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心が動いたから戦う。あの日熊本ヴォルターズが教えてくれたことを話したい。@2016年の出来事②

1本の見知らぬ番号から着信があったのは、2016年4月25日のこと。
あの日のことはずっと忘れてません。



少し間が空いてしまいました!
まずは、前回のnoteでもご紹介したアイスホッケーアジアリーグセミファイナル。日本製紙クレインズは見事3連勝でファイナルへの切符を手に入れました!!おめでとうございます!!

対戦相手はレギュラーリーグ2位のサハリン(ロシア)。

ファイナルラウンドは5回戦制(3戦先勝で優勝)。釧路が舞台となる第1、2戦(3月9日(土)、10日(日))は、現在のチームとしては日本製紙アイスアリーナでの最後の戦いになります。
ぜひ2連勝して王手の状態で敵地へ乗り込んでいただきましょう!
チケットは3月4日に発売されましたが、指定席券はあっという間に完売したようです。
▼詳しくはこちらから


残念ながら現地へ行けない方も、引き続きYoutubeからの配信で試合の行方を最後まで見届けてください!!

▼配信URLは試合当日こちらをチェックしてくださいね。


前回のnoteでもお知らせさせていただいた通り、日本製紙クレインズを釧路のチームとして残したいという有志の皆さんが今も各地で署名活動を続けていらっしゃいます。

私もFacebookを通じて署名用紙を送っていただき、自身の職場で朝礼の時間を間借りして現状をプレゼン。同時に、職場の方々へ署名のお願いをさせていただきました。
でも私、廃部報道を見るまでじつはアイスホッケーとは何のご縁もなく生きてました。周りの方も年明け突然アイスホッケーの話をし始めたのを見て何事かと思ったようです(笑)。
実際朝礼後の反響は少なくなかったと思います。「アイスホッケー好きなの?」「昔はアイスホッケー人気あったよなあ。今は下火になってるの?」などなど。
中でも最も多かった質問はこれでした。

「釧路の出身だっけ?」
「釧路に何の関わりもないのに、何で署名活動しているの?」

その質問を聞いて、「あれ??」と思ったんです。
違和感がすごかった。
自分にとってはそうすることが当たり前のことだったから。
けどその当たり前って、当たり前ではなかったんだと初めて気付きました。

だから今回はその、自分にとっての当たり前がどうやって当たり前になったのかを話したいと思います。


ここから、初めて書いたnoteの続きです。



初めてきたえーるで生のバスケットボールを観てすっかりバスケ大好きになってしまったわたしが2回目に足を運んだのは、北海道夕張市のゆうばり文化スポーツセンターで開催された熊本ヴォルターズvsレバンガ北海道戦でした。

ちなみに初観戦の時に心配していた上履きは要るか要らないか問題。
このゆうばり文化スポーツセンターの試合では上履きを持参するよう予めアナウンスされていました(笑)。(Bリーグになってからは上履き持参の試合はないような気がしますね?)

試合の記憶としてはレバンガが危なげなく強かったことや、席にボールが飛んできたこと、ヴォルターズの白いアウェーユニの首元にくまもんが描いてあって可愛かった(笑)こと、など。
それと、試合後にヴォルターズの選手の皆さんはすぐにバスに乗って会場を後にしましたが、そのバスをお見送りするファンの方がすごく一生懸命というか、チームが大好きなことが伝わってくるような感じで。
もしかして熊本から北海道へ遠征されて来ているのかな…などと思いつつ、その日はそれで普通に終了。
何もなければそのままそこで終わっていたと思います。
でも、終わりませんでした。

2016年4月14日。
熊本地震が発生。


このニュースを知った時、真っ先に思い浮かんだのは、1カ月前に試合を観に行ったヴォルターズの選手のみなさん。そしてファンの方々でした。

すぐにツイッターで状況を検索。
すると、チームのみなさんは試合のため遠征中だったことがわかりました。しかも翌15日、予定通り試合は行われています。

(スポブル記事:被災を通して見えた、プロバスケ選手が担う社会貢献活動(前編)より抜粋)
4月14日の最初の地震時、熊本ヴォルターズは川崎ブレイブサンダースとのアウェーゲームを前に神奈川に滞在していた。翌日の試合は予定通り行われる。しかし、選手やスタッフは試合どころの心境ではない。被災した家族や友人、ホームである益城町への心配が払拭されるわけがなく、集中できないまま75-98と大敗した。アウェーゲームはもう1試合残っていたが、前日の試合を終えた未明にもう1度大きな揺れが起き、さらに大きな被害に見舞われる。試合は一転して中止となり、水や生活用品など多くの支援物資とともに熊本へ帰ることになった。

そしてその後も毎日心配でTLを覗いてしまう自分の目に、選手のみなさんの力強いツイートが次々と届くようになるまで、およそ3日。
当時のツイートは今ではほとんど見つけられなくなっていますが、当時熊本に所属していた遙天翼選手のツイートは今も残っていました。

これと同じようなツイートを幾人かの選手の方がツイートし、いま必要なもの、送り先、送る際の注意事項等を明記の上、広く支援物資を募る活動を始めていらっしゃるのを見た時に。
自分の心は激しく動きました。
何かのカタチで支援したい、と思ってはいるものの何をしたら真の支援になるのか計りかねていた気持ちが、「このチームのためになら!」と思えた。
気が付いたら、昼休みに車を飛ばして最寄りの100均ショップへ。
選手の方がはっきりと要不要を教えてくれた必要リストに基づいて、本当に量としてはごく僅かだったけれど、すぐに荷造りして発送しました。
選手のみなさんが自ら届けてくださるなら、絶対に間違いない。必要な場所へ必要なものが確実に届く。
その信頼感は支援する側にも大きな勇気でした。

(産経WEST記事:「がまだせ(頑張れ)!熊本」プロバスケ熊本の選手がボランティアで大きな力より抜粋)
それぞれのSNSで物資を募り、選手自ら避難所までマイカーを走らせた。身長190センチ前後の大男たちは人目を引き、プロ選手と分かれば喜ばれた。打ち解けて話すことで足りていない物資が分かった。活動はSNSで拡散し、気がつくと協力者は延べ200人以上にふくれあがっていた。


そして荷物を発送して数日後の2016年4月25日のことです。
平日、いつも通り仕事中だったのでよく覚えています。
見知らぬ番号から携帯に着信が。
いや、当時正確には見知らぬ番号ではなかったかもしれません。
つい数日前、送り状に似たような番号を記入したような…?
まさかなぁ、と思いながら取った携帯の向こうから、そのまさかが。

「もしもしこんにちは、熊本ヴォルターズキャプテンの小林と申します」

その第一声、今でもはっきりと覚えています。

わざわざ支援物資のお礼をお電話で伝えてくださるとは…。考えられない出来事でした。
バスケットボール界の人格者レベル尋常じゃない。
正直ほんと、そう思いました。
まだBリーグ開幕前の出来事。しかしこんな選手たちを擁するこのリーグ、一体どんなことになるんだろう…?と。
その可能性の大きさや、ワクワク感に支配された瞬間。これがたぶん、自分がBリーグへと本気で心傾けてみようと思った決め手だったのではないかと思います。

(蛇足:当時の自分が感動に打ち震えてたツイートはこちら)


その後、ヴォルターズが歩む道は決して平坦ではありません。
チーム存続の危機も迎えました。
クラウドファンディングもやりました。

熊本で開催されたオールスターでは小林キャプテンが素晴らしい活躍でMVPに!
B1昇格戦に残念ながら敗れたりもしました。

ヴォルターズには笑顔も、涙も、どちらも同じくらい共にある。
喜びも悲しみも、同じ場所にある。
ここで紹介しきれないことも、まだまだたくさんあると思います。
でも熊本から最も遠く離れた北海道にも、ヴォルターズの残す軌跡はちゃんと届いているし、いつもなんとなく、心の近くに在る感じ。
いずれは熊本のホームゲームを観に行きたいし、いずれまた北海道であの日と同じ、ヴォルターズvsレバンガというカードを観たい。
それらは今も、叶えたい夢のまま自分の中に生きてます。

「釧路に何の関わりもないのに、何で署名活動しているの?」

その問いに今も自分は、「当たり前のことすぎてわからない」としか答えられません(笑)。
ただもしもひとつ、言えるとしたら。
「心が動いたから」。
それだけは言えます。
アイスホッケーも、アイスホッケーを愛する人、アイスホッケーを何とかしたいと考えてアクションし続けている選手、ちゃんといたのがこの目に見えたから。

頑張る人がいる限りわたしは応援をやめないし、アクションし続ける。
頑張る人が誰にも見つからずに終わる世の中にしたくない。
アンテナを高く。
けど塀は低く。
そうし続けることで、かけがえのない瞬間をくれる人がいることを、熊本ヴォルターズと小林キャプテンが教えてくれたので。
わたしはその信念のまま、今もあの頃と同じくここにいます。



さて、そんな熊本ヴォルターズ、今シーズンは西地区首位をキープ!

そして小林キャプテンは今、故障からの再起を目指しています。


あの頃小林キャプテンは。
自分以外の支援者の皆さんおひとりおひとりにお電話されていたのではないかと思います。(もしかして小林キャプテン以外の皆さんもされていたのかもわかりません。)
本当に頭が下がります。まして、現地での支援活動で体を動かしながら、心まで総動員して対応されている。
このことを、自分の心にだけ仕舞うのは勿体ない気がして今回改めて書かせていただきました。そして、復帰を目指す小林キャプテンのことをもっと知っていただき、その素敵な人柄を知って応援していただけると嬉しいです!

ムーディー勝山とそっくり!!(たしかに)



オチがムーディーで申し訳ない(笑)。

さぁ、今週末も各地で様々な試合がありますね。
精いっぱいコンディションを整えて、自らが愛するそれぞれのチームを全力でブーストしましょう!
そしてまだ、スポーツには興味ない方にも、うっかり運命の人と呼べるような、素敵な選手との出会いがありますように。
珍獣は北海道からいつも願っています。

心が動くところからすべて始まるよ!

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