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川霧立つ朝

緩やかに流れる大河を満たす水が

冬の凍えた空気に触れて

川霧が盛大に湧き上がる


のぼり立ての朝陽に照らされて

柔らかにしなやかに

まるで踊るように漂っていく


やがて陽の光にぬくもって

何事もなかったように消え去って

突然に視界が晴れ渡る


「冬はつとめて」と詠んだかの人も

きっとこんな景色を見たのだろうかと

いにしえに思いを馳せてみる

穏やかな風のない冬の朝


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