突然、昨日大谷選手の通訳の水原氏が、ドジャースから解雇されたというニュースが流れてきた。
大リーグでホームラン王となるという偉業をなし、巨額のマネーでドジャースに移籍してケガさえなければ、今年は三冠王さえも可能だと言われている最中に、とんでもないことになって、何も表現できない状態にある。
水原氏の発言が二転三転することによって、大谷さんもさえ疑われてしまうという危機的状態にある。
ネットから伝わってくる情報では、水原氏は、賭博依存症であることを告白しているようです。水原氏の収入から推測すると、6~7億も賭博に費やすことは考えられないので、おそらく依存症でしょう。
依存症となれば、國分功一郎氏の著書『中動態の世界』を想起します。
本書のプロローグでアルコール依存症や薬物依存症の女性の自助グループとなっている上岡岡江さんとの対話をもとにした架空の対話があります。
上岡さんの言葉で衝撃をうけたのは、「回復とは回復し続けることだ」という言葉だったと國分は言うのです。
普通、回復とは健康になって病気の状態から逃れられたことだと思ってしまうが、そうではなくて、ただ回復していくプロセスだけがあるという意味なのです。ところがこれが皆に中々理解されないと上岡さんは主張しています。
しっかりと意志をもって依存症を断ち切ると思っていると、むしろ断ち切ることができないようです。芸能人で薬物摂取容疑で逮捕されて保釈されたとしても、何度も捕まっていることからも実証されています。
賭博依存症もアルコール依存症や薬物依存症と同一視して良いのかは、判断できないが、依存症である限りでは同じと見ても良いのではなかろうか。
依存症は大きく三種類に分けられている。物質依存、行為・プロセスの依存、人・関係の依存である。
物質依存は、アルコール、たばこ、薬物(違法薬物・脱法ハーブ・処方薬等)に依存してしまうことである。
行為・プロセスの依存には、ギャンブル・パチンコ・買い物・盗癖・ネット・ゲーム・性などへの依存がある。
水原氏の依存は、行為・プロセス依存に相当するようです。
水原氏のように、大谷選手という大リーグでも超スターである人物に通訳として仕えていると、彼の収入や身体能力などを常に仰ぎ見続ける度に、金銭感覚にも狂いが生じて、つい賭博にのめりこんでしまったということもあるのではと想像してしまう。
だからといって、水原氏と同様の立場の通訳やトレーナーに人たちも大勢いますが、すべての人が依存症に陥っているわけではないという現実もあります。
今後、水原氏は、厳しい処罰を受けることは確実でしょう。大谷さんは処罰を受けることなく、選手生活を続けることができることを望むだけです。この望みは、大谷さんが、賭博にはまったく関与していないということを前提としています。