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実家と重ねて「相棒」。

1/31放送の相棒22第14話「亀裂」。
私は虐待サバイバーですが、それ以前に支配欲の強い❝毒親❞という存在があったことが今も私の健康を損なう原因となっています。
そんな実家を思い出すお話でした。

(ネタバレありです、お気をつけてください)


若い芸術家たちををそばに置きたがるお金持ちの美術コレクターの道明寺という男がキーマンです。
若い芸術家たちが羽ばたいていかないように、自分から離れていかないようにと彼が若者を犯罪者にまで仕立ててしまうお話でした。

私とは住む世界が違いますが、録画したこの作品を泣きながら観ました。

若い芸術家を自分だけのものにしておきたい。

他と交えさせたくない。

かつて道明寺は
「芸術を極めるためにあらゆる人間関係を絶て」
と若い芸術家に進言していました。
しかし、若い芸術家は進言を受け入れなかった…。
そんな若者を彼は
「あいつは私の失敗作だ」
と言い放ちます……。

(私は作品じゃない!!
私は人間だ!!)


今回は若者は聞く耳を持たないからと、悪知恵を働かせ若い芸術家たちを操り、罪を犯させた。

盗みを働いた若者に
「喜びなさい!犯罪者になれば周りから人は去る。おのずと一人で自分の作品と向き合わざるをえなくなる。その孤独の中に本当の芸術が……!!」
と詰め寄って道明寺は説いた。
若者は「やめてくださいよ!!」顔を歪めて抵抗していた。

道明寺という男は自分の御託を並べ、
さらに詰め寄る
「私の愛情なんだ!!
わかるだろ!!」


(そんなのアンタのエゴでしょうが!!)

そこへ我らが杉下右京がズバッと入っていきます。

「遠くへ羽ばたこうとする若者を自分の支配が及ぶ場所に繋ぎ止めようとするのは愛情でもなんでもありません。
単なるあなたのエゴです…!」

「若者の自立を喜ばず、他者の自由を認めないあなたは…所詮自分のことしか愛していないんです」


「…真の愛情とは手放すことではないですか?」


(手放す…?
そうかもしれないけど、誰も物じゃないよ…
手放すんじゃない
手を退(ひ)くことだよ…
もし…愛があるとしたら…)


実家のシャンデリアの下。
鬼のハハ。

山のようなほぼ暴言の御託に、
「私を捨てるの?」が隠れていた。


道明寺も同じ。

淋しいひとなんだ…



涙が出るほど苦しいのに

彼奴等のエゴに苦しめられたのに

物として扱われたのに


……哀しい人ね……

が少し混ざる。

アメトリンって石をご存知ですか?
アメジスト(紫)とシトリン(黄)のバイカラーの宝石。
(扉絵に使用させていただきました。
一部ホワッと黄色っぽいですよね)


100%憎い!
とか
100%可哀想…
じゃなくて、ゆるやかに混じるの…

許せないけど可哀想

可哀想だけど死んでも許しゃしないからねって



今回の相棒「亀裂」

内心()部分を叫びながら見ていましたけど(近隣が留守なのをいいことに)、
同時に彼奴等は淋しい人だったのだと再確認しました。

そして、ずるずる泣いて……

少しスッキリしました。


羽ばたけてるのかな…わたし?
離陸…くらいはしたかな?
あはは😅


でもさアメトリンでいいんだと思う。




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