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もしFP1級のひなちゃんがインベスコの「世界のベスト」を買ったら

おはようございます。🐤

今日は定年退職のご年配の方々に大人気のインベスコ「世界のベスト」について語ります。この商品はとても良い商品なのですが、手数料が高いのが玉に傷です。

そして、同じ商品を買うのにも、買い方や運用の仕方によって、受取額は変わってきたりします。

そこで、FP1級の「ある人」が語る、「世界のベスト」の良い買い方、悪い買い方についてお話していきたいと思います。買い方や運用の仕方をひと手間賭ければ、全く別のとっても美味しい商品になるので、ぜひ最後まで見ていってください。


インベスコの苦渋

インベスコ「世界のベスト」は定年退職者に大人気のファンドです。

人気の理由は「毎月配当」です。基準価格が上がっても下がっても、1万口あたり毎月150円の分配金があります。年間18%という信じられない高利率の商品というわけです。

例えば1000万円をこの商品に突っ込むと、毎月15万円(税引き後119,527円)が自動的に銀行口座に振り込まれます。年金の足しになると、年配の方からはとても喜ばれています。

しかし、FPの方ならお分かりのとおり、この商品は利益があってもなくても一定額を取り崩していきます。かつこれだけ高利率だと元本を取り崩す可能性がとても高いのです。

私は親類や会社の先輩たちに「インベスコを買うやつは情弱、すぐでも解約した方がいい」と自分の投資の知識をフル動員して、アクティブファンドの手数料の高さや担当者から投資商品を買うことの損失について説いてきました。

すごい嫌な顔をされました。

そして先日言われました。

「ずっと上がり続けとるぞ、笑いが止まらんな~」

インベスコ 世界厳選株式<H無>(毎月決算型)【18312991】:投資信託情報 - Yahoo!ファイナンス

FP1級ヒヨコロ負けを認める

私のまわりの高齢者たちを幸せにしているのは、間違いなく私ではなく銀行の担当者です。銀行の担当者は、自分の懐を豊かにしながら、私の大切な人を潤わせ、幸せにしてくれているのです。

ありがとうございます。ありがとうございます。

そして、私の言うとおりに解約をしなかった高齢者たち、あなたたちは私の言うことを聞かなくて良かったです。間違ったことを言ってごめんなさい。せっかく良い気分で老後の生活を夢見ていたのに、惑わせて不安にさせてごめんなさい。

そして、みなさんが幸せになれたこと、心から嬉しいです。良かった…良かった…

私は海の底で物言わぬ貝になります。

ひなちゃん登場

👩「ヒヨコロさん、ヒヨコロさん」

ひなちゃん

🐤「はい、えっ…?(挙動不審)」

👩「はじめまして、わたしは高校生でファイナンシャルプランニング技能士の日南(ひなみ)といいます、ひなちゃんって呼んでくださいね」

🐤「は、はい…(なんて可愛いんだ)」

👩「ヒヨコロさん間違ってないですよ」

🐤「え、ほ…?(可愛さと良い匂いが邪魔して何も頭に入ってこない)」

👩「その商品は窓口で買うと手数料は高いし、そもそも2500万円一括で口座に入れたままなんてもったいないです」

👩「私ならもっと別の投資をします、例えば…」

ひなちゃんの指南

投資信託の種類

👩「まず、私ならインデックスファンドに投資することを第一に考えます」

インデックスファンドは世界の市場の具合を表す指数(インデックス)に連動するように運用されている投資信託で、複数の銘柄に同時に投資することや、指数によっては自動的に市場の上位の銘柄に投資を続けることが可能になるので、リスクが小さく、リターンは中くらいで、初心者にはお勧めの投資商品です。

一方「世界のベスト」はアクティブファンドと呼ばれていて、世界のトップレベルの投資の専門家が選りすぐった銘柄に投資するものです。インデックスファンドよりも高いリターンを目指す代わりに、リスクも高いのが一般的です。

どちらも良いところと悪いところがありますが、一般的にはアクティブファンドは手数料が高く、それを含めると中長期的なリターンはインデックスファンドが上回ることが多いです。

【過去1年間の比較】

  • 世界のベスト  :8,586⇒9,871+(150*12)−8,586*3.3%(32.6%増)

  • オールカントリー:17,691⇒24,737(39.8%増)

過去1年間を比較した場合、オールカントリー(インデックスファンド)の成績の方が上回っていたことがわかります。

つまり、ヒヨコロさんの言うとおりにすぐに世界のベストを解約して、オールカントリーを買っていたら、そっちの方が成績が良かったということになります。

👩「ヒヨコロさん、(結果論とはいえ)自信を持って!」

🐤「あ、ありがとうございます…(ほわ~ん💛🧡)」

ネット証券で買う

👩「そして、担当者からではなくネット証券で買うことをお勧めします」

定年退職でまとまった退職金が入って、投資初心者の年配の方には仕方のないことなんですけど、このお金をどうやって何に投資したらいいかわからないんですよね。

そして、退職金が口座に入ったことはその口座のある銀行の担当者にはわかることなので、この余剰資金を運用にまわさないともったいないですよと、営業をかけるわけです。

若い担当者が一生懸命自分を口説いてくれるんですね。

ちょっと騙されてるかな、と思いつつも、この若者の成績アップのためになるんならと、一肌脱いでくれる高齢者の方は後を絶ちません。

それはそれで良いことだと思います。

でも、私なら手数料の安い方で買います。

例えばヒヨコロさんの会社の先輩だったAさん🤵‍♂️は、2500万円の退職金すべてを担当者の言うまま「世界のベスト」に投資したのですが、この商品の窓口購入時手数料率は3.3%です。

  • 2500万円×3.3%=82.5万円

なんてことでしょう! 2500万円の資金が、スタート時に82.5万円も減っているではありませんか! 2417万円からのスタートになります。ヒヨコロさん、こんなこと許せますか?

同じ商品をネット証券で買ったら2500万円からスタートできます。

私なら、仮に同じ商品を買うとしても、営業担当者からは買わずに、ネット証券の口座を作って、そこで手数料無料で買います。

👩「それだけで82.5万円を別のことに使えます。例えば叙々苑とか…あと韓国旅行とか…」

🐤(こんなかわいい女の子が焼肉食べるんだ…、韓国のアイドルも好きなのかな?)

NISA口座で運用する

👩「あとは税金面です。新NISAの非課税枠を使わない手はありません」

その退職された人は、その後NISA枠の利用をされていますか?
えっされてない!? そうですよね、私もNISA枠の利用を勧めている営業担当者は聞いたことがないです。

なぜかっていうと、もし最初の商品が成績悪かった時に、次に別の投資商品に買い換えさせるっていうのが営業の常とう手段なんですよ。NISA枠だとそもそも手数料無料の商品が多くて営業が売りたい商品が少ないし、営業の利益が減っちゃいますからね。

だけど、投資する人の側にたったら、もちろん税金の支払いは少ない方が良いですよね。

だから、私ならその年に使えるNISA枠は最大限使います。全く同じ商品はNISA枠では買えないけど、NISAに対応した「奇数月分配型」という商品があるんですよ。

例えば、同じ2500万円を投資するとしても、360万円はNISA枠で、残りの2140万円は特定口座枠で買います。

そして2年目は特定口座から360万円を解約して、NISA枠で買い直します。

この買い直しにも手数料がかかるけど、ネット証券なら無料だし、非課税枠が増えていくから毎年の受取額は増えていきます。

この調子で5年間、NISA枠の最大1800万円を使うことができたら、その分配金に対する20%の税金が毎年毎年無料になるんです。

👩「ちょっとの手間で、だいぶ違ってきますよね」
👩「しかも、これは今からでも遅くないんですよ!」

🐤「そ、そうですよね…」(対応した商品があったのか、よく知ってるなぁ……)

差を比較

【仮定】
・言われるままに「世界のベスト」を特定口座で運用 vs インデックスファンドでNISA枠を最大限活用した運用
・20年間運用するものとします
・「世界のベスト」の基準価格は一定で10,000円とします
・「世界のベスト」の分配金は一定で月150円=年間18%とします
・インデックスファンドの利回りは年間18%とし、同額をその年に取り崩すものとします
・税制は現在のままとします

👩「というわけで、20年後の両者の比較は…」

  • 悪い投資:資産額1647万円/受取額5827万円

  • ひなちゃん:資産額2500万円/受取額8767万円

利益の差は3793万円になります。

言われるまま悪い投資の例
ひなちゃん運用案の例

特に税金がぜんぜん違うのがわかりますね。その分もらえたお金も変わってきます。これはNISAの非課税の力です。

👩「というわけで、ヒヨコロさんは間違ってませんよ」
👩「でも、アドバイスは相手のことを思いやって言葉を選んであげて欲しいです。投資したことがなくて、銀行の人に任せきりの人にはなかなか厳しい言葉に聞こえちゃうかも」
👩「まず投資したその判断は認めてあげて、それからヒヨコロさんの知識とその高い計算の能力と、持ち前の優しさで時間をかけて丁寧に説明してあげたらいいと思いますよ」
👩「そのうえで、やっぱりそのままっていう人は多いと思います。人はなかなか現状から動くのが難しいので。だからヒヨコロさんは悪くない」

🐤「ぶわあぁぁ…っ…😭」(神様だ…)

まとめ

というわけで、インベスコを選ぶにしても、運用の仕方で大きく資産額が変動しますというお話でした。

  • まずは手数料の安いインデックスファンドから考える

  • ネット証券で購入する

  • NISA枠を最大限活用する

NISA枠を使わせない担当者がいたら、それはもう見限って良いかもしれません。(私の私見です)

少しの手間で、大きく資産額は変わります。
この手間をかけなかった場合、その資産が消えるわけではなく、金融機関の担当者の収入や国の税金になります。

なので、それはそれで有効に活用されるので良いという考えもまた乙かもしれません。

あなたはどちらがいいですか?

それではまた~(@^^)/~~~

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