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庭に訪れる小鳥たちの落とし文 そこに混じったいくつもの紫が 桑の季節がきましたよと知らせ…
もう少し待とうかとも思ったけど ぐずつくらしい天気の予報に促され 大蒜たちを掘り起こす …
皐月の風に乗って降り立った 一粒の赤いプロペラが 小さく芽吹いたのは一昨年の春 そして三…
南の強い風に乗って 大急ぎでやってきた 遅れ馳せの春 待ちかねていた草花たちは 一気呵成…
もう四日もお天道様が隠れ続けて 挙句に今日は冷たい雨 桜の蕾もまだまだ固く 暖冬はどうし…
暖かな冬だと思いきや 菜虫が蝶になる頃を迎えても 寒さがもたもたと居座って 桜の蕾もまだ…
土づくりと苗づくりの間の早春の日 食卓に欠かせない名脇役を仕込む 山の畠で仲間と共に育てた大豆を 大鍋で柔らかく煮てつぶしたら ひと肌ほどに粗熱をとり 塩と麹を混ぜ合わす 辺りに立ち込めるふくよかな匂い 手のひらに触れる柔らかな温度 しあわせな出来上がりの予感 桶につめて塩蓋をして あとはじっくり寝かせてやれば 麹がゆるゆると働いて ゆっくりとまろやかに 我が家の味に育っていく 唯一無二 天下無双 美味安心の手前味噌
巣篭もりの小さな生命が目覚める頃と 春の暦はいそいそと 心を吾畠に向かわせる けれどまだ…
畠の隅にある道具小屋の脇 無造作に掃き溜められた 落ち葉の蔭に芽吹いた蕗の薹 遠慮がちに…
月のこよみの正月もはや十日 日が随分と長くなり 夜明けもだんだん早くなり そこここに感じ…
いつもと違う辻を左に折れると古家が軒を並べる小路。 寒風が和らぎ、背中を温める陽射しが心…
畦の陽だまりに咲いている とても小さな野の花に スマホのカメラを向けた瞬間 傍らを行き過…
暖冬といえども 冬はやっぱり寒いもの 北風は切るように冷たく 霜は畑に盛大に降り 外水道…
冬枯れの木々が脱ぎ捨てた 大小の枯れ葉が降り積もり 茶色に染まった尾根道の上 あちらこちらでチラチラと ツルウメモドキが光を放つ 大きく開いた黄色の殻から 熟した朱色の種を覗かせて 旅路を共にと小鳥を誘う いつかこの森の彼方此方で 君の子孫が栄えるようにと わたしもそっと一粒を拾い 陽当たりのよい斜面に放る