見出し画像

ディズニーがほほ笑む、劇場公開されなくても、アカデミー賞の対象に

ITM(InsideTheMagic)というディズニー関連のビジネスニュースサイトがあります。新型コロナウイルスが確実に毎日エンターテイメント業界の根幹を変えていく中、今日も興味深いニュースを見つけました。

"Movies Released Straight to Disney+ Now Eligible for 2021 Oscars(劇場公開されずにDisney+で初出しの映画だとしても、2021年アカデミー賞の候補になりますってよ)"

という記事。ここでおさらい。

Diseny+とは、ウォルト・ディズニーが運営する月額サブスクリプション(SVOD)サービスのこと。(日本ではまだ発表されていない。)ディズニー社にとって、ディズニーランド以来と噂される大がかりなプロジェクト。アマゾンプライム、ネットフリックスに続く3番目のサービスとして、世界中のご家庭に、戦略的にマーケティング展開しています。

アカデミー賞とは、アメリカ映画産業発展の為に、その年に貢献した作品や関係者を讃える賞のこと。映画界では、今のところ世界中で最も重要視される賞です。受賞者が頂ける像が「オスカー像」。ただ、その候補になるには、条件をクリアしていなければなりません…

ロサンゼルス郡内の映画館で、連続7日以上の期間、一日に最低3回以上の上映があること。有料で公開されていること。尺が40分以上であること。劇場公開前に、その他のメディア(TVなど)で発表されていないこと。

といった、劇場公開の細かい「ノミネート基準」があります。つまり、上映されなければ映画ではないのです…去年までは。

今年のパンデミックにより、劇場は閉鎖され、映画は都度課金(TVOD)という形で、オンデマンドサービスに早期リリースされました。そういった早期デジタルリリース作品を集め、アマゾンは「アマゾン・プライム・シアター」と名付けてプロモーションもしています。長引くパンデミックの中、劇場で一度も公開されずにリリースを迎えた作品もあります。そのような中で、ディズニー映画が、劇場公開されずにDisney+で発表される事は、自然な流れでした。

そのような異例の流れの中、そのアカデミー賞ノミネート基準変更の発表が行われました。アカデミー賞を運営する映画芸術科学アカデミーは、今年(第93回)の審査基準に限り、パンデミックでの劇場閉鎖期間に発表された作品は、劇場で上映されずに、直デジタルリリースされた作品でも、ノミネート基準をクリアしている事を認めると。

まだまだ劇場閉鎖は続くと思われます。ディズニーが延期を予定していた作品も、ムーランなどの新作含め、続々Disney+でリリースされていくのではないかと予想します。

ただ、実はアカデミー賞はディズニービジネスには、あまり影響しないのも事実です。急いでDisney+で発表し、そのインパクトで加入世帯を伸ばして稼ぐのが良いのか、それとも延期して劇場再開を待つ方がいいのか…。Disney+かBox office(興行成績)か?どっちが儲かるか?という事だけを、ミッキーマウスは閉鎖中のディズニーランドで考えているのかもしれません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?