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出前授業・職場体験を実施しました

 法規書籍印刷株式会社 戦略デザイン企画室の渡辺です。

 今年の夏休みよりも前のお話になってしまうのですが、信州大学附属長野中学校で「ChatGPTの利用に関する出前授業」、地元の数校の中学生を対象として「QRコードを利用したスタンプラリーの企画提案をメインとした職場体験」や「デザインとChatGPTを組み合わせた実習を含む職場体験」を実施させていただきました。

 多くの場合、こういった取り組みはスキルや知識を伝えるところへフォーカスされる印象が強く、「どのような道具なのかを知る」「どのようなことが得意・不得意なのかを理解する」「使ってよいシチュエーションはどんな場面かを使う前に考えてみる」など技術思想にもつながりそうなところを私たちなりの伝え方ができればというところでお話させていただきました。

 お客さまのところでよくお話をさせていただくことなのですが、地方都市での印刷会社の役割は歴史的に「メディアの水先案内人」的な役割を担ってきたところがこれまで多分にありました。
 業界的に比較的DTPへの取り組みでパーソナルコンピュータの導入が早かったため、いわゆる「ホームページ」や「CD/DVD-ROM」「動画コンテンツ」での情報発信が段階的に可能になりました。その後、「紙媒体の制作ができるならホームページの制作もできるでしょ?」や「パソコン詳しいなら動画撮影してDVDも作ってもらえない?」「SNSの運用にも詳しいんでしょ?」などのご相談やご要望をいただくことが非常に多かったということです。

 現状そういった制作は、より個人で取り組めるものに進歩していったため、過去に担ってきた「メディアの水先案内人」のような役割は直接的には減少傾向にありますが、「メディアの特徴を捉えて適切な発信方法を示す」ということは今でも印刷会社の大事な役割だと考えています。
 このような経験からも地元の学校向けに「メディアの水先案内人」として、新しい技術の紹介やその活用方法についてお話させていただくことは、私たちが地域社会に貢献できる方法のひとつなのではないかと考えています。

 出前授業・職場体験の内容についてご興味がありましたらこちらからお気軽にお問い合わせください。

 ここからは個人的な所感です。

 ChatGPTに関する授業は、入口こそChatGPTをどのような場面で適切に使うか判断することが重要というお話でしたが、授業に参加していた先生方を含めた大人たちに「私たちがみなさんと同じ中学生だったころにChatGPTにふれることができていたら、進路や部活の選択肢が変わって人生変わっていたか」という問いを投げてみたり、「生物とAI(プログラム)の決定的な違いとは何か」や「人間と機械の境界が無くなるとはどういうことか」などについても中学生のみなさんに考えてもらったりしました。

 特に「生物とAI(プログラム)の決定的な違いとは何か」のような問いには生徒のみなさんにとても興味をもっていただき、授業のあとにも「個人的に聞きたいのですが…」といろいろな質問や意見をいただきました。

 これからテクノロジーについては「いかに使い方を覚えるか」という側面よりも「自分の中でどのような存在として心にとどめておくか」ということがより重要なことになるだろうと感じています。
 これからも技術的な進歩のスピードに「使い方を覚える」スピードがこれまで以上に追いつかなくなっていくのは容易に想像できます。したがって大事なのはいかに存在として意識し、必要な場面で引き出せるかというところにポイントを置くことだと思います。
 少なくとも近い将来、「使い方を覚え」なくてもテクノロジーのほうから使い方を教えてくるような世の中がやってくるはずです。そのためにも地域の方々を巻き込みながら、こういったことをお伝えしていく事も私たちの役割なのではと感じた体験となりました。