Kさん自作の巣箱

那須山の友人、
Kさんはモノ作りの天才だ。
これまで物置や薪置き場など、
様々なものを作ってきた。
しっかりした基礎から作るから、
職人がやったような見事さ。
そんな彼が素朴な巣箱を作った。

板を組み合わせて
六角形の部屋を作り、
その上に屋根を架けた。
巣箱には木の皮を貼り付け、
まるで田舎屋のよう。
もちろん小鳥が入る
小さな穴が開いている。

台座には木の枝を付け、
小鳥が止まれるようにした。
高ハシゴに登って太い樹の
枝分かれに巣箱を据え付けた。
ひまわりの種の餌を置くと、
やがて小鳥がやってきた。
シジュウカラのつがいだ。

周囲を警戒しながら
少しずつ近づいてきて、
餌を咥えては飛び立っていく。
つがいの1羽だけが巣に入る。
シジュウカラは雌だけが
巣作りをするのだ。
雄は台座の枝に止まっている。

巣箱の中に苔や動物の毛で
産座を作ったら繁殖。
雌は毎朝一つ卵を産む。
雛がかえったら賑やかな鳴き声が
部屋まで聞こえるようになる。
Kさんはその時を楽しみにしている。
してやったりとニンマリするだろう。