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庭に訪れる小鳥たちの落とし文 そこに混じったいくつもの紫が 桑の季節がきましたよと知らせ…
もう少し待とうかとも思ったけど ぐずつくらしい天気の予報に促され 大蒜たちを掘り起こす …
夜半の雨にたっぷりと潤った朝野良の吾畠 生き生きと葉を広げる野菜たち破顔する ひときわ大…
今年初めて挑戦中のそら豆の畝 小さく吹いた若芽の姿で冬を越し 春陽を浴びて葉を茂らせて …
ぱんぱんに膨らんだねぎ坊主 薄皮を脱いで弾けると 無数の黄色い蕊たちが 花火のように広が…
三日続いた慈しみの雨に ぐいっと背中を押されたか 吾畠の麦が一気呵成に穂を出した 清々し…
降り続く細やかな雨は 森を穏やかに潤しながら滴り落ちて 降り積もった腐葉の土に沁みてゆく 聳え立つ木々たちは溶け出した滋養を 深く張り巡らせた根で吸い上げて 育ち盛りの緑葉をいっそう濃く茂らせる 森に満ちる噎せ返るような生気 穀雨の雨は慈しみの雨 生命の躍動を加速させ やがて季節は春から初夏へ
皐月の風に乗って降り立った 一粒の赤いプロペラが 小さく芽吹いたのは一昨年の春 そして三…
暖かな陽が野を優しさで包みこみ とりどりの花々が一斉に咲き乱れ 誰も彼もが我世の春を謳歌…
南の強い風に乗って 大急ぎでやってきた 遅れ馳せの春 待ちかねていた草花たちは 一気呵成…
もう四日もお天道様が隠れ続けて 挙句に今日は冷たい雨 桜の蕾もまだまだ固く 暖冬はどうし…
暖かな冬だと思いきや 菜虫が蝶になる頃を迎えても 寒さがもたもたと居座って 桜の蕾もまだ…
土づくりと苗づくりの間の早春の日 食卓に欠かせない名脇役を仕込む 山の畠で仲間と共に育て…
巣篭もりの小さな生命が目覚める頃と 春の暦はいそいそと 心を吾畠に向かわせる けれどまだ 大地の目覚めは行きつ戻りつ 照らされて温もって 霜に降られて凍てついて 繰り返しながら少しずつ 深いところまでほぐされてゆく 三寒四温 夢うつつ 微睡みの中を揺蕩いながら だんだんと季節が春になっていく 足どりのもどかしさを楽しむように