見出し画像

光の糸 -1月の星々-

その桂の大樹は奥まった社にあり

幾本かの太い幹がせめぎ合いながら

はるか高い空へとそびえ立っている。


大寒だいかんの強い北風が冬枯れの枝枝を

轟々ごうごうと揺さぶりながら吹き抜ける。


一条ひとすじの光が幹の根本の隙間を貫き

鮮烈にほとばしる谷川の水面を照らした。


まるで光年の距離と悠久の年輪と

刹那の流れを光の糸で結ぶように。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?