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#SS貯蔵庫 その100〜109

「はなせばわかる」の本アカウント[ https://twitter.com/hnsbwkrs 」 にて、#SS貯蔵庫 に掲載したショートショートのまとめ。



その101「恋愛ドラマ」

恋愛ドラマのクオリティが上がり、失神する女性も出始めた現代。
胸キュンシーンには注意書きを入れることが義務付けられた。

「壁ドンまで30秒前」
「※これは芝居です」
「この後スタッフが美味しい展開にしました」
「ブレーキランプの点滅にご注意ください」



その102「バレンタイン」

「はい、ギリシャチョコレート!」
「これって義理チョコ…?」
「いや本命!」
「ご、ごめん。今まで黙ってたけど、私たち義理の兄妹なの」
「マジ…!?じゃあ義理チョコ!」
「意味が違うよ!あとチョコ溶けてない?」
「辛うじてチョコ!」
「ギリチョコだ!」



その103「異世界ことわざ辞典①」

「いい加減英語を覚えろ。こうやって教えてあげてる恩人がいるんだから」
「分かってるよ」
「はい、『それは机の上です』」
「It's "under" the desk」
「ちげぇよ、onだろ?」
「under!」
「on!」
「under!」
「俺、恩人だぞ?」

#onをunderで返す



その104「異世界ことわざ辞典②」

鬼「俺は鬼だ。村の皆から、顔の怖さで恐れられている。だから、美容に目覚めた。この化粧品を顔に塗ればきっと…」

しかし、それでも響き渡る叫び声。

鬼「おいどういう事だ? この化粧品のせいか? この会社は…カネボウ?」

#鬼にカネボウ
#豚に真珠  と同義



その105「童謡の起源①」

ある童謡作家が、国際的な女優「中熊莉乃」を見かけた。
しかし声をかけると人違いのようで、ただの似てる人だった。
彼女は無職であり、彼氏の収入が生活費だという。

童謡作家が閃いた。
こんな歌詞はどうだろう。

「あるヒモ、リノナカクマさん似であった…」



その106「童謡の起源②」

ある童謡作家が童謡を作ろうとしていた時、ふと隣に住む伊藤家の奥さんの顔が浮かんできた。
確か名前は「まき」だった気がするが、どうも漢字が分からない。

色々と候補を出すうちに、童謡の冒頭を口ずさんでいた…。

「伊藤真紀?真希? 伊藤麻紀?麻希?…」



その107「童謡の起源③」

ある童謡作家が、童謡作りの参考になればと母親の妹に取材した。
「夫の髪についてどう思います?」
彼女は、夫の髪の後退について話した。
童謡作家はそれをメモした。

『叔母「毛なんてないさ」叔母「毛なんて嘘さ 本当に」叔母「毛が出てきたらどうしよう」』 



その108「しりとりの部屋」

「この部屋にあるモノでしりとりしよう!」
「OK」
「床」
「壁」
「ベッド」
「ドア」
「…あ、悪臭」
「それは無し。モノじゃないから」
「…あ、あ、あ、、、分からん!」
「特別にヒントね。この部屋に詰め込まれた“俺たち”のこと」

「……あ! “悪党”!」



その109「核のボタン」

研究所の一室。
男の目の前には、謎の装置。
そこには大きな文字で『核』と書かれていた。

「見つけた、『ボタン』だ!」

まさかこの研究所にあったとは…。
男はそのボタンに手を伸ばして、やがてこう言った。

「…なるほど、牡丹の細胞核はこうなっていたのか」


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全109編で、一旦ひと区切りにします。
理由は、煩悩の数(108)を超えたのと、アイデアが尽きたからです。
後半は1日2編ペースで投稿したため、深夜にうるさかったと思います。すいません。
もうショートショートは投稿しません。
(よほど暇になったらまた投稿するかもしれませんが)

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