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【もっと学術系クラウドファンディングacademistを知ろう!】東京大学D2今泉さんへのインタビュー

みなさんこんにちは!じんぺーです。
いつも記事を読んでくださりありがとうございます!ぼくはこのnoteを通して、経済的理由で学びを止めてしまわないようなアイデアをお伝えしています。

今日は以前も書かせてもらった「学術系クラウドファンディング」について、さらに詳しく知るきっかけがあったので、記事を書いていきたいと思います。

この記事を書いたところ、他にもacademistでクラファンに挑戦されている方と繋がることができたので、さらに知りたい!と思い、インタビューをお願いしました。

東京大学大学院D2の今泉拓さん

突然DMを送ったにも関わらず、優しく対応して頂いたのは、東大D2の今泉拓さんです。記事出すのめっちゃくちゃ遅くなってすみません…!

絡みは初めてですが、実は、発表しているメインの学会(認知科学会)が近くて、ぼくは今泉さんのことを存じ上げていました。今泉さんの研究そのものにも興味があり、いい機会だと思って連絡を取ってみた次第です。

前回の渡部さんと同様、今泉さんも現在、研究のクラウドファンディングに挑戦されています。

そのプロジェクトに挑戦しようと思った経緯、それを取り巻く大学院生のお金事情など聞いてみましたので、ぜひ参考にしてください。

クラウドファンディング、academistについては前回の記事で書いたので割愛して、早速インタビューの内容に入っていきたいと思います!

Q1 大学院生のお金事情を教えてください!

じんぺー(以下、じん):初対面ながらさっそく聞きにくいことを聞いてすみません…支出入、奨学金や研究費のことなどを教えて頂ければと思います。

今泉さん(以下、いま):一番の収入源としては、「リーディング大学院」から頂いている奨学金です。

じん:これを読んでくださっている方で「リーディング大学院」にはてなが付いたと思うので、分かりやすく説明されているものを引用します。

リーディング大学院とは、新しい時代をリードする博士を養成するため、
博士課程に進学する学生に対して修士課程の時期からおこなわれる本専攻とは別の教育プログラムのことで、分野横断型の講義やインターンシップ・研究留学などが開催され、奨励金も支給されるというプログラムです。日本学術振興会が採択するこのプログラム、正式には「博士課程教育リーディングプログラム」といって平成25年度の時点で日本全国63件ものプログラムが実施されています。
引用:https://ut-ttime.net/2016/11/11/ttw_post377 (強調はじんぺー)

じん:この63ものプロジェクトのうちの1つが、今泉さんの所属されている大学院でも走っていたわけです。間はさんですみません、では今泉さんのお話の続きを。

いま:これはM2の時からお金を頂いていました。ぼくは必ずしも裕福とは言えない環境に居たので、学振を通らないと博士課程には行けないだろうなあと思っていました。それが、このプログラムのおかげで、学振の合否にドキドキすることなく、進路選択ができました。

じん:リーディング大学院、ぼくの居る京都大学でも少し上の先輩まではお金貰っていたみたいです。どのような選考があったのですか?

いま:学振のように書類一発勝負ではなく、1年に何度か選考がある感じでした。それに加えて、プレゼン能力、社会にどう実装するかというようなところもみられていたので、その審査基準は自分に合っていたのかなあと思います。先行研究がかっちりある分野ではないので、学振のような舞台だと評価が低くなりがちなのですが、研究をキャッチーに見せるのは得意で、そこを評価してもらったのだと思います。academistも似たようなところがあると思います。

じん:academistのことだけでなく、リーディング大学院についても詳しく知ることができて、早速めちゃくちゃおもしろいです!

Q2 なぜクラウドファンディングに挑戦しようと思ったのですか?

じん:研究の背景などについてはacademistのページに載っているため、そちらも参照して頂きたいのですが、改めて、クラファン挑戦の経緯を聞いてみたいと思います。

いま:先に述べたリーディング大学院のSlackで「研究費情報のシェアコーナー」があるのですが、誰かが投げたその投稿でacademistのことは知りました。ページを見てみると学振や他の研究費と併用も可能と書いてあり、応募してみました。こういうのは勢いでやっちゃうタイプです笑 A4用紙1枚の申請でできるという手軽さもありました。金銭的な動機の1つは、研究生活をより充実させるために、必要な経費をacademistで集めたいというものでした。論文ソフトへの課金などですね。

じん:なるほど、手軽に申請というのはたしかに大きいですね。学振みたいに書類何枚も書かないといけない、というのだったら出してなかったですか?

いま:そうですね、あとは、A4用紙1枚でどう書いてもいいというフリースタイルバトルみたいな感じだったので、それは自分にも合っているかなと思いました。

じん:ここでもまた、今泉さんの得意が活かされているわけですね…!

Q3 クラウドファンディングに支援してくれるのはどんな人ですか?

じん:クラウドファンディングについてもう少し聞いていくのですが、支援してくださるのはどんな人でしょうか?直観的にやはり顔見知りの人が多そうだなとは思うのですが、一方で、研究者以外にもリーチできそうなプラットフォームなので、一般の人が研究に興味を持ってくれたら嬉しいなあとも思います。この辺りいかがでしょうか?

いま:そうですね、やはり名前を見ると8割くらいは知っている人ですが、たまに知らない人がいて、「どうやって知ってくれたんだろう」という気持ちになります。めちゃくちゃ嬉しいと同時に、背筋が伸びる気持ちです。クラウドファンディングの成功の法則で3分の1の法則(支援者の3分の1が友人・知人、3分の1が友人・知人の友達、最後の3分の1が知らない人という割合になると成功しやすい)というものがあります(参考:https://relic.co.jp/battery/articles/6173)。それを踏まえるとまだまだ知人がほとんどの状態なので、1年間あるプロジェクトをこれから伸ばしていきたいなと思いますね。

じん:周りにはお願いに回っている感じですか?

いま:けっこうお願いをしていますね。特に今回のプロジェクトはメインターゲットを定めているところがあって、自分の同期とか近い年齢で研究したいなと思っていたけど、色々な難しい理由で普通に就職した方に1番届けたいと思っています。そういう方が研究生活を追体験できるような機会になれれば嬉しいです。例えば、論文を書く苦しみとか新しいことを見つけたわくわくとか、リジェクト・アクセプトの一喜一憂とかを一緒に分かちあいたいなあと思います。そういった理由で、一般社会で頑張ってくださっている友達に1番に声を掛けたいと思っていました。

じん:とてもいいお話…

Q4 クラウドファンディングをリリースしてから変わったことはありますか?

いま:1番は、今まで研究が自分の中で完結していたのが、(お金をもらっていることで)自分だけのものではなくなったことです。頑張るぞ!という気持ちになる一方でプレッシャーも増したように思います。あとは研究環境の充実による心の余裕や時間の節約といったポジティブな影響もたくさんあります。

じん:周りからネガティブな反応などはなかったですかね?新しいことなので…

いま:ネガティブな反応はなかったです。応援してくれる人たちばかり。友達に久しぶりに連絡するきっかけになったり、思わぬフィードバック(しめじかわいいねといった素朴なものから、感性工学にこんな文献あるよといった専門的なものまで)をもらえたり、してありがたかったです。

Q5 「大学院に進学したいけど、お金が…」という人たちに伝えたいことはありますか?

じん:ぼくのこのnoteは「大学院に進学したいけどお金が…」とか「勉強したいけどバイト漬けで暇がありません…」といった学生に少しでも選択肢を届けたいという趣旨で書いています。具体的な方法でもメッセージでも最後に頂けますでしょうか?

いま:これまでもお伝えしてきたように、「リーディング大学院」「academist」などカジュアルに評価してもらえる方法もあるよ、というのは伝えたいです。ぼくも昔は学術的な先進性や卓越性で勝負するしかないと思っていたのですが、自分の社会的関心とかプレゼンの能力とかで評価してもらえることもあります。また、ぼくもそういう人達を応援したいなあという気持ちがあって、自分が挑戦しているところもあります(ロールモデルになりうる)。自分自身もバイト明け暮れる系の大学生だったので。

じん:なるほど、その気持ちわかります。

いま:あと、ぼくは学部がコンピュータサイエンス系だったので、認知科学の「に」の字も知らない状態で、スタートはとても遅かったのですが、今充実して研究ができているので、興味を持つのが遅くてもいいのかなと思います。モデルケースの1つにでもなれたら嬉しいです。

じん:とても貴重なお話をありがとうございました。

お話を振り返って

重ねてになりますが、記事のアップが大変遅くなり申し訳ありませんでした!今泉さんの境遇は自分とも似ているところが多くて(特に、お金がもらえないと博士には進めないかも、と考えていたこと)、終始激しくうなずきながら聞いていました。また、こういった事例を広め、後輩に伝えていくことで、院生がもっと研究しやすくなるような世界になっていったらいいなという思いも強く感じました。自分の得意な研究の見せ方が色々あるというところもぜひ押さえておいてもらいたいポイントで、これから大学、大学院に進む学生にも覚えておいてもらえたら嬉しいです!また、今泉さんのクラファンへのご支援もよろしくお願いします!

ここまで読んでくださりありがとうございました!

このnoteではこの記事のように、お金がないながら、学ぶ続けるためにじんぺーが考え抜いた数々の方法をご紹介していきます。
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