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悪夢とウミウシとヤドカリと。

今朝方もう空が白み始めていた頃か。
「静かにしろっつ!!」
バシンッ

私はベッドのサイドテーブルの角を思いっきり平手打ちしてしまった。

自分に何が起こったかわからなかった。

寝ぼけていたのだ。
珍しく夢を見た。
私はチチを殺し、ハハを殺そうとしているところだった。
あんまりハハが喚くので、私は張り手を食らわせたのだ。

しかし、それは現実ではなく、私が引っ叩いたのはサイドテーブルの角…

しばらく朦朧としていたが、手のひらのぬるつきを感じてバッと身体を起こした。

寝ぼけながらも、とりあえず絆創膏を貼って再度寝た。


すっかり朝になり起きた私は、血のしみこんだ絆創膏に何がを起こったかを「理解した」。



嫌な夢〜。
やだ〜。


雨が上がっていたので私は浜へ出てみた。

最近あちらこちらに海ソーメン(ウミウシの卵。ぱっと見はラーメンの替え玉)があったが、まだウミウシの亡骸が打ち上げられていないことに不思議さを感じていたのだ。

今日は見事に潮が引いていた。

あちこちにウミウシの亡骸が打ち上げられていた。
ウミウシと言ってもカラフルな可愛いものではなく、アメフラシだ。
とにかくデカくて、茶色い。

「あんたも…あんたも…頑張っただねぇ…」
「よぅ頑張っただねぇ…」

一匹ずつ頭を下げて回る。


その脇で実はなかなかケンカっ早いヤドカリたちがケンカをしていた。
縄張り意識が強く、すぐに相手の頭をエイッと押し下げる。
人間界ならマウントだから嫌われちゃうけど、ヤドカリの世界ではこれが普通。

「あら、またケンカして…」
今日は強引にひとの貝殻(家)を取ろうとするヤツがいて、
「おーおー…、そんな…あんたこの子、自分の貝殻より小さいがね」


そんなことを言いながら海辺をフラフラしていた。

最近ご近所さんからの「私の治療方針への口出し」が酷くなり、少しクールな対応をしている。
言うことをきいていた頃は、身体が肉離れをよく起こしていた。
理論を説明しても、
「何でも神経のせいにするな」
「やる気がないんだ」
「根性がないんだ」
「聴覚過敏を治しなさい」
「医療に頼るな」
と根性論を展開されて、私は関わるだけで疲弊していた。

おそらくそのストレスがリョウシンの影と重なり、変な夢を見てしまったのだ。

彼らは医者すら嫌いなので、私に「医者嫌い論」を聴かせるのだ。

やんわり距離を取って身を守るしかないなぁ。

真っ赤になった手のひら…。

しばらくしみるなぁ…😢



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