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ヒトシ
2022年6月7日 13:59
山の奥の古い社のそのまた奥に聳える大樹。その脇腹には大きなウロが空いていて、中に入ると螺旋の階段。壁の全てが本棚。森で生まれた鳥や虫は皆、年頃になると、このウロに来て、自分達に代々伝わる恋の作法書を読んでから外の世界へと飛び立ってゆく。口々に覚えたての求愛の歌をくちずさみながら。この作品は、小説家ほしおさなえさんの門下生を中心にした140文字小説サークル‘lotto