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100日後に30歳になる日記(21)

◆5月15日 すき家のメニューサイズには、キング牛丼という大きなサイズがあって、この前の朝っぱらにすき家に行ったとき、仕事終わりらしいアンちゃんがひとりカウンター席でキングサイズを食らっていた。ネットで存在だけは知っていて、実物を初めて見た。人が食べてるのを見ているとなんだか自分もイケそうな気がしてくる。じっさい食べ切れるかは知らない。  大学時代は寮に住んでいて、先輩たちに学生街の飯屋に連れてかれ、大食いをさせられたものだ。それも今は昔、私はもうすき家の特盛でじゅうぶんな体

    • 100日後に30歳になる日記(20)

      ◆5月14日 仕事から帰ってきたら何か臭う。久しぶりに嗅いだと思った。俺の足が臭い。  目には青葉 山ほととぎす 初鰹 というのは初夏をうたった江戸時代の名句、最近になってようやく札幌も暖かくなってきて、日なたをのんびり歩くとえも言われず気持ちよく、なんとなく汗ばむのさえこれまでの寒さを思えば心地いい。スーパーに行けば旬の鰹の赤身やたたきが並ぶ。歩道には街路樹が青々しげっている。五月ほど詩趣に満ちているものはまたとない。  これは高村光太郎の詩の一節であり、その魅力を存分

      • 100日後に30歳になる日記(19)

        ◆5月13日 はい、私はインセルでチー牛で弱者男性で非モテでキモヲタでアンフェでネトウヨです。 『山上徹也と日本の「失われた30年」』という本を読んだ。池田香代子と五野井郁夫の共著。  他人事のように親を切れたらどれほど楽か。切れないから親なのだ。山上徹也だけじゃあない。誰だってそうだ。培養されて生まれてきたような人間でもない限り、血縁の問題はいつだって付き纏う。ハイソな方々にはおわかりにならないかもしれないけれど。  自分がカトリック二世という錦の御旗をもって、本書中

        • 100日後に30歳になる日記(18)

          ◆5月11日  最近すき家に行く比率が高まっている。ちょっと牛丼に飽きてきた。なのでまぐろたたき丼を頼んだ。フリスビー状のたたきをほかほかの白米と混ぜ合わせ、わさびを乗せて醤油をふた回しほどかける。文句なしの逸品になる。  自炊とか、正味、めんどうくさい。朝、起きて、アークナイツのデイリーをする。そのあと枕元に置きっぱなしのノートパソコンを開いてyoutubeを垂れ流す。ぼやーっと布団の上で過ごしているだけで出勤の時間が迫ってくる。買い置きしていた総菜パンを一つ星の速さで胃

        100日後に30歳になる日記(21)

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          100日後に30歳になる日記(17)

          ◆5月10日 私は私の書いた文章が好きだ。嫌いだったら飽きもせず一銭にもならない雑文をnoteで書いているはずがない。仕事帰りに酒を飲んで、へべれけになって書き散らす。結末なんて用意していない。そういう闇雲な自分の文章が好きだ。  ただ、好き嫌いとは別に、これはよく書けたと思う文章があって、それは定期的にうぬぼれで読み返すものがいくつかある。  中でも上の記事は気に入っている。母の日の話だ。プレゼントを何にしようかと思いあぐねている文章。結局、去年の母の日に何を贈ったかは

          100日後に30歳になる日記(17)

          100日後に30歳になる日記(16)

          ◆5月6日 アークナイツ。ガチャに課金。  3連続青カバンという最低ムーブをされたときには、心がくしゃっと握りつぶされた気がした。  星6ダブルピックアップということで、限定キャラと恒常キャラどちらかが排出されやすくなるわけだが、どういうわけか恒常のほうばかり引いた。僕のアークナイツ壊れてるんですけど! 限定キャラ実装されてないんですけど!  引けども引けども出ない。いいよ、あげる。アークナイツくん今月苦しいんだね? あげるよ。あげるあげる。  240連でようやく今回の

          100日後に30歳になる日記(16)

          100日後に30歳になる日記(15)

          ◆5月1日 毎月1日はファーストデーとかでどこの映画館も割引になるのでいそいそ向かった。人によっては連休真っ最中という人もいるからか、単に私と同じように割引目当てなだけか、ふだんより人が多い。家族連れ、夫婦、カップル……。  一人カラオケとか一人焼肉みたいな、一人〇〇。私は人生の過半が一人ぼっちだったので大抵はなんともないが、以前、一人映画が出来ないという人に出会って驚いた。一人動物園とかならムリという気持ちがまだわかるけれども、映画なんて一人で観たって恥ずかしいことないだ

          100日後に30歳になる日記(15)

          100日後に30歳になる日記(14)

          ◆4月28日 面白いVTuberを見つけてずっとそればかり見ていた。瑠璃野ねも。  質があってたいへん良い。 ◆4月29日 映画「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」前章を観た。ワクワクした! 前半だけでも十分すぎる充実感、五月末の後編が待ち遠しい。伏線が全部回収されてほしい気もするし、このままある程度は観客の想像力に任されてもいい気もする。祝日だからか、公開されてひと月も経ってなお当作の劇場は人でごったがえしていた。ふだんあまり人の観ない映画を逆張りで観てい

          100日後に30歳になる日記(14)

          100日後に30歳になる日記(13)

          ◆4月23日 そろそろランニングを日課にするかと思って、朝、走った。四時ごろ。さすがに人気もなく、寝ぐせ頭のままでも平気だった。とりあえずは近所を縫うように一キロ足らず。しかし思いのほか、息が切れる。走るってこんなに息苦しかったっけ。タバコか。タバコのせいか。  私の通っていた高校は年に一度、10月頭に、男子は半日で72km走らされる行事があった。要所要所に休憩ポイントがあり、定められた門限内にそこを通過しないとリタイア扱いになって、後から来る教職員の車で強制送還される。私は

          100日後に30歳になる日記(13)

          100日後に30歳になる日記(12)

           日記、書いていて楽しくない。  noteには数多の文章がひしめきあっていて、中でも日記は群を抜いて多い。私は人の日記を読むのが好きだ。特に女。野郎の生活の一端を覗いたところで何が楽しいってんだい。やっぱ女、ハンドルネームは本名を悟らせないような単語ひとつ(「昨夜」とか「加湿」)で、プロフィール文が簡素で意味深なやつ――「気がふれるような悲しみに」とか「黄色が好き」とかそういう風の。毎日投稿をしているとなおいい。タイトルは簡潔に年月日のみ。フォロー数が一桁でフォロワーが二桁

          100日後に30歳になる日記(12)

          100日後に30歳になる日記(11)

          ◆4月15日 夜、寝付けなかった。パソコンを開いたらまた眼が冴えてしまいそうで、ラジオを聴くことにした。ローカルFM、その時間帯はちょうど若者向けの番組をやっているみたいで、かかる歌もいかにも十代向けの音楽ばかりだった。まあ、たまには悪くない。私も中高生のころはこんなふうなラジオ番組を聞き流しながら勉強していた思い出がある。  お便りのコーナーに移って、お悩みメールが読まれ始めた。  送り主は女子高生らしい。高2のクラス替えで文理別になって、理系の彼女は男子ばかりのクラスに

          100日後に30歳になる日記(11)

          100日後に30歳になる日記(10)

          ◆4月11日  ブックオフオンラインで注文していた「加藤幸子自選作品集」2巻が届いた。ここ数年はamazonの改悪がひどくて、欲しい本を調べても関係ない本ばかり表示されるし広告は多いしというtwitterみたいな惨状になっているので、ブックオフオンラインを使うようになった。よっぽどの古書など以外ならたいてい品ぞろえにあるので便利。加えて、店頭受け取りにしているので、定期的にブックオフに通うことができる。そうして目的外の本も衝動買いしてリアルの本棚にも積読がたまっていく次第。読

          100日後に30歳になる日記(10)

          100日後に30歳になる日記(9)

          ◆4月7日◆4月8日◆4月9日◆4月10日

          100日後に30歳になる日記(9)

          100日後に30歳になる日記(8)

          ◆4月3日 ユニクロに行った。服屋では基本、「お手頃価格になりました」コーナーしか見ない。990円で白いストレートパンツを買った。セカストに行った。セカストにはこの時期、服屋から買い下げられた季節外れの新古品がある。たいていはオーバーサイズかssサイズなのだけど、今日に限ってはMサイズの、ダメージ加工デニムジャケットがあった。背中のところにへんな絵が書いてある。なるほどこれがダサいから誰も買わなかったのか。愛おしむように手に取って買った。これからはウチの子だよ。帰って、ユニク

          100日後に30歳になる日記(8)

          キモい事書いたら即終了日記なのだ

           朝起きて、noteを開いたのだ。  相互フォローの、年下の男の人が、結婚したというタイトルの記事を公開していたのだ。ははぁエイプリルフールだなと勘付いて読んでみると、どうやらマジらしいのだ。いっしょに指輪作り工房みたいなところに行ってる画像があるのだ。恋愛観を披露しているのだ。自分は幸運でした笑みたいな謙遜をしてやがるのだ! 投稿日時を確認するのだ。4月2日なのだ。胸がきゅっとなったのだ。息が詰まるのだ。呼吸ができないのだ。頭が痛むのだ。手足の先が震えるのだ。苦しいのだ。

          キモい事書いたら即終了日記なのだ

          今日から新社会人になった日記

           はじめまして! 今日から新社会人になったnanaと申します!  私は某食品メーカーの事務職としてこの春から社会人の仲間入りしました。  今日は入社式で、都内のホテルの大きな講堂を借り切って、会社の上役の方々が一堂にそろっていました。私からすると天の上の人たちが壇上に立って、これから私たちがどう振る舞っていくべきか、さまざまに薫陶を頂きました。  そのうちの一名の言葉は特に心に残っています。「日本古来の書物、古事記によると――」低く透る声で「はたらく、という言葉は傍を楽にす

          今日から新社会人になった日記