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札幌市の住宅街 サケの産卵場所も密集地!?

札幌市西区宮の沢付近というと、住宅がびっちり建て並ぶ人口密集地域。でも密集しているのはサケの産卵場も同様でした。

付近を流れる中の川は、住宅街の川らしく三面護岸なのですが、堰堤ごとに魚道がついていて、大型の魚は上下の移動が可能です。
ただ、砂利がたまった産卵に適した場所は、それほど多くはありません。

札樽道の高架下のすぐ下流にある直線の流路は、魚道の直下のプールから次の瀬までの40メートルにわたって手頃な砂利が溜まっていて、サケがひしめき合っていました。
とはいえ、このあたりは、大人がまたげそうな幅の水路。
卵を産み終わったメスのサケは、産卵床を守るため、あとからきたメスとの場所争い、オスたちは産卵参加のチャンスを求めて、メスの後ろのポジション争いで、サケたちがひしめきあっていたのでした。

その様子を探るためカメラを近づけると、メスにもオスにもチェックされ、噛みつかれ…。
カメラを取り付けた水中棒の水切りの感じが、サケっぽいようです。

一方、これまで密集しているので、いろいろなサケの様子が観察できました。
ひとつは、オスがメスに産卵を促す行動。産卵床を守る姿が、腹づけしているように見えたのか、体を震わせて求愛するのではなく、本気で口をあけて迫っていました(文頭写真)。でも、この直接的な求愛は実りませんでした。

もうひとつは、産卵を終えた個体が、力尽きていく様子。これまでも各地で何度か撮影してきましたが、今回は、見た目はそれほど傷んでいないながら産卵の役割を終え、体がほかの生物の栄養分となるその直前のようでした。

水中で平行を保てなくなって…

そして死んだサケは、水中の生き物たちの食べ物になるだけでなく、陸上に引き上げられて、陸上の動物たちのエサにもなっていました。

皮を裂けずにエラだけ食べた?

195万都市の住宅街のかたすみで、ちょっとドブくささをまといながら、命の循環を感じる観察になりました。

2022年10月12日撮影


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