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〜言葉〜こころの宝石

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心をきゅっと掴まれた作品、何度も読み返したい作品をあつめています。(2023.10.16〜)
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【お知らせ】ウミネコ童話集(一)に参加してます

【お知らせ】ウミネコ童話集(一)に参加してます

全てのはじまりはこちらから。

童話集(紙本)
私が昔から作りたかったものの一つであった。
ただ思ってるだけじゃなくて、チャレンジもした。

童話コンテストを見つける度に創造を膨らませ、応募するものの、
全くかすりもしない。今思えば当たり前だろうし、考えは甘かったとも思う。
そして一番選ばれたかった童話コンテストは
ある日終わりを告げた。

ただ文字だけだったら自分でも出せるかもしれない。

ただ

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ヒグラシの夕暮れ

ヒグラシの夕暮れ

      (約1,000字)

手を眺めると、夏の終わりに蜩(ヒグラシ)の鳴く、静かな夕暮れを思い浮かべる

「こんなに白くてモミジみたいな手じゃあねぇ。かわいい柔らかい手だねぇ」

私はピアノを習っていたが、手が小さいから
1オクターブの鍵盤には親指から小指が届くはずもなく、早くピアノ教室をやめることばかり考えていた

おばあちゃんは農家の生まれで、小さい身体で
も日に焼けて小麦色の肌をしてい

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51年でたったこれだけのやさしさ

51年でたったこれだけのやさしさ

月に一度の長女の通院の日。
神経内科クリニック、9時の予約に間に合うよう、駅まで長女と歩く。
もう、何十年こうして通院しているのだろう。
今や、生活の一部となっている、通院と服薬。

毎月のクリニックへの道は、足取りの重い日もあれば、躁転して大声を出している長女を、追いかけている時もある。
ただ、いつも、なにか救いのようなものを求めているような気もしないではない。

それでも、時には、晴れた五月の

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さよならの代わりに【詩〜エッセイ】

さよならの代わりに【詩〜エッセイ】

私の時間の中に
あなたがいなくなっても
何かが変わることもなく
一日が過ぎていく

いつも同じ時間に届いてたLINE
それがなくても平気なのは
渡さずにずっとカバンに入れてあった
手紙のおかげ

私の気持ちは過去に置き去りにしていて
胸の中ではすくすくと育っていたから

あなたはそれには気づかずに
私はそれを
いつ渡してもいいように
今を楽しんでいた

ありがとう
この言葉がさよならの代わり
私が

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こもれび

こもれび

新緑の木漏れ日をあびて、景色がゆらゆらと動いて見えました。まるで私の心のように

ゆらゆら揺れる心が愛おしい
ゆらゆら揺れる心が生きている証拠なんだなあ

毎日超短話602「靴の絵本」

毎日超短話602「靴の絵本」

息子が絵本を踏んでいる。踏まないよって声をかけようと思ったところで、やめる。表紙の靴の絵を履こうとしてるところだったから。

一年前の超短話↓

余白(誰も追い詰めない優しさ)

余白(誰も追い詰めない優しさ)

好きな文章を書く人がいる。その人の文章をなぜ好きなのかと自分に問いかけてみる。

『花に心を寄せ、鳥と会話し、風に目を閉じて、星を想う。そうして歩くこの道を、愛しいと思わずにはいられない。』(『春愁のうた』夕星みみさん)

美しい詩に触れると、いつか街の片隅で見かけた風景が浮かぶ。その風景に詩がぴたっとはまる

もうそれ以上ないような適合性で
やっと巡り会えた恋人同士のように

詩は風景に収まる

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美しいと思う

美しいと思う

美しいものにであったとき
ひとは言葉を見失う

美しいものに出会ったとき
そのとおりぼくはだまってしまう

美しいものを見たとき
ぼくは涙を流す

美しいものを見たとき
ぼくは少しだけ微笑む

美しいものを見たとき
ぼくはきみに伝えたくなる

美しいものを見たとき
ぼくは自分が汚れていると思う

美味しいものを食べたとき
ぼくは幸せだと思う

美味しい話をきいたとき
ぼくならいらないという

美味

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水の遠く

水の遠く

降る水なら雨とよばれた

たまると池とよばれ湖とよばれ

流れるころには川とよばれて
海をめざした
水の遠く

頬をつたうと涙とよばれた
働く額にしみた水は汗とよばれた

たくさんの名前がある
たくさんの祈りがある

子どもが遊んで飛び越える水を
みずたまりとよぶ

遠く呼び水がみえるとそこは夏になる

それらすべては水の記憶
遠く命と祈りと心をまとめた水の

水の記憶

あなたも憶えているだろう

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 詩の朗読 『ひとはね』(再掲)

 詩の朗読 『ひとはね』(再掲)

朗読しました。

 近くにいきるひとだけでも
  楽しくすごせますように。

きっかけはnote|検索は「ふうちゃん2」

きっかけはnote|検索は「ふうちゃん2」

「みんなのフォトギャラリー」に心惹かれました。
たくさんの素敵な記事や、それを飾る写真やイラストを目にするたびに
綴られた文章にデコレーションする画像を探している誰かが画面の向こう側にいて、どんな気持ちでこの画像を選ばれたのか想像することが好きです。
もし私のイラストが表現の一部としてご利用いただけたなら…
という思いがふつふつと湧いてきました。

今まで読むだけのnoteファンでしたが
この場を

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残念ながら忘れましたで生きていける

残念ながら忘れましたで生きていける

今、最高に幸せ、書かないと忘れてしまう
朝から、火を灯し水を備えて、お蔭様の感謝の祈りを捧げる
一杯の水は渇きを潤す

さてと、朝食
お湯をわかしていりこのだしをとる
乾燥ワカメをパラパラ、今朝の具材は
お揚げさんとワカメと小松菜に茗荷
味噌を溶き出来上がり

食す

小松菜、サクサク ワカメはコリコリ
ここら辺は同じ食感
お揚げさんは、だし汁を吸い込み、ふぁっと幸せを
充足する
好きだなぁ、お

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はかないの花

はかないの花

こころのうちに言葉が咲いては
色とりどりの花薫る

摘み取ったなら消えてしまうほどに
色とりどりの言葉はあざやかでいてさみしい

あざやかなのはじつはさみしい

昨夜に見た夢はどうでしたか
おぼえてますか
幸せな気持ちになったのならよかったけれど

朝日のなかで歩みをそうっと進めたときに
それと忘れてしまうほどの淡い色で

夢とは色をまとって舞い降りた昨日のこと

あざやかなのはじつにさみしい

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