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1.『桜の樹の下には』読書感想文

桜の樹の下には
梶井基次郎

私が読書感想文を書いてみようと思ったきっかけになった重箱の隅というポッドキャストの読書感想文回で選ばれていたのが『桜の樹の下には』だったので、1回目はこの作品にしました。

自分の心には惨劇が必要であり、憂鬱になると心が和むと言う主人公が、桜の樹の下には屍体が埋まっていると考えたり、薄羽かげろうの屍体によろこびを感じると話す内容でした。

他の存在の死を惨劇と評して美しいと心を和ませる様は、変態でちょっと恥ずかしいな、と思いました。

死を身近に感じない生活を送っている私ですが、すぐそこの自然の中に死があることは理解しています。

生き物が死に腐り土に還って養分となり、美しい桜の花が咲くことは想像できますし、産卵を終えて次世代に命を繋ぐ、薄羽かげろうの死も想像できます。
懸命に生きて死んでゆく様に、美しさを感じる事もあるでしょう。時には胸を打たれる事もあると思います。
けれどそれは死に対してではなくて、生き様に対してでありたいなと思いました。

おそらく作者が言いたかった事はこう言う事じゃないんだろうな、と思いつつ。

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