11月・白って汚れない?と言わない
本格的な秋がやってきた。
これからの季節はどんどんと気温が下がり、洋服も夏とは違って重厚なものになってくる。
秋冬になると淡い色の服を着たくなる。
肌を覆う布の分量や素材感から、色だけでも軽くした方がバランスがいいように感じる。
優しい色のベージュ、薄い杢グレー。
あたたかみの感じられる、明るい印象の洋服。
そして白、オフホワイト、アイボリー。
淡い色のニットやスウェットにボトムも白。
そんな組み合わせなら黒いコートを着ても重くなりすぎない。
気温が低くなる季節こそ白は映える。
ところで、普段そこまで誰かに対して怒ったりしないのだが、どうしても受け入れられない言葉がある。
それは
「白って汚れない?」
である。
そら汚れる時は汚れるよ。
着たくて着てるんやからええやん?
聞く必要ある?
と思う。
純粋な疑問とは思えず、よくそんな汚れたら目立つ服着てるなと言われている気分になる。
被害妄想だろうか。
汚れた時は洗濯どうしてるの?とでも聞きたいのかな。
どうしてもこの質問をする人の気持ちがわからなくて、デリカシーがないとさえ思ってしまう。
たしかに子供がまだまだ小さいうちは難しいかもしれない。
でもある程度成長して、大丈夫になったと思ったから着ているのではないか。
思い出すのは学生時代。
季節は夏。
白とネイビーのボーダーTシャツに赤いギャザースカート、そして首元に赤いスカーフを、トリコロールカラーで合わせるコーディネートをとても気に入っていた。
なのに待ち合わせた友達がわたしの首元を見て言ったのだ。
「暑くないの?」
暑いよ。
でも好きなのだ。
わざわざ聞く必要ある?
服装に関して、着ている本人に伝える言葉には意識的でいたい。
初秋のまだ暑い日に着る長袖とか、春先に着る薄手のシャツとか。
夏のニット帽(これだって素材は夏仕様の麻だったりする)とか冬のショートパンツとか。
本人が意思を持って選んだのであろうアイテムに対しては敬意をはらいたい。
そこで暑くない?とか、寒くない?とか聞くのってナンセンスではないか。
思ったとしても心の中で思ってたらよくないか、わたしはそう思う。
逆にもう暖かくなったのに着ているダウンとか、涼しいのに真夏と同じ半袖Tシャツとか、そういうのに対してはそこまで敏感になってはいないが、でもまあ言わない。
言って盛り上がることでもないよね多分。
そんなわけで、今年も11月がやってきた。
白をはじめ淡い色を楽しみたい。
そして、たとえば小さな子供を連れたお母さんが白い洋服を着ていたら。
その心意気いいね!と、それだけで好感を持つだろう。
その人はきっとママ友に「白って汚れない?」なんて言われても「ウタマロで洗うから平気だよ」と答えるのだ。
かっこいい!
そしてわたしはこれから先も
白って汚れない?とは絶対言わない。
それかわいい!とか、素敵!とか、めっちゃ似合う!とか。
本人に伝えるのであれば、そんな言葉だけを選びたいと思っている。
考えすぎだろうか。
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