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ヒトシ
2022年10月31日 21:02
丘の上から見える大きな川の向こう岸、名前も知らない里山の頂にいく筋もの雲が吸い込まれていく。最も強そうな雲の筋に太陽が絡めとられる。燦然と輝く無敵の星が、ゆるゆると軌道を外れ山頂に不時着し、瞬時に暗闇が世界を覆う。翌朝、全く違う太陽が東の空に現れた。世界はもう一度そこから始まる。
2022年10月31日 20:23
高度を下げた朝の太陽が窓から差し込み、ファンヒーターがタイマーで動き出す。日増しの寒さにフリースを重ね着する。明日から霜月。「畑の一年は仕舞仕事に始まる」と古書店で手に入れた歳時記の余白に記された先人の知恵。四季折々の恵みに感謝しながら御礼肥えを撒く。三度目の冬を迎える畑にて。