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屋根上の門番

いつもと違う辻を左に折れると古家が軒を並べる小路。

寒風が和らぎ、背中を温める陽射しが心地よい。

この道で正解、と安堵して頬が緩む。

ふと見上げると、屋根上に長老髭の三毛猫。

じろりと私を検分し、にゃーとひと鳴き。

そのまま行くが吉の声、と思わず一礼。

眼前に広がる新世界は眩しく輝いている。

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