もちだみわ

イラストと漫画、ときどき文章。元デザイナー的ななにか。車のオモチャは変形しないと物足り…

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イラストと漫画、ときどき文章。元デザイナー的ななにか。車のオモチャは変形しないと物足りないです。ご依頼など連絡先:hiyokodou38@yahoo.co.jp

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もちだみわと申します。 イラストや漫画を描きます。テキストも時々書きます。 イラストはデジタルでありつつ水彩や色鉛筆の風合いが出せればと試行錯誤中です。この記事にはnoteで投稿したイラストや漫画・マガジン、LINEスタンプ等のリンクをまとめています。 イラストや漫画、アイコン、文章を書くなど、お仕事のご依頼やお力になれることがございましたら、メールやコメント欄、Twitter(@md3883dm)のDM等々でお声掛け頂けると嬉しいです。 ※この記事は不定期に更新されます

    • 最近、昨日の記憶がぼんやりしている。昨日動いた分が今日の疲れとして持ち越されてもその経緯が残らなくて、ただ眠い。手帳を見ながら一日ずつ遡っても実感が薄い。凹むことにも意義がない。かと言って建設的でもない。より良く生きるために考えるというポリシーがいまいち働かない。どう拭おうか。

      • 湧き水と琥珀草

        まだ醒めやらぬ朝、朝焼けが空を焼くより少し早くに雪深い山へ分け入る。 吐息は白く凍えて、頬を痛いくらいの冷気が撫でた。眼の前の枯れた木立に降り積もった雪が、鳥の羽ばたく音とともにバサバサと落ちる。足元の雪を注意深く踏みしめながら、辺りを見渡した。真っ白な雪景色の中にせせらぎの音がかすかに聞こえる。私はそれを目当てに進んだ。 岩肌から細い滝のように流れ落ちる清水が、川の流れを生み出している。私は身をかがめると、背中に背負った革袋から竹筒を一つ取り出した。蓋を開けて、中身を覗

        • 母の日にはいつも娘と夫が私の好物のハンバーグを作ってくれます。今回は「ハンバーグ&花貰える券」をくれました。発行日は令和6年5月12日、有効期限なし、と娘の丸っこい字で書かれた券をしみじみと眺めて、本棚にそっとしまいました。使うのが勿体なくて、そのままにしてしまうかもしれません。

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        • 最近、昨日の記憶がぼんやりしている。昨日動いた分が今日の疲れとして持ち越されてもその経緯が残らなくて、ただ眠い。手帳を見ながら一日ずつ遡っても実感が薄い。凹むことにも意義がない。かと言って建設的でもない。より良く生きるために考えるというポリシーがいまいち働かない。どう拭おうか。

        • 湧き水と琥珀草

        • 母の日にはいつも娘と夫が私の好物のハンバーグを作ってくれます。今回は「ハンバーグ&花貰える券」をくれました。発行日は令和6年5月12日、有効期限なし、と娘の丸っこい字で書かれた券をしみじみと眺めて、本棚にそっとしまいました。使うのが勿体なくて、そのままにしてしまうかもしれません。

        マガジン

        • こまごまとまとめ
          163本
        • イラストまとめ vol.1
          170本
        • 漫画【ムスメモリー】
          70本
        • 漫画【仕事ジャンキー】
          46本
        • 羅針盤だけもっていく
          37本
          ¥200
        • イラストまとめ vol.2
          25本

        記事

          蟻の気持ちがわからない

          台所にたまに蟻が出没する。 体長2mmほどの極めて小さな黒い蟻が、一匹、どこからともなく現れて、グレーのガラストップコンロの天面を、右端から左端へ音もなく歩いていく。 時に、木製の水屋の奥にある珈琲の粉を取ろうと扉を開けた瞬間に、或いは、シンクで食器を洗っている瞬間に、棚の縁やシンクの縁を歩く彼らとエンカウントする。 わからないのは、何故かいつも一匹か二匹で出現する。列を作るでも群れを成すでもないのだ。一体彼らはどこから来てどこへ帰って行くのだろう。 数年前に、和室のサ

          蟻の気持ちがわからない

          のんべんだらりとしている

          年に何回か酒を飲む。 ビールと熱燗と麦焼酎のお湯割りを飲んだ。それから珈琲で一服して、またウイスキーを飲んだ。 その後、台所で体育座りをしながら、白湯と経口補水液を交互に飲みつつダラダラしている。 先日から、朝目が覚めると同時に片頭痛がする。多分水分不足なのだろう。それもあって時々経口補水液を飲んでいる。ここのところ体重は安定している。毎年夏に向けて暑さで体力を削られて体重が減る一方なので、蓄えておかねばならない。なので、現時点で急に目減りしないようにと気にかけている。

          のんべんだらりとしている

          力を抜いて漂っている。

          ちょっと一息ついている。 抽象的な表現をすると、波間にプカプカと体を浮かべて、手足の力を抜いてダラッとしている。次の波がザブンときて頭から海水をかぶっても息が十分持つように、今は息継ぎをしている。 ここの所、少しパタパタとしていた。大抵、何が起きても、いつものこととして受け流したり、そういうこともあると受け止めたりするのだけれど、今回は想定と全く異なるところから物事が大きく動いた。 予想をしていなかったので、まぁまぁ驚いている。 ただ、何事もなるようになるし、なるよう

          力を抜いて漂っている。

          眠たいながら、料理する。

          今日は朝起きてから夕方まで、ずっと眠い。 あんまり眠くて目が痛くて、瞬きを繰り返している。目を瞑っていると頭の芯がジワジワと染みるように疼いて、重力に負けて地面へ磁石みたいに引き寄せられて、べったりと寝転がりそうになる。泥のように眠い。思考が溶ろける。 そういえば、泥の由来をご存知だろうか。土が水を含んでドロドロになった状態を指す泥説と、中国の古典に出てくる泥と書いてデイと読む想像上の生き物から来ている説とが、あるのだとか。 このデイ、海の中では元気だが、地上に出てくる

          眠たいながら、料理する。

          書いて残しておきたいささやかな出来事が幾つかあります。筆が止まるのが悩みどころです。人物画を描こうとしているのに、何度直しても棒人間に仕上がってしまう感じです。足りないのは語彙ではなく、言葉をレゴのように組み立てて連結して「伝えたいこと」を表現する力と、想像力。

          書いて残しておきたいささやかな出来事が幾つかあります。筆が止まるのが悩みどころです。人物画を描こうとしているのに、何度直しても棒人間に仕上がってしまう感じです。足りないのは語彙ではなく、言葉をレゴのように組み立てて連結して「伝えたいこと」を表現する力と、想像力。

          あなたもひとり?一緒にいかが?

          あなたもひとり?一緒にいかが?

          春色と柔らかな風

          春色と柔らかな風

          こぼれゆく。

          時々、白い箱の中に入れられているような気分になる。 箱は紙製で、ケーキ屋さんでショートケーキを買った時に貰うような簡素なものだ。シールで封がされているだけの簡素な作りで、内側からでも、腕を天高く突き上げるつもりでグーパンチすれば割とあっさり壊せる。 白い箱の中は、少し窮屈だ。オーダーメイドなのか私にピッタリのサイズになっている。 私は大体膝を抱えて黙っている。このまま箱の中でじっとしていても、言葉が枯れていく一方だなと、軽い疲労を感じる。言葉が封じられている。気軽に声に

          こぼれゆく。

          何気なく、歌を歌っていたところ

          小学校や中学校の、音楽の時間が好きでした。 鉄琴や木琴や太鼓を用いた合奏の時間は、楽器が奏でる様々な質感の音に包まれる感覚が心地良く、また、合唱曲をパートごとに分かれて全員でハーモニーを響かせて歌う時間は、音楽と詞が体の中を駆け巡って心に問いかけたり、雨や風や日差しみたいに歌を全身に浴びる感覚が好きでした。 実家に住んでいた頃は、家に誰もいない休日の晴れた昼下がりに、「野生の馬」や「みんなひとつの生命だから」を、部屋を歩き回りながら伸び伸びと歌っていました。多分、隣家の人は

          何気なく、歌を歌っていたところ

          静かな夜に。

          ここ一ヵ月ほど寝付きが良くない。 布団の中で時折淡く微睡みながら、真夜中の二時過ぎまで、何度も寝返りを打ちつつ、眠気が来るのを待っている。 枕元に裏返しに置いたスマートフォンへと手を伸ばしては、ため息を付くような心地で時刻を確認している。 今日はもう開き直って、こうして文章を書くことにした。 元々ショートスリーパーで、四時間ほど眠ると、それ以降は上手く眠れない体質だった。幸いなことにここ三年は薬の作用で六時間以上眠れるくらい改善されていたのだけれど、反面、日中も眠いとい

          静かな夜に。

          髪を短くしてみたり。

          肩まで伸びていた髪を短く切ってもらった。 なので、ここ数日、玄関の姿見の前を横切る度に、「おや、短い」と視線を止めて、「あぁ、そうだ、美容院へ行ったんだ」と我に返るのを繰り返している。 モノグサなので、一旦短くするとしばらく伸ばしっぱなしになる。前回カットに行ってから数ヶ月の間、後ろで一つに束ねて過ごしていたので、今の髪型の自分のシルエットがまだ見慣れない。 駅前の美容院のソファで待つ間、店内を眺めていた。明るい天井の丸い照明。壁に掛けられた曇りのない鏡たち。その前で談笑

          髪を短くしてみたり。

          それは小さな別れの日。

          雲一つない青空が眼前に広がっていた。 11時45分。待ち合わせ場所に現れた知人は、最後に会った日とさほど変わらない印象をまとって、私の傍らに佇んだ。 風のない好天に恵まれ、温かな日差しを背に受けながら、おのぼりさんみたいにタワーを眺めた。静かにゆったりと話す口調が懐かしくて、遠い記憶が呼び起こされる。会社に入ったばかりの頃に一緒にした仕事のこと。深夜の残業時間中、誰もいない筈の部屋から人の気配がして震え上がったこと。もう随分と昔の思い出話をポツリポツリと交わす時間は、クロー

          それは小さな別れの日。