『紙の動物園』

久しぶりに
本を読んで泣いた。
ケン・リュウの
『紙の動物園』。

文庫本で僅か
20頁足らずの
短いお話しだけど、
涙がこぼれた。

僕と母さんの
折り紙の話。
母さんが折った
寅の折り紙。

僕は白人で
アメリカ人の父と、
中国人の母との
合いの子。

中国人の顔をしてるから
学校でいじめられた。
だから母が嫌いになった。
言葉を交わさなくなった。

紙の寅は仕舞われ、
僕が大学生になった頃、
母が病気になり、
死んでしまった。

あるとき母を思い出した。
古びた紙の寅を取り出すと
母の書いた字が見えた。
折り紙を開いてみると、
それは息子に宛てた生涯最後の手紙だった‥‥。