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季節の発酵食·保存食

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【自家製醤油を作ってみた2】火入れ→オリ引きに挑む

【自家製醤油を作ってみた2】火入れ→オリ引きに挑む

前回までの話

「醤油を搾ったら、火入れをしましょう」
醤油作り講座ではそう言われたけれど。

でも今の今までしたことがない。
だって面倒臭いから・・・。

いや、今年こそはやってみよう・・・!

…………………

まずはプロに聞いてみた

元・某大手お醤油メーカー勤務の知人に教えを乞いました。





ーお醤油の火入れのやり方を教えてください!

ー「オリ引き」って何ですか………?

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お味噌は素敵なおくりもの

お味噌は素敵なおくりもの

「小さい頃から家で音楽が鳴っていたので」と、ミュージシャンがインタビューで自分のルーツを話していると、やっぱりそうかと合点がいく。この人の根っこにはちゃんと音楽が刻み込まれているんだな、と。

今、味噌作り教室を行う私も「味噌作りは小さい頃から嗜んでおりまして」と言えたら低い鼻を少しは高くできるのに、あいにく市販の味噌を買う家庭で育った。鼻はあいかわらず低いままだ。

味噌作りは10年前、人生が止

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【自家製醤油を作ってみた1】 岡山・とら醤油さんの思い出と共に

【自家製醤油を作ってみた1】 岡山・とら醤油さんの思い出と共に

先日、手作り醤油が出来上がったので開封しました!
お醤油作りは、今年で(たぶん)3回目。

ところで、お醤油ってどう作るか知ってますか??

材料は、
□醤油麹
□塩
□水
これを混ぜる。

以上!
時々蓋を開けて混ぜながら、夏を2回越して出来上がり。

(ちなみに今回使用したのはミツル醤油醸造元さんのお醤油キット)

お醤油って最初からサラサラの液体じゃないんです!実はこんなふうにドロドロ。

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夏の自由研究。”美味しい”キュウリのポタージュ5番勝負

夏の自由研究。”美味しい”キュウリのポタージュ5番勝負

「あなたの体からはキュウリの匂いがする。さてはこの夏キュウリを100本以上食べましたね?もう血が半分緑色ですよ。おめでとうございます、河童村に移住できる条件を満たしています。つきましてはこちらのリーフレットを・・・」と、河童(身長150㎝・ふくよか)から、何やら象形文字の書かれたハスの葉を手渡される夢を見てしまった。目が覚めて思わず頭が濡れてないか手を当てた。ああ。

それくらい、毎日キュウリを食

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ジンジャーエールを自家製する

ジンジャーエールを自家製する

今回は【自家製ジンジャーエール】に挑戦です。

材料

作り方

1. 生姜をみじん切りにする。

※注
細かいスパイス類はお茶パックに入れて煮だすと、扱いが楽です

2. 1と、シナモンスティック~水までの材料を入れ、氷砂糖が完全に溶けるまで、10分ほど煮詰める。

3. 火を止めて、グレープフルーツのしぼり汁とディルを加え、30分放置する。

4. 2を

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胡瓜爆穫!胡瓜のパリパリ漬け

胡瓜爆穫!胡瓜のパリパリ漬け

胡瓜爆穫。
こんな言葉があるのか知らないが、
胡瓜が食べきれないほど採れることを
そう呼ぶことにした。

採れる時期はみな一緒なので、
あっちの畑でもこっちの畑でも、
毎朝毎朝胡瓜胡瓜胡瓜胡瓜。
大きなビニール袋を持った人がやって来たら、
もう天を仰ぐしかない。
胡瓜襲来の合図だ。

胡瓜に追いかけられ、追いかけられ、
追いかけられる。

それが田舎の夏である。

材料

今日は自宅の畑で採れた胡

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たのしい自家製2 ~2023梅雨開け間近~

たのしい自家製2 ~2023梅雨開け間近~



杏ジャムと杏漬け

長野と言えば果物大国。果物が本当に美味しい。
杏も長野県の名産品のひとつです。

以前、料理好きの知人のご自宅にお邪魔した時に、自家製の杏漬けをごちそうになりました。
その杏の美味しさたるや、想像を超えたものでした。決して大げさではなく。
シャキッとした食感、噛むたびにジュワッっと溢れる濃いシロップの味。あまりの美味しさに、「も、もうひとついただけませんでしょうか」の一言を

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たのしい自家製1 ~2023梅雨~

たのしい自家製1 ~2023梅雨~

カリカリ梅

今まで無謀にも我流で作っていたカリカリ梅。
小梅で作っていましたが、どうしてもシワシワになってしまって果肉が食べられず、結局、梅紫蘇ジュースとして飲んでいました。味は美味しかったんですがねぇ…

今年はちゃんと美味しいのを作ろうと思い、こちらを参考に作りました。
1週間くらいかかって作るレシピですが、カリカリに仕上がって感動です。
じゅんちゃんさん、ありがとうございました!

ちりめ

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ウスターソースを自家製する

ウスターソースを自家製する

皆さんは中濃ソース派?それともウスターソース派?どちらかな。

私は中濃ソース家庭で育ったため、ウスターソースは大人になるまで未知の調味料でした。

そんなウスターソース。
なぜ作ろうと思うのか?

それは好奇心です、好奇心。

ウスターソースと中濃ソースの違い

作る前にひとつ解決しておきましょう。
「ウスターソースと中濃ソースの違い」についてです。
解決せんでもええわい、という方はすっ飛ばして

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うどは本当に大木か

うどは本当に大木か

今回は山うどを調理する。

庭の片隅に忘れられたように山うどが自生している。
昔、祖父が山から持ってきて植えたものらしい。

山うどは自生する緑色のうどを指し、
店頭で売っている白いうどは”軟化うど”といい、地下で日光を当てずに栽培したものである。

根元から鎌で刈り取る。

根元はけっこう硬いのでハサミなどは向かない。

採れた。

さっそく調理開始。

今回は山椒味噌和えにしようと思う。

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「ギー」の作り方と使い道。

「ギー」の作り方と使い道。

ギーを食べた、または作ったことがおありだろうか?

のちほど紹介するが、無塩バターを熱していくと水分やタンパク質などの不純物が出てくる。これらを濾すと上の写真のようなきれいな色のギーが出来上がる。

ギーはインドの伝承医学アーユルヴェーダにおいて切っても切り離せないアイテムのひとつ。
かくいう私もアーユルヴェーダを学んでいるひとりだが、ギーは切らすことなくこれまでに何度も作り続けてきた。

今回は

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おじいちゃんと山椒味噌

おじいちゃんと山椒味噌

山椒の香りが大好きだ。
特に5月の新芽が出てきたときには、ああまたこの季節がめぐってきたなあと忘れかけていた夏の気配を少し思い出す。

うどの回でも登場した祖父は90を過ぎているがまだまだ元気である。
庭仕事や畑仕事をバリバリこなす祖父の体力は孫の私をも凌ぐのでは…と思うことが時々ある。

今回はそんな祖父と山椒味噌の話。

小さいころから、5,6月になるといつも祖父と一緒に山椒味噌を作っていた。

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ふきを食べつくす(2)&保存食のバイブル

ふきを食べつくす(2)&保存食のバイブル

以前、大叔母からこんな本をもらった。

佐藤雅子さんの「私の保存食ノート」という本だ。
ずいぶん古い本だなあとペラペラめくってみると果物から野菜、お肉、乳製品に至るまでそれはそれは見たこともない興味深くておいしそうな保存食の数々が載っている、まさに保存食の宝石箱のような本である。
年季の入りようからもう絶版なのかと思いきや現在に至ってもまだまだ根強い人気を誇っているようで、アマゾン、生協、街の本屋

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ふきを食べつくす(1)

ふきを食べつくす(1)

ふきのとうがふきの葉っぱになる過程をいつも見逃すので今年こそはと思っていたら、どうやら違うらしい。
ふきのとうが姿形を変えて蕗の葉っぱになるのではないという。
たしかに言われてみればそうか。
ふきのとうの季節が終わりに近づくと、くるんと葉を丸めて土の上に何か出てきている。あれがそうか。そうだったのだ。

さて、長年の謎が解けたところで、今回はふきを余すことなく調理する。

今季は、出汁浸し、ピクル

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