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駐在とは地味な積み重ねである

海外駐在について、私は自分が行くまで全く
知識も興味もなかったのだが
(行く予定がなかったため)

世間一般では、駐在生活=華やか!という
固定したイメージがあるらしい。

私は幸か不幸か最初の駐在先が「インド」という魔法の国だったので、そんなイメージは一切持たれなかったが、

たとえば行き先がパリとかロサンゼルスとか、日本人が憧れてる率の高い行き先なら

「華やかな場所に会社のお金で行けて
いいわね」的な見方をされたのかもしれない。

なんと言っても、現に、
私自身がそういう駐在先のことを
羨ましいわあ、とちょっと思っている。

確かにインドは凄まじい苦労があったが、
パリならおフランスな生活が待っている
のかもしれない、と無責任にも思う。
(なんだおフランスな生活って)

でも!!!

実は花の都パリだってカナダだって
そんなに変わらない、

と、ほかの国の駐在ブログを読んでいるとわかる。

パリだってお茶会と称しての主婦の交流会みたいなのが開催されてる!
これは決してお茶を飲むだけの会ではない。日本人コミュニティに入ってなんとかやっていかないといけないのだ。

カナダだってパソコンの修理に持って行っても、直らないままモニター画面を汚されて返ってくることもある!

イギリスだって、約束の時間から1時間遅く登場するのが「普通」!

どれもこれも日本にずっと住んでいたら体験しないような経験である。

先進国と言われる国だと、
「自分で車を運転して目的地に行く」
というミッションも増える。
この点はインドの方が恵まれている…
のかもしれない…や…どうかな…(笑)

たとえ運転好きな人でも、土地勘がなく
ハンドルの位置が逆の車を
いきなり運転しないといけないのは
慣れるまでは怖いだろう。

まして、「私ペーパーなんです!」
なんて人だったら?
でも運転しないと学校もスーパーも
行けない距離だったら?!

そして
海外ブログを読むようになって
強く感じるのだけど

パリだって
ロサンゼルスだって
上海だって

駐在にまつわる苦労の種類は
ほぼほぼ同じである。

もう、地道な積み上げ作業なのである。

もちろんその国に暮らす楽しみ
というのは味わえる。

期間限定だし妻は仕事もしない(できない)
ことが多いから一種モラトリアムみたいな時間。

会社が色々守ってくれているから
身1つでここで暮らすより安心、安全であろう。

でも日本にどんどん帰る友だちの日本での生活を見ていると、

地に足のついた生活だな!!

という憧れと焦燥感はある。

そして、これは私は幸いまったく経験したことがないが、日本人蔑視の国、反日感情の強い国、つまり「日本人」というだけで嫌な目に遭う、
怖い目に遭う、という場所も結構あると思う。

私はインド、タイという超親日国(インド人は日本のこと大好きです。申し訳ないなと思うくらい。日本人、もう少しインドのこと好きになってあげて!と思うくらい)だったから、本当にラッキーだった。

それですら、インドは安全かというと全然安全じゃない。
日本人がお金を持っている、というのは世界中の共通認識なので、狙われやすい。
あるいはテロやデモに巻き込まれたりする可能性は日本より高い。

そして

日本ってとても、特殊な国。

割と真面目な人が集まり、
基本みんな少しずつ我慢して
素敵な社会を作り上げてきた。

素敵な社会というのは、社会的サービスを受けるのにノーストレスな社会。

でもそのために、仕事場や公共の場では、みんな空気を読んできっちりと行動することが求められる。

だからみんな、他では我慢したくない。

いい加減なことをするとすごい、叩かれる。
そんなに悪いことしてなくても、
ちょっとKYな感じのことすると、
すごい、よってたかって叩かれるように
見える。
例→「あたしおかあさんだから」事件

「ちゃんと」してないと怒られる。

私、そんな日本人気質みたいなの、
実は愛おしいのです。

でも、勿体無いなあと本当に思う。
ちょっとインドに住むと分かるんだけど(笑)
そんなにきっちりやらなくても、結構なんとかなるんだよね…。

リアルというのは多面体。

自分のリアルを作るのは
自分の体験と思考しかない。

海外駐在帯同三年を過ぎて、強くそう思う。

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