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総合診療医の雇い方@離島・へき地で未来の医療体験記

こんにちは、離島生活史上2番目にすごい時化の中でこの文章を書き始めてしまった室原です。。
#船出発して10分で口元に袋を持つ方が 。。
#酔う前に早く書き終わらなければ 、、
#ちなみに1番は上五島時代で 、一緒に乗っていた2歳くらいの娘が船の中で転げ回ってた(笑)

今回は室原とその父親の2人でのほんわか東京遠征で学びになったことを伝えさせてください!
親子旅行とはとても思えぬ、総合診療医の在り方から、地域における役割、組織作りにまで発展する壮大な物語が展開されました!

ことの発端は、室原が東京に用事が出来たことで千葉県勝浦市の塩田病院で総合診療をされている青木信也先生に会いに行けることになったこと。
青木先生は栄えあるゲネプロ1期生。一緒に働かせて頂いたことはないものの、何でもできるスーパードクターだと方々から噂を聞いていました。さらにその先生が、勝浦市の塩田病院で総合診療部長をされていると。それもオーストラリア式の「10日勤務、4日連続休み」の勤務体制を整え、地域での総合診療を受け入れる土壌を作っているとの噂を聞きずっっと病院に会いに行きたいと思っていたのです。
(ちなみに青木先生もブログを書かれているので是非読んでみてください!
https://irrme.co.jp/blog/blog/

その直前のタイミングで父親に会い、青木先生のことを話してみたところ、「へぇ~、おやじも行こうかな~」と。青木先生も快諾してくださり、なんとも軽い感じで今回の父子の東京遠征が決定しました!
#僕の父親は自分のことを 「おやじ」と言います
#きっと何かに憧れて小学生時代から父親を 「おやじ」と呼んでいた自分の影響だと思います

左が父親、右が青木先生

ちなみに僕の父親も医者をやっています。診療も病院運営もこなす60歳半ばのバリバリの父親なのですが、そうとは思えないほど柔軟な思考を持つ人間です。数年前、僕が総合診療に出会った頃に父親が言っていた言葉がこれです!

「これからの時代を考えると、総合診療医を中心とした病院作りをしないと地域のニーズに応えられない。」

父も僕が島で何をしているかよく分かっていない頃で、自分も総合診療が楽しいと思い始めたタイミングで父親がこの言葉を言っていてびっくりしたのを覚えています。父親の年代で都市部で医療をして独自にこの答えにたどり着いた医師に会ったことがなかったので内心「おやじ、すごいね~」と偉そうに思ってました(笑)


そんなこんなで先日、人生初のカーシェアリングを使用し東京都内から1時間40分ほど運転、先生がいらっしゃる塩田病院に到着しました。
仕事がお忙しい中、時間を割いてくださり医局へ通してもらい。そこからなんと3時間ぶっ通しで話続けました(笑) そこの話がめちゃくちゃ面白かくて、笑うとかじゃなくて、話に興味が尽きないパターンの。
そこで話してもらって自分の中で印象的なのをまとめたのが以下!

地域での役割に合わせて「自分が何でも診れる」よりも、「皆で同じように診れる」を目指す

冒頭の「10日勤務、4日連続休み」を実現するためには主治医制を廃止し、皆で診れるシフト制に移行する必要がある。そのためには診療スキルを均一化する必要があるから、自分が診療できる部分でもあえてクリニックや高次医療機関に紹介することがあるといっていました。これはカッコいいな~と唸っちゃいました(笑)
自分は離島で医療をするということもあり、勉強して診療可能な範囲を増やし患者に貢献できることに喜びを感じています。ただこの話は、「患者に貢献する」ゴールは変えずに真逆のアプローチ。なるほどなあ~と。
一般的にシフト制の方が、ワークライフバランスが良いのでこれからの時代には合ってくるはず。シフト制を敷くとしたら、この自分の診療を引き算する勇気。一番の肝はここだろうなと感じた話です!

総合診療医も得意範囲は様々。同じ二次医療機関としても、急性期なのか回復期なのか、どの地域で働くかで〇〇が得意な総合診療医が必要かは変わる。

これが、自分のなかでもやもやしていたところがすっきりした話!青木先生は救急専門医をもった総合診療医。かっこいいERGPです。なので救急を受け入れている急性期の二次医療機関がめちゃくちゃフィットしています。
一方で自分は離島のへき地でしか働いたことがないので、父親のいう都市部の回復期病院で働く総合診療医がいまいちピンと来なかったんです。それが今回の話を受けて、救急が得意な総合診療医か、病棟管理が得意な総合診療医か、外来でのプライマリケアが得意な総合診療医か、などなど。漠然と総合診療と思いっていた部分が鮮明になりました!

20年後の人口動態など具体的なデータを元に、ビジョン・ミッションを作成する。それを元にどんな総合診療医が必要かを考える。

これが、これからやれたらいいなと思った事。総合診療医が必要と言った父親の頭の中には、この考えがあるのだと思います。
ただでさえ、都市部では総合診療医の価値を示しにくい土壌がある気がします。なのでこれから総合診療医を雇うことを目標にすると、病院スタッフが総合診療医の価値を理解し、来てくれた総合診療医の先生がすぐに力を発揮しやすい環境を作る必要がある。そのためにビジョン・ミッション設定の段階から病院の方針を決める人達を巻き込み、大きな流れがあった方がよさそう。父親が頑張って「総合診療医が必要だ!」と旗を振ってくれているので、それがもっともっと大きな流れになればなと。
理想的には『未来のデータを元に、ビジョン・ミッションを皆で考え、それを実現するためには総合診療医が必要で、特に〇〇が得意な総合診療医が良いよね。』となぜ〇〇が得意な総合診療医が必要かを説明できる人がたくさんいるのが良いのかなと妄想をしちゃいました。


今回は、かなり学びが多い遠征になりました、よかった!
備忘録も兼ねて書いたら長文になりすみません!
総合診療医が総合診療医を好きすぎる気はしているのですが、何事も批判せず、あらゆることにリスペクトを込めて話をする青木先生は素敵な先生でした!今回は以上です!

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