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月々の星々 -Season2-

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2021年11月に再スタートした140文字小説コンテスト「月々の星々」への応募作品たちです。
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#1月の星々

まるい月の夜に -1月の星々-

まるい月の夜に -1月の星々-

いつからだろう。

定規で線を引いたように真っ直ぐな道を、
最短距離で歩くのを当たり前に思っていた。

道草も、寄り道も、まわり道も、
面倒で無駄なことのように感じてた。

でも今は、
私の身体も、森の木々も、川の流れも、雲の行方も、
まっすぐな線は1つもないと知っている。

見上げた空に輝くまるい月。

光の糸 -1月の星々-

光の糸 -1月の星々-

その桂の大樹は奥まった社にあり

幾本かの太い幹が鬩ぎ合いながら

はるか高い空へと聳え立っている。

大寒の強い北風が冬枯れの枝枝を

轟々と揺さぶりながら吹き抜ける。

一条の光が幹の根本の隙間を貫き

鮮烈に迸る谷川の水面を照らした。

まるで光年の距離と悠久の年輪と

刹那の流れを光の糸で結ぶように。