長男の絆創膏/おかあさんはハッピーみたいな顔だ

子供の言葉にはっとすることがある。

先日、痛みに弱い長男が膝に擦り傷を作って帰ってきた。

小学校三年生の長男。彼にとって絆創膏はおまじないのようなものだ。どんなに小さな傷でも貼ることで安心感がえられる。それはもっともっと小さかった頃から変わっていない。

今回の傷口は絆創膏めいいっぱいの大きさだったので、剥がすときに痛がらないかと心配になった。

夜、お風呂から出ると絆創膏にすこし血が滲んでいる。「貼りかえようか」と言うと長男は頷いた。

この「絆創膏を剥がす」行為を痛いからと長男は嫌がることが多く、この日も嫌な顔をするだろうなと思ったら違った。

「いいよ」と嫌な顔一つせず言う。

おっと思った。お兄さんになったんだなと。

剥がす瞬間も表情を変えず、「痛くなかった?」という私の問いかけに「うん。全然。」と言った。

「そっか、いつの間にかお兄さんになったなー。もう三年生やし、痛みに強くなったんやな、すごいすごい。」

私が感心していると

「いや、違うやろ。おかあさんが剥がすの上手くなったんやろ。」と返す長男。

その返答大人ですやん!!

思いがけない言葉に少し泣きそうになり、私の感覚ではつい最近まで赤ちゃんだった長男がいつの間にかものすごいスピードで成長していること、そして長男の年齢と同じだけ私もなんとか母親をやってこられたのだなと実感。

長男が成長し痛みに強くなりつつあるのは間違いない。それと同時に母親として過ごしてきた数年の中で、彼が言うように少しくらいは絆創膏を剥がすのも上達したのかもしれないな。

なにより、自分の手柄ではなく相手のおかげとさっと言葉にできる長男、やるなー。私もそのような気持ちで人と関われたらなあと、良い刺激を受けたのでした。

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今年もコロナの影響でイベントはほぼ中止になった。

そんななか、少しでもお祭り気分をと町内会でお神輿と写真を撮るイベントがあった。

息子二人を連れていくと長男の友達二人にばったり会いみんなで写真を撮ってもらった。

その写真が少し前に届いた。

数人で写った写真。それを見て次男がこう言った。

「おかあさんが一番ハッピーみたいな顔しとるな。」

え?と聞き直すともう一度次男は同じ事を言った。

「ハッピーみたいな顔って楽しそうな顔ってこと?」

「うん」

その頃仕事のことで少し悩んでいたのだけど、そうか、悩んでてもハッピーな顔はできるんやなと単純な私はすぐに嬉しくなった。

ハッピーみたいな顔、いい言葉。

私もチャンスがあれば使ってみたいな。

後半は次男が元気をくれた言葉のお話でした。

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早いもので、お盆を過ぎれば朝夕と秋の気配を感じるようになってきます。

この季節が好きです。

そして私が夏と言われて思い出すのは小学校低学年頃の永遠に続くのではと思うような長い長い夏休み。ちょうど今の長男くらいの頃です。

毎日自転車で通った学校のプール、祖母の家で食べたすいか、いとこ達との花火、蚊取り線香とキンチョールの匂い、ラジオ体操のカードに毎日押してもらうスタンプをながめたり…。

長男も大人になったらこの夏を思い出したりするのかな。

あの頃はコロナで、マスクが暑くて、東京オリンピックがあって…と。そんな事を考えていると不思議な感覚になります。

夏休み後半!

バテずに乗り切りたいですね。




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