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『こんな感じで書いてます』を読んで得たエッセイを書くコツ

私はエッセイ本を読むのが大好きです。
エッセイの作品が大好きな作家さんを数えればきりがりません。
群ようこさん、さくらももこさん、安野モヨコさん、池波正太郎さん、氷室冴子さん、林望さん、沢村貞子さん……

もちろんnoteで公開されているエッセイを読むのも大好き。

何気ない日常を軽やかな文章で切り取ったエッセイは、読むたびに「クスッ」と笑ってしまったり、「フムフム」と発見があったり、「ジワジワ」と一言が心にしみてきたりします。

長い間エッセイを読んでいるうちに「いつか自分でも書いてみたいな!」と思うようになりました。
noteを見ていると「エッセイを書いている方」や「エッセイを書いてみたい方」が、ホントにたくさんいるなぁと感じます。
きっと、私もそのうちの一人。
詠んだ人に、おもしろい、たのしい、うれしい、何らかの感情を届けられる文章が書きたいと思っています。

『こんな感じで書いてます』とは?

エッセイを書いてみたい私が最近読んだのは、群ようこさんの『こんな感じで書いてます』(新潮社刊)

私は若いころ、群ようこさんの作品を何冊も夢中で読みました。
なかでも『鞄に本だけつめこんで』には、大いに影響を受けています。
『鞄に本だけつめこんで』は、群ようこさんご自身の体験(これが素晴らしくおもしろい)と書籍の感想を組み合わせたエッセイ集です。
群さんの本や読書を愛する気持ちが、炸裂しています。
紹介されている作品を私も何冊か読みました。
群さんみたいに自分が読んだ本を紹介するのは楽しそう。
さらに、どこかの誰かが紹介した本を読んでくれたら素敵なことですよね。

大好きな群ようこさんのエッセイですが、しばらく遠ざかっている期間がありました。
最近フッと手に取ったのが『こんな感じで書いてます』です。
内容は、作家生活40年以上(!)を迎えた群さんの仕事について。

群さんが困惑した編集者、原稿料、実際にどのように執筆しているのか、ネタの見つけ方などなど「こんなことまで、いいんですか?」というアレコレが盛りだくさんでした。
久しぶりに読んでみると、文章が辛辣に感じます。
アラ?私が勝手に抱いていた、おもしろおかしい日常を綴っている群さんのイメージが少しだけ変わりました。
とはいえ、もちろん楽しめる本です。

エッセイを書きたい私が読むと、書き方のヒントや勉強になることがギュギュっと詰まっていました。
まるで「エッセイの書き方講座」を受講している気分になる本です。

ポイントを2つだけ

群ようこさんの『こんな感じで書いてます』を読んで、文章を書くこと、物事を見つめる視点、ネタの探し方など学ぶところがたくさんありました。
なかでも私が特に感銘を受けたポイントを2つお伝えします。

  • お友達に話すように

  • 推敲をくり返す

どういうことかというと……

お友達に話すように

『こんな感じで書いてます』のなかで群さんは、作家になりたかったわけではなく、偶然やその時その時の選択が重なって今に至ると述べています。
作家を目指して努力を重ねている人が多いなかで、これは驚きですよね。
出版社からの依頼を次々とこなしているうちに、作家として40年続けてきたと。

はじめて依頼を受けて文章を書いてから、一貫して友達に話すように原稿を書いていると綴っていました。
「こんな本を読んでおもしろかったよ」
「今日こんなことがあって、びっくりしたよ」
この視点って、とても大切だなと思います。

  • 読者(お友達)に伝わるように

  • 事実だけではなく、自分がどう感じたのか

  • 聞き手(読み手)の存在を常に意識して

頭では理解していても、いざ書いてると忘れがちな点ではないでしょうか。
群さんは『こんな感じで書いてます』のなかで、端的に分かりやすくこのことをおっしゃっているのではないかなと、私は思いました。

推敲をくり返す

『こんな感じで書いてます』で、群さんは最低でも4~5回推敲するとおっしゃっていました。
エッセイを書きはじめた当時、ワープロやパソコンは一般的ではなく、すべての原稿を手書きで4回も5回も書き直していたそうです。
大変な労力です!
パソコンを使用している現在でも、プリントアウトした原稿を推敲するスタイルは同じ。

本書のなかに以下のように書かれていました。

昔、同業者が、
「短いエッセイなんて、横を向いていても書ける」
といっていたのを聞いて、
「へえ、すごいねえ」
と感心したが、それから何十年経っても、私はそんなふうには書けない。枚数の多い小説よりも、短ければ短い原稿ほど手こずる。編集部から指定された六百字になるまで、最低四、五回はプリントアウトして推敲する。そして字数が指定通りになってやっと原稿を送信するのだ。

引用:『こんな感じで書いてます』新潮社刊/群ようこ著

推敲は私もやっています。
文章を客観的に見つめるためにも、推敲は必要不可欠な工程ですよね。

大切なのは「書く」と「推敲」を分けることではないでしょうか。
書くときは、振り返らずにダーっと書く。
書きながら迷ったり、調べたり、書き直したりしない。
書き終わってから客観的に、徹底的に見直す。

noteのメリットの一つは、一旦公開した記事でも推敲できるところだと思います。
数日または数年経ってからでも、noteなら文章を修正できるのは心強いですね。
つまり、どんどん文章がブラッシュアップできるということ。

ダーっと書いて、よくよく見直して、思い切って公開する。
後でまた推敲する。
これをくり返せば、きっと思いが伝わるエッセイが書けるはず!と思っています。

まとめ

群ようこさんの『こんな感じで書いてます』を読んだ感想と、本書から学んだエッセイを書くコツをお伝えしました。
『こんな感じで書いてます』には、たくさん学ぶところがありましたが、そのなかから2つ。

  • お友達に話すように

  • 推敲をくり返す

エッセイの書き方を模索中の方、群さんファンの方、『こんな感じで書いてます』に興味を持った方は、ぜひ読んでみてくださいね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。








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