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保護猫を家族に迎える前に知っておきたいこと

保護猫と一言で言い表せないくらい、猫たちの生い立ちは様々です。生まれて間もなく親 猫とはぐれた子、飼い主が病気で一緒に暮らせなくなった子。彼らを家族の一員に迎えよう と考えている方に、知ってほしい大切なポイントがいくつかあります。

【1 迎えたい猫の背景を理解する】

保護猫になりたくてなった猫はいません。
保護猫にならざるを得なかった子達は、捨てら れたり、迷子になったり、または過酷な環境から救出された、など、様々な背景があります。

このことは猫の性格や健康に影響を与えてしまうことになります。
保護される前の環境に よっては、人間や他の動物との関わりに慎重になり、物陰に隠れて出てこなくなる猫や、人 や同居猫に対して攻撃的な姿勢のままの猫もいます。

家族の一員として迎える前に、その猫 の過去と現在の状態を保護施設のスタッフからよく聞き、背景をしっかり理解することが 重要です。

目も開いていない状態で育児放棄された保護猫

【2 生活環境を整える】

保護猫を迎える前に、猫が快適に過ごせるように家を整えることが必要です。
猫用のベッ ド、トイレ、食事用の皿、水入れ、爪とぎ、そして遊び道具などが基本的な必需品となります。

また、安全な隠れ場所を用意することで、新しい環境に慣れるまでの猫のストレスを軽 減できます。

安全な隠れ家はその子によって気に入る物が違いますので、タオルや段ボール など、様々なものを試すとよいでしょう。

さらに、家の中で猫が危害を加えられる可能性の あるものを事前に排除しておくことも大切です。

【3 健康状態のチェック】

新しい家族として迎えた保護猫の健康管理には特に注意を払う必要があります。
初めて 猫を家に連れて来たら、できるだけ早く動物病院で全身チェックを受けさせましょう。

ワク チン接種の状況や避妊・去勢手術が行われているかどうか、また、内外部寄生虫の検査を行 うことも大切です。

寄生虫やウイルスの中には人獣共通感染症という、人にも感染してしま う病気をもつ猫もいます。それらの病気は決して遠い存在ではなく、少しでも野良の経験が ある保護猫は感染しています。

我が家が受け入れた保護猫ですが、譲渡後、動物病院で検診 を行ったら、寄生虫とウイルス感染症が見つかった例もあります。定期的な健康チェックと 病気の早期発見・治療が、猫の長生きには欠かせません。

検診が終わってくつろぐ保護猫

【4 コミュニケーションをしっかりとる】

保護猫との関係を築く上で、コミュニケーションは非常に重要です。
最初は恐怖心から人 に近づこうとしない猫もいますが、根気強く、優しく接することで徐々に信頼関係を築いて いくことができます。

あきらめない姿勢が大切です。
猫が好むスキンシップの方法を見つけ、 声をかけながら穏やかに接することで、猫との絆を深めていけます。

また、遊びを通じてコ ミュニケーションを取ることも大切です。
猫は狩猟本能が強い動物なので、羽、紐やレーザ ーポインターなど物を動かす遊びが好きです。

コミュニケーションをとることで、猫に安心 感を与え、新しい環境への適応を助けることにもつながります。

【5 環境への適応】

保護猫が新しい環境に適応するまでの時間は、その子によって大きく異なります。
数日で 新しい家に慣れる子もいるし、中には数週間、数ヶ月以上を要する猫もいます。

猫が新しい 環境に慣れるまで、焦らずに時間をかけることが大切です。
特に、他のペットや小さい子供 がいる家庭では、猫が安全で落ち着けるスペースや隠れる場所を確保し、徐々に他の家族と の接触を増やしていくことが重要です。
猫によってペースが全く違うので、諦めずゆっくり 望みましょう。

ようやく人慣れし、膝上に乗った保護猫。まだ目は若干警戒しています。

【6 長い時間を一緒に暮らすことを考える】

保護猫を家族に迎えることは、一時的なことではありません。
猫の寿命は 15 年以上に及 ぶこともあります。

その長い間、健康や老後のケアを含め、しっかりと最後まで面倒を見て いく覚悟が必要です。
猫がもたらす癒しや喜びは計り知れませんが、時には病気や怪我をす ることもあります。

どんなことがあっても、しっかり最後まで飼うことができるかを、しっ かり考えてください。

【7 最後に】

我が家の猫は歴代すべて保護猫ですが、生まれたばかりで保護した子、多頭飼育崩壊で譲 渡会にいた子、公園に何日も放置されて、餓死寸前でセンターに保護された子達です。

特に、公園に放置されていた猫は、亡くなるまで攻撃的な姿勢や警戒心を解いてくれませんでした。
それでも、ほかの猫達と触れあっているときやふとしたときの優しい仕草がかわい らしく忘れられません。

この記事を通じて、保護猫との豊かな生活を送るための準備と心構えについて、少しでもお 役に立てれば幸いです。
愛情あふれる新しい家族として保護猫を迎え入れることで、あなた の生活がさらに豊かなものになることを願っています。

【ライター Na-mariaさん】

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