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 原題『願榮光歸香港』(英題はGlory to Hong Kong)。
 2019年6月、香港で犯罪容疑者を中国本土に引き渡す「逃亡犯条例改正案」に対して大規模な反政府デモ活動が起こり、これをきっかけに作られた楽曲。なおこの改正案は同年9月に撤回されている。

 本曲はThomas dgx yhl(仮名)に作詞作曲され、香港のネット掲示板『連登』ことLIHKGに投稿された後、LIHKGユーザー等の参加も経て完成。8月31日にYouTubeにアップロードされ、各地の抗議デモや集会で頻繁に歌われるようになり、非公認な香港の国歌とまで言われるようになった(正式の国歌は中国国歌である『義勇軍進行曲』である)。
 2019年9月のFIFAワールドカップ(アジア2次予選)香港対イラン戦では、『義勇軍進行曲』が流れたことに香港側サポーターからブーイングが起こり、その後に本曲を合唱するといった事件もあった。
 さらには、スポーツの国際試合において国歌名が誤って本曲で表示される事件が相次いだほどの知名度を得ている。

 2023年6月、香港政府は本曲の歌詞・メロディなどを故意に演奏・放送する行為(具体的にはYouTube動画32本)を禁止する命令を脱すよう、香港高等法院に請求した。同年7月、高等法院は表現の自由に配慮して政府の訴えを退けている。

 しかし2024年5月8日、高等法院上訴法廷はこの判断を覆し、「刑事法だけでは国家安全を守るという公共利益の目的を達成できない」として、本曲の演奏やインターネット配信を禁じる命令を出した。中国外務省の林剣副報道局長は同日、「国家安全を守るための正当かつ必要な措置」であると述べた。

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