で、過度な序列化を進めて欲しくないので、学区制には大いに賛成している。

学区制のもとで、受験競争を経験した上の世代が羨ましい。



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