【小説】日本が丸かった 2章

このたび、拙著『日本が丸かった』を上梓いたしました。

2章 ~スサノオ~

目覚めた
試してみたいことが有った
学習は歩きながら出来るのだろうか

三種の神器をすべて持ち、頭に大量のデータが流れ込んできた
最初の頃より脳への負担は軽減しているように思える。
立ち上がり歩いてみることにした。
歩いている時も勝手に学習が続いていた、別にいろいろな考えも浮かんでくるようになった。学習した内容が生かされ始めた。

半日歩くと集落を発見した
今まで自分がいた所から50キロくらい離れた所で第一村人発見だ
パラレルワールドだから日本語が通じるか分からなかったが、声をかけてみることにした。

俺「すみません、ちょっと良いですか」
村人A「はい、何でしょうか」
俺「言葉が通じるのですね」
A「日本人ですから」
俺「ここは何という村ですか」
A「見かけない顔だと思ったが、他所から来られたのですね」
俺「徒歩で半日の距離でした」
A「それはお疲れ様でした、ここは串本村です」
俺「串本辺りの犠牲者さんの集まりでしょうか」
A「察しが良いですね、説明しなくても良いようで」
村人B「あんた旅人かい?」
俺「はじめまして、白浜温泉で死んでここに辿り着いたところです」
B「あんたも転生組か」
俺「犠牲者は転生組と言ってるんですね、他の組も?」
B「口伝になるが北海道西端の大田村から外輪に渡って戻ってきた人の話では、文化のない未開の人々が外輪に住んでいるらしい、また、外輪から日本列島に渡ってきた先住民も少しはいるようだ」
俺「やはり脳内の映像で見た地図は、このパラレルワールドのものだったんだ」

パラレルワールド日本

A「脳内の映像?」
俺「皆さんは自動学習は?」
A「何のことだ」
B「不思議なことをいう旅人だ」
俺「説明しても信じてもらえないと思います」
A「なら聞いても仕方ないか」
B「それにしても剣を持つ人には初めて出会ったな」
A「勾玉のアクセサリと鏡も持っておられるが、もしや・・・」
B「あなたさまは!」
A「村長を呼んでくる」
B「それがいい」

村長と村を代表する何人かがやってきて村で一番大きな建物に案内された。
俺の姿を見たとたん、AとBも含め平身低頭して無礼な口の聞き方を謝罪された。
天皇または神とみられているようだった。

村長「我らはこれからどう行きていけばよいのでしょうか」
補佐「水と食料がある所には集落が出来ています、しかし、文明が無いので外輪の縄文人(その様に判断しているらしい)と変わりない生活です」

知恵を授けることにした
幸い、俺の頭には汎ゆる情報が詰め込まれている

俺「学校、病院、葬儀場をまず作るのが良いでしょう」
村長「国造りの一歩ですか」
俺「子供たちを教育し、大人たちはインフラ整備をするのが良いでしょう」
村長「私達は長年仕事をしてきたと思うのですが、日を追うごとに記憶が消えていくのです。やがて未開人になってしまうのではと危惧していました」

俺の頭に流れ込んできた膨大な情報は他の犠牲者の持つ情報だったのか
そうだとしたら、知識を持つ人間は俺だけになってしまう。
俺が消えるまでに多くの情報をパラレルワールドに残しておきたい。
輪廻転生、時が来れ(この世界で死ねば)ば次の世界に行けると信じていた。
串本村だけに伝えても意味がない、各地にあるという集落でも同様に学校と病院と葬儀場くらいは作って貰おう。
其の為には命令できる威厳が必要になるだろう、神として旅しよう。

しばらく滞在し、体裁を整えた
『慈悲院』『浄土院』『学院』が出来た。
国造りの教科書を作ろうと考えた、紙と文具、そして印刷技術が必要になる
まずは、それらを村人に作って貰おう。

俺「生前の記憶が残っている人を集めなさい」
村長「ここは漁師と農業の知識を持つものばかりですが、よろしいでしょうか」
俺「その技術は行きていくために大事なものです、集めなさい」

船の扱い、治水、農業と漁業全般について話を聞いた。
実技をしてロープの結び方などは特に勉強になった。
まだ脳内に入ってきていなかった情報が補完され、良い教材が作れそうだった。残念なのは工業関係者がいなかったことだ、次は工業地帯が有ったところを目指そうと思った。
印刷技術がないと教科書が作れない、印刷機械を作るには鉄、油、電力、機械製造技術などが必要になるし、重い教科書をまとめて運ぶトラックも必要になる。道路も橋も・・・更地を使って震災の復興事業をするようなものだ
大変だ大変だ・・・だいそれたことを始めてしまった気がする。

何を優先させて、何を後回しにするかよく考えよう
産業革命以降の150年の歴史を一足飛びに構築し直そうという計画だ
できるだけ多くの技術者を発見したい、俺一人では無理だ。

村長「お神のお名前を聞かせて頂けないでしょうか」
そうか、集落に着いてから名乗ったことがなかったな。
何と名乗ろう、生前の名前を忘れてしまっていた。
脳内の名前リストを検索しよう
俺「我が名は『スサノオ』である」
村長「貴方様があのスサノオさまでしたか」
そういうと、全員が平伏した。
俺が女だったら、アマテラスや卑弥呼を名乗っても良かったが、男神で真っ先に思いついたのがスサノオだった。
偉大な神になるよう精進しよう。
オオクニヌシノミコトでも良かったかな。。。

3章 サブタイトル~神の国~ に続く

島を活用する

早急な国造りと近代化の知識
失敗の少ない国造りが出来ればよいが

道路
人や車両などが通行するための道、住居やその他建物には必ず道路が必要になる。
水道管やガス管などを埋設するインフラ維持の空間であり、配管メンテナンスで掘り返しやすい。

住居の東側と南側の道路は太陽との関係で住環境を保つ副次効果もある。
東西に走る幅広道路は日照権問題を軽減する効果もある。

自動車専用道路
車線の幅員は、日本は3.5m、アメリカは3.66m、ドイツ・フランスは3.75m
である。
路肩の幅員は、日本が2.5m、アメリカが3.6m、ドイツ・フランスが3mである。
最低限、片側3斜線+緊急走行用の路肩は必要だ。
早いうちに広い道路・鉄道用地を全国に確保しておきたい。
いざとなれば、勅命だ

陸上輸送
前の記事で貨物列車の記事は書いた、トラックの重要性も知っている
100両の貨物列車、2階建てコンテナ、トレーラーも積めるのが良いだろう。

欧州の連結車は、セミトレーラで連結全長16.5m(一部17.8m)と連結車両総重量(GCW)40t(一部44t)、フルトレーラで連結全長18.75mとGCW40t(一部44t)が上限とされている。

2024年モデルとして国内導入予定の6×4トラクターのハイルーフ仕様となる「グローブトロッターキャブ」は、長さ 580 cm×幅 249 cm×高さ 368 cm コーナーや交差点などの曲がる所を考慮すると幅員は広いほうが良い。

アメリカの標準的大型トレーラートラックだと車体の幅は2.6mくらい

日本の車体が大きくかつ長いフルトレーラーのサイズ・寸法
車両総重量:20トン、積載量10トン以内
全幅:2.5m以内
全高:3.8m以内
連結全長:18m以内 (フルトレーラーは連結機構から後端までの長さが12m以内)
道路使用許可を得て前後に先導車を付けて夜間走行する場合に限り、21mも可能。
積載幅が3mを超える場合も(陸上輸送限界は積載幅3.5mまで)許可と先導車が必要です。
PM9:00~AM6:00以外の時間は走れません。回転灯を回してゆっくり走ります。

フルトレーラーならヨーロッパのトラックと差がない
アメリカントラックより少し幅が狭いくらいだ。
同じ規格のコンテナを運んでるのだから、そうなるわけだ。

無許可でしかも日中に走っている大型トラックを見かけますが許可されず、違反行為となります。
黙認も有るので横行していまsが、通報しましょう。会社とドライバーが検挙されます。
国交省と警視庁の別管轄になるため取り締まりが面倒で黙認されるようです。合同取り締まりもある。

コンテナの陸送

鉄道は標準軌でつくりたいな。
コンテナは貨物列車でもトラック輸送でも共通で使うもの。
コンテナの自重も含めて、40フィートコンテナの場合は30,480kgまで、20フィートコンテナの場合は24,000kgまで積載できます。
40ft(Open Top)外寸寸法(External Dim):幅2,438mmx高さ2,591mm
自重は約4トンなので、最大積載量30,480kg(ISO規格の最大総重量)だと、約26,480㎏(26t)以内。
満載容量:約67.6m3 ですが、背高なら30.5cm高い荷物が積み込める。76.2m3 の容量となる
40フィートハイキューブ(背高)コンテナ:76.2m3、内寸12,030mmxW2,350mmxH2,700mm

日本一道幅が広い道路は100m

道路を改良してつくりたいな
国道357号の東京都品川区八潮3丁目2番地~大田区東海3丁目の区間の道幅は合計で100mあり、日本一の広さを誇ります。
道路の中心には標準6車線の高速湾岸線が配置され、その両側に一般道の国道357号が標準4車線で配置されています。

高速道路6斜線、一般道最大8斜線の湾岸道路

大火の時には、道幅が広いと延焼を食い止められる事もある。
関東大震災では火災旋風が起こり火柱が暴れまわり道路では延焼を食い止められなかった。
1車線あたりの幅員は3.7m以上にしたいな。
歩道もそれくらいの幅は必要だろう、イベントなども考慮すればもっと広くても良い。

製紙

神は生活に必要だ、優先順位が高い。
紙の原料である植物繊維細胞壁の成分は、セルロース・ヘミセルロース・リグニンに細分される。セルロースが骨格を、ヘミセルロースが接続を、リグニンが空隙充填を担う。
文具としての紙、印刷紙、写真紙、画用紙、厚紙、梱包材、段ボール箱、防災グッズなど用途は多い。

鉛筆

文房具がないと子供たちも勉強が不便だ、丸暗記は難しいだろう。
紙に筆記するために使われる鉛筆は、顔料を細長く固めた芯(鉛筆芯)を軸(鉛筆軸)ではさんで持ち易くしたものである。一端に消しゴムが付いた鉛筆も有る。
各種の顔料を油成分で固めて芯とした色鉛筆も使われる。教育や事務で「赤青鉛筆」(二色一体)も使われる。

ダム

防災と利水で最優先課題がダムだ、鉄とコンクリートの製造技術も必要だ。
ダムは、水力発電や治水・利水、治山・砂防、鉱山の排水、廃棄物処分などを目的として、川や谷を横断もしくは窪地を包囲するなどして作られる土木構造物。

用水路

町の中に用水路と道路を張り巡らそう。
農業用灌漑や上水道、工業用水道などのために水を引く目的で造られた水路である。
公園の池とともに町の環境を保つ目的や道路と並行して雨水の排水で張り巡らされた水路も有る。
水量が多く流れがあると、水車を回したり小規模発電、また積雪時の排雪にも使える。

上下水道とともに人間の生活に欠かせないのが河川や用水路です。
逆に、河川や用水路は大雨の際には洪水の原因になったりします。

街作りで道路と水路は優先的に整備されるインフラです。

セメント

コンクリート建造物に必要なセメント製造技術も優先度が高い
膠灰(こうかい)とは、一般的には、水や液剤などにより水和や重合し硬化する粉体を指す。
広義には、アスファルト、膠(にかわ)、樹脂、石膏、石灰等や、これらを組み合わせた接着剤全般を指す。

工部省技術官宇都宮三郎がポルトランドセメントの製造に成功した。

高炉セメント:ダム、港湾
高炉セメントは、初期強度は普通ポルトランドセメントよりも低いが、この性質により長期にわたって強度が増進し、長期強度は普通ポルトランドセメントを上回る場合もある。
海水や化学物質に対する抵抗性に優れ、港湾やダムなどの大型土木工事に使用される。

フライアッシュセメント:ダム、港湾
水密性を要求される部分に使われるセメント

シリカセメント:化学工場
二酸化珪素(シリカ)を60 % 以上含む天然のシリカ質混合材とポルトランドセメントを混合したセメントである。耐薬品性を要する化学工場に使用される。

アルミナセメント:化学工場、ゴミ償却施設
アルミニウムの原料であるボーキサイトと石灰石から作られる、酸化アルミニウム(アルミナ)を含むセメントである。練混ぜた後すぐに強い強度を発揮し、耐火性・耐酸性がある。

製銑から鉄鋼

鉄器時代から重要な技術だ、最優先されるべきだろう。
製銑(せいせん)は、鉄鉱石から鉄を取り出す工程
銑鉄(せんてつ、)・粗鋼の生産
溶鉱炉により、酸化鉄の鉄鉱石、石灰石およびコークスを混合して、高温度で還元と溶融が行なわれて銑鉄ができる。

銑鋼一貫製鉄所
製鉄業は広大な敷地に加え、多様な設備・大量の水やエネルギーなどを使う。
・安定して強固な地盤であること。
・豊富な水利が確保できること。
・原料や製品の入出荷に対応できる水深の深い良港に隣接する場所。

「高炉」へ鉄鉱石とコークス(蒸し焼きの石炭)を交互に投入し、炉の下部から熱風を吹き込むことから始まる。
鉄鉱石を溶かしながら酸素を取り除いて、「銑鉄」と呼ばれる溶けた鉄をつくる。
「転炉」は銑鉄を鋼に転換する金属精錬専用炉で、銑鉄から炭素やリンなど不純物を除去する。
「電炉」は鉄スクラップを原料とする、リサイクル電気炉です。

大規模な航路では、高さ10メートル、容積は5000立方メートル
縦25mx横10mx深さ1mの小学校プール(250m3)の20個分相当の高炉が有る。

製鉄所を建設する事は経済、環境、社会福祉、政治、情報、インフラなどのあらゆる場面において膨大な影響を及ぼす。

燃料供給:製油所
原油を蒸留装置や分解装置によって精製して、ガソリン、灯油、軽油、重油などのさまざまな石油製品に生まれ変わります。
水島製油所の生産量は、350,200バレル/日(約55,682KL/日)だそうです。全国に20箇所各社製油所があります。

電力供給:発電

ダムが出来れば水力発電も可能になるが、火力発電を急ぎたい。
火力発電、原子力発電、水力発電、風力発電、太陽光発電、バイオマス発電、振動発電、地熱発電
石炭火力発電所が最も高効率です。

重機製造
重機がないと大規模な工事に着手できない。

エンジンの製造

エンジンがないと、重機も機関車も船舶も作れない、優先しよう。
1  鋳造:砂型からエンジンパーツを鋳造する
2  機械加工:鋳造したパーツを切断、掘削、研磨し、形を整える
3  熱処理:高温の環境下で使うパーツに熱を加え、強度を上げる
4  エンジンパーツ組立:各パーツを洗浄し、接着して組み立てる

まずは、ディーゼルエンジンだ
ディーゼルエンジンはガソリンエンジンよりも大幅に圧縮比が高く、点火プラグなしに点火できます。
ディーゼルエンジンはガソリンエンジンに比べ効率が良く、低速トルクが太い。
燃料である軽油はガソリンより燃料製造段階におけるCO2排出量が各段に少い。
エンジンが破損しないように各部品がガソリンエンジンよりも丈夫に作られていて1.7倍ほど耐久性が高い。
過給器(ターボ)を組み込むことで、トルク・加速・最高速をUPさせる事ができる。
ディーゼルエンジンは、総重量2,000トンを超える巨大なエンジンも製造可能です。

バッテリー技術も必要だな、パナソニックやソニーの技術者が見つかるとよいが。さぁ度に出よう。

木造住宅は弱い、鉄筋コンクリート造か住宅は軽金属と木材を取り入れたものが良いだろう。木のぬくもりは大切だ

アルミニウム合金は、アルミニウムを主成分とする合金である。
アルミニウムには鉄より軽いという特徴がある一方、純アルミニウムは軟らかい金属であるため、銅(Cu)、マンガン(Mn)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)、リチウム(Li)などと合金にすることで強度など金属材料としての特性の向上が図られる。
加工硬化、固溶硬化および析出硬化によって適当な硬さにすることができる。
アルミニウム合金を加工する場合、大きく分けて展伸法と鋳造法が採用される。
アルミニウムは熱伝導性が高い。熱しやすく冷めやすい性質が有る。
アルミニウム合金は高い強度を持つ反面、溶接・溶断は特に難しく、完成品の用途変更に応じた改造や、破損の際の修繕は鋼などに比べて困難である。

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