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つゆむしのきみ

潤い満ちる葉上の舞台で

茄子の花芯を喰むのは

初見参ういけんざんのつゆむしのきみ


小さな朝露を散らした緑の薄衣

小刻みに震わせる繊細な触角

優美に折りたたまれた長い脚

クチクチとおちょぼ口を動かして

公家のごとく上品な出立いでた


盛りを過ぎた夏野菜の畑に息づく

儚くもたくましい小さな生命


夏から秋へと移ろう

季節のあわいを愛でるように


露虫(つゆむし):バッタ目キリギリス科の昆虫。和名は弱々しい外見から付いたと思われる(草の葉につく露を飲んで生きているから華奢なのであろうという解釈)。全身鮮やかな緑で頭は小さく、顎もとても細くて短い。細長い脚が弱々しい外見に拍車を掛けており、実際に採集も容易。顎が小さく弱いため、あまり堅い葉を喰うことが出来ず、もっぱら新芽や蕾、花、若い実などを食べている。消化の良い部分を喰うよう特化しているため、体の作りが他の草食性直翅よりシンプルで、身軽さの要因となっている。また足が細く長いことや産卵管も短く小さいため飛翔力が大きくなっている。

Wikipediaより抜粋

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