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テンプレート・ピッチが好まれる理由

何故かよくはわかりませんが毎年秋くらいの季節はピッチコンテストが多く開催される気がします。

ほとんどのピッチはテンプレート通りに手順が進んでいきます。今回はそのテンプレートをご紹介します。

ピッチには必ずテンプレートとなる部分が存在します。ほとんどのピッチが3分で構成され、言葉選びに苦労しますから、テンプレート通りの内容を審査員なり投資家に呼びかける方がすんなりと相手の思考に働きかけ易いという側面もあるかと思います。

1.表紙:会社名/創業時期/ロゴ
2.Problem Statement
3.Solution/Simple Demo
4.Market Size
5.Product&Technology Traction
6. Team Members
7.Competition
8.Business Model/Plan
9.Funding Status

1.表紙:会社名/創業時期/ロゴ

表題の通りです。会社の名前、創業時期、ロゴで1枚が終わります。

2.Problem Statement


スタートアップとして「何の課題を解決したいのか?」ということを説明するページです。この課題の表現が上手くいかないと後のピッチの部分がボヤけてしまいます。

3.Solution/Simple Demo 


2番に対してどんな解決策で行うのか?ということを示します。実際に取り組んでいることや、取り組もうと思っていることがあればそのプロトタイプを提示します。

4.MarketSize


解決策の市場規模です。問題に対しての手段で市場規模が決まって来ますので、ここはその提供する手段の市場規模を記載します。
私が教えを受けたシリコンバレーの専門家に言わせると市場規模が1兆円未満だと投資の対象にすることは難しいと言われるそうです。

5.Product&Technology Traction


取り扱いしている商品や実際に上がった売り上げや一定期間のユーザ数、アプリならダウンロード数、月間ユーザー数、BtoBなら契約企業数を書きます。ここがスタートアップのひとつの関門になっている場合があります。
投資家から見れば「その会社は有効な解決策を痛みを抱えているユーザーにちゃんとサービスを提供できているか?」と言う視点と、「それにより売上やユーザーが存在しているか?」と言う点を問われるからです。

6. Team Members


自社の組織の幹部を書きます。5番の結果が伴っているなら特に気にされることは無いですが、もしもまだプロダクトが無いならこれまでの実績が重視されますので、場合によっては6番が重視されることもあると思って下さい。

7.Competition


市場での競争相手と自社のポジションを明確に且つ簡潔に示してください。
スタートアップが「大企業を相手にどの様に戦って行くのか?」と言う部分でもありますが、「戦略と戦術を持って取り組んでいるのか?」と言うことはとても大事です。
2社くらいは最低でも書きましょう。

また「競合と自社の違い」「どこの部分で勝つのか?」ということを投資家に伝えてください。

8.Business Model/Plan


自社が生み出す市場価値やビジネスモデルを説明します。可能であれば自社が手がけた別の作品などを紹介します。そしてどの様に成長して行くと言うビジョンを説明します。

9.Funding Status


投資を受けている場合は投資家の名前を挙げてください。現在のステージ(エンジェル・シード・アーリー・レイターなど)の立ち位置を投資家に伝えます。そして「次のステージに進むのにどれくらいの資金がいるのか?」もしくは人材・仲間が欲しいならどの様な人材が欲しいかを伝えてピッチを終えます。

以上の様にピッチのテンプレートはとても合理的に作成されています。
特に2.3.5.7.8が重要で、2を上手く表現出来ないと何を言いたいのか判らないピッチになってしまうので注意したいところです。

たった3分で相手に伝えると言うのはピッチコンテスト独特な所ですが、資金調達を目指すスタートアップには避けて通れない側面もありますので、ご参考にされてください。

テンプレート・ピッチは投資家や評論家が聞きたいことが含まれています。特に課題や解決方法、その成果は投資に直結することなので自分がスタートアップを行いたいならこの点を明確に出来ないと難しいと言えるでしょう。

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