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2022

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2022年7月の記事一覧

向日葵の大冒険

向日葵の大冒険

どこぞの小鳥が去年の秋に

どこぞで立ち枯れていたのを啄んで

運よくその子に食べられず

たまたまうちの畑に落下して

またまた運よく他の子にも見つからず

そのまま冬を超えて春になり

うまいこと芽吹いて双葉になって

気まぐれに様子をみようかと

主人のお目こぼしに与って

草むしりの刃を免れて

あれよあれよと大きくなって

カンカン照りの真夏の空に

大輪の花を咲かせました

やがて大き

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真夏の夜の夢 ー7月の星々ー

真夏の夜の夢 ー7月の星々ー

感性を鈍らせているのは、連日の暑さか。それともおのれの慢心か。

日毎、厳しさを増す状況が、

底の浅い経験値の応用力のなさを浮き彫りにし、

何ひとつリカバリができないままに時だけが過ぎてゆく悪循環。

今日も熱帯夜。

冷たい汗が全身から滲み出し、

出口の見えない焦燥感に縛られたままただ放心する。

寝苦しい熱帯夜。かつての仕事で、締切間際に思うようにアイディアが出せず、無力感に苛まれている

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真夏の畑の水晶玉

真夏の畑の水晶玉

トトロの雨傘になりそうな

おおきく厚い里芋の葉っぱ

ワックスがバッチリ効いて

朝露のちいさな雫を乗せて集めて

くるくるまあるく形どる

こぼさぬようにそうっとそっと

朝のひかりを透かしてみれば

逆立ちしたいつもの景色の中に

輝いて見える僕らの未来

真夏の畑のトラジティ

真夏の畑のトラジティ

夏の畑の一番星は、今年も悲劇に襲われた。

なんということか。

こんなことがあっていいのか。

朝の畑で、わたしは、しばし呆然。

そこには

未熟な縞模様がぱっくりと大きな口を開いて

無惨にその体を敷き藁の上に横たえていた。

この大きな傷は、動物の仕業ではない。

一体、犯人は誰?

わたしの推理は、こう。

「早すぎた梅雨明けとそれに続く酷暑に耐えようと

若い果実は外皮を厚くして熱と乾

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オクラの葉のうえで我が世の夏を唱う

オクラの葉のうえで我が世の夏を唱う

朝からサウナのような蒸し暑さ

汗だくになりながらの草むしり

何やら生き物を気配を感じて

青青と茂るオクラの葉影を探れば

鮮やかな緑色のアマガエル

酷暑の後に戻ってきた梅雨空の日々に

自慢の喉を震わせて我が世の夏を満喫する

天気予報によれば

きみの活躍の場ももういく日の様子

それまでは思う存分歌いたまえ

先祖代々伝わるきみらの優しい恋歌を

ご機嫌伺い

ご機嫌伺い

まるで酷暑の一週間は間違いでしたというように

戻ってきた梅雨空が水蒸気をたっぷりと溜め込んで

重力に負けた雨粒から順々に地上へと循環させる

慌ててしつらえた日除けの簾は

そのまま雨だれ避けに役目を代えて

数珠つなぎの水滴を遊ばせている

その簾にちょんと止まって 

こちらを覗き込むのは庭の常連の山雀

わたしの機嫌を伺いながら

食堂の開店はまだですかと小さく地鳴き

気まぐれで粗野な

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体液が沸騰するかのような

体液が沸騰するかのような

蝉が目を覚ます前に訪れた気の早い酷暑

体液が沸騰するかのような猛烈な暑さに

間違いなく脳細胞が数万個破壊される

麦茶と麦わら帽子を生命線に早朝のみの畑仕事

冷麦を流し込み省エネ運転で日中を乗り切り

キンキンの麦酒で夕食を流し込む

南から来た小粒の台風が

ようやく小さな句読点を打って

ほっと一息ついた半夏雨の週明け

派手に幕を開けた今年の夏

まだまだ本番はこれから

健康第一で頑

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