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私がなぜ「農」に興味を持ち、畑を始めることになったのか

2023年度の3月、私は貸し農園で初めての畑を借りることになった。「学生にもっと農の体験をしてほしい」と、ある男性の方が2年契約で借りていた畑を譲り受けた。
そして、今年、2年目の春。すでに2回目のじゃがいもと、ラデッシュ、にんじん、里芋を植えた。明日から一気に、夏野菜を植える。2週目がどんどん来る前に、初めての畑体験を振り返ろうと思う。



大学に入る前までの私

私は、自然とか農とか、あんまり興味がなかった。小さい頃は、よく虫かごを片手にさまざまな虫を捕まえていた記憶がある。せみの抜け殻を帽子の中に入れて集めたり、クワガタをお家で飼ったりもしていた。多分生き物とかには興味があったんだと思う。でも、都会の中で育ち、だんだん、自然から気持ちの距離も空間的な距離も遠くなったことで、自然が好き!というのが意識的には無くなっていった気がする。でも、確かに、特に疲れた時とかは、自然を欲していたのか、高校の時は少し遠回りして、木々がたくさん生え生い茂った公園の道を通って、心をリフレッシュさせて学校に向かったこともたくさんある。けど、別に好き!!!という感じではなかった。携帯の写真フォルダを見ても、人、人、人!見返したら、ほとんどなかった!

「農」の世界に初めて出会い、惹き込まれていった大学時代

多大な生き物たちと触れたことで、鬱々としていた心が一気に消え去った

大学に入り、大学2年の時にcovid-19が流行し、授業や学校行事がオンラインになった。それによって、人とのコミュニケーションもオンライン上でのやり取りになり、通学時間がなくなり、時間の制約も緩くなったことで、所属していた研究会では気づいたら朝から夜までオンラインで繋ぐこともあった。内容は面白かったけど、日々の暮らしが苦痛すぎた。そして、毎日のオンラインでつなぐ活動や祖母の死、家族との関係が悪化するなど、いろんなことが重なり、精神的に病んだ。そんな時に、先輩が住んでいた岐阜県の石徹白というどこを歩いても水の音がして、鳥の鳴き声が聞こえるところに言ったことがきっかけで、背負っていたものが軽くなった気がした。そこで初めて、人間界以外の外の世界にもっと触れ合ってみたいと感じた。

「農」に興味を持つきっかけとなるインターンと生き生きとした人たち

その後、大学一年生の頃からの友達が、熊本県の南阿蘇に住んでいる様子をSNSに投稿している写真を見て、多分私から「行きたい!」と声をかけた。そこで、初めて、インターンを通して、「農業」というものに触れた。養鶏・野菜農家であったこともあり、畑や生活の中で出るものを鶏の餌としてあげて、それを食べたものを栄養にして育ち、毎日鶏が産むたまごをいただいて、その殻を鶏の餌としてあげる。初めて、人間以外のものとつながった、輪の中にいることを感じ、なんだが幸せに感じた。

毎日たまごを産むニワトリたち

それから、そういう循環を考えたいと思い、友達から誘ってもらったパーマカルチャーを考える2泊3日の合宿に参加したり、別のテーマでずっと関わっていた南伊勢で農業インターンとしてみかん農家さんのところで、5月、8月と参加してみたり、知り合いの紹介で沖縄の農家さんのところで一日お手伝いをさせてもらったり。おうちで、初めて自分の意思で庭で野菜を育ててみることもした。このように、農に関するイベントやインターン、旅をしてみて、常に自然のリズムでいき、循環の中にいることに心地よさを覚えたのだが、それよりも、そういう暮らしをしている人たちが生き生きとその良さや豊かさを語るところに、いいなぁ、豊かだなぁ、私もやってみたい、と始めるきっかけとなったのが一番大きい。特に、一番身近である研究会の先生が、楽しそうに、嬉しそうに野菜を育てていて、毎日のようにオンラインコミュニケーション上に投稿していたため、なんかいいなあと、始める一歩をくれたのも大きかったな、と今思うと感じる。

パーマカルチャーイベントに参加したときに施設にあったコンポスト


おうちの庭で育てていたオクラ

そうした中で、「農」や「生態系を育むような自然との関わりかた」に興味が出てきて、修士課程では、そのようなテーマで研究をすることに決めた。そして、ゼミの先生のつながりで、畑を借りることになった。

次の投稿では、畑を経験して一年が経った私が変化したことについて投稿しようと思う。


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