「承知しました」「了解しました」問題

うるさいと思われるかもしれないですが、「承知しました」という言い回しがあまり好きではないんです。お店の予約などで言われるのは別にいいですが、普段に使うのには若干の違和感を感じます。

そもそも「承知しました」って、ある時を境に急に使われ始めた印象。初めて聞いたときのことをはっきりと覚えています。研究室の学生に研究の方向性についてメールしたら、「承知しました」と返信がきて驚きました。普通は「わかりました」とか「了解です」とかえってくるところなのに、丁寧というより慇懃無礼な感じで違和感しかなかったのですが、他の学生も使い出して、そのうち学生以外でも周囲に「承知しました」を使う人がだんだんと増えていることに気づきました。

どうやら、テレビかなにかで取り上げられたらしいということがわかりました。「了解しました」は敬意が含まれないのでNG、「承知しました」が正しい、と。

「了解」はそれまで普通に使われていたのに・・・。特にメールのやり取りにおいて重宝な言葉で、1990年代の電子メールの普及とともに使用頻度が増した言葉だと思います。

「承知しました」ってなんて何だかよそよそしいですし、それに「了解しました」だと「なるほど、わかりました」みたいなニュアンスが入っているのに「承知しました」は思考停止して上意下達で命令に従ってるという印象。

「承知しました」の普及過程について菊池良さんが調べたこんな記事があります。経緯がわかり少しスッキリ。

こういう事例って他にもありますよね。お酒を注ぐのに徳利の注ぎ口を使うのは失礼、とかいう新マナーができたり。

とはいえ「承知しました」は、もはや定着してしまっているので、使わないとマナー違反と思われかねないですね。ここは抗わずに従うべきか、悩みます。

記事のお礼に、菊池さんの本を宣伝しておこうっと。私も持っていてこれは結構面白かったです。

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