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再びの歳時記

何十年も薄暗い古書店の端っこにいた。

年代物同士、老店主と余生を送るはずだった。

ところがある日、

一人の若者がわたしを取り上げると熱心に頁をめくり、

町外れの古家へ連れて帰った。

昔ながらのやり方で畑仕事を始めるんだそうだ。

窓から森の薫風。

止まっていた歳時が今、再び動き出そうとしている。


この作品は、小説家ほしおさなえさんの門下生を中心にした140文字小説サークル‘lotto140‘が発行している同人誌「はまぐりの夢 vol.4」に寄稿させていただいた4つの作品のうちの1つです。(テーマ:主人公 ※書籍を主人公として創作)

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