アゲハのお礼参り

大きなクロアゲハが
てふてふと羽根を扇いで
我が家の庭を飛んでいる。

庭でアゲハを見かけると
お袋がよく言っていた。
「お礼参りよ」

そのアゲハはその庭で
生まれたのだという。
お礼しに戻ってきたと。

本当だろうか。
幼かったボクは
そう思ってアゲハを見ていた。

今日見たクロアゲハは
我が家の庭で生まれたのか。
そのお礼参りなのか。

黒い羽根には赤いライン。
とても優雅な飛翔である。
「ありがとう」と
お礼をしたいのはこちらのほうだ。