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ヒトシ
2022年2月24日 17:37
雨水も超えての大安吉日ようやく春めいてきたこの日を選んで2022年の初鍬を入れる厳しく長いこの冬を超えた土は日々の降霜の凍て溶けでゆるみ鍬の刃をすすすと受け入れるいつもは手を焼く根深の草もここぞとばかりに引き抜いて堆肥を施し天地替え五度折り返してしっかり耡い畠の恵みに感謝を込めてこの一年の豊穣を祈る寒ちぢみした身体が火照りふっくらと漂う土の匂いに
2022年2月23日 17:12
たった数株 軽い気持ちで植えた菊芋が処理しきれないほどの大豊作長い冬じゅう 都度掘り出してシャキシャキ食感を満喫したけどまだまだ大勢 畑の土中で出番待ち放置したなら いずれ芽吹いて一大事来期の準備もそろぼちゆえに一念発起でほっくり返し 在庫一掃キャンペーン 次から次へ掘り出して 洗って切って干しまくる味の決め手の乾かし加減は 春めいてきたおてんとさまと冬
2022年2月22日 13:07
隣町の民芸品店で見つけた小さな土鈴2つ。シジュウカラとヤマガラ。まあるい形と丁寧な絵付け。しばらく手のひらで愛でたあと、窓辺の飾り棚に並べて寝た。翌朝、日差しが差し込むと、その子らは仲間たちに混じって空に飛び立ち、あれよと思う間に森の中に消えていった。私に柔らかな鈴の音を残して。
2022年2月16日 14:43
10日ほど前。その朝、一羽のヤマガラがガラス窓に向かって飛んできてもしもし、餌の時間だよ、とまるでおねだりするようにホバーリングしながらそう言った。そんなに欲しいなら、この手のひらから持っていきなさい、とわたしはちょっといじわるをした。人懐っこいとはいっても野生の鳥そう簡単に警戒心を解きはしないだろうと思っていたのにその子はすすっと止まり木を渡って近づくと手のひ
2022年2月15日 12:04
2月の恒例行事は春夏野菜のラインナップを検討する作戦会議畑の見取り図と品種の名札を用意して昨シーズンの成績と今年の期待を考慮しつつ先発メンバーとポジションを決めるもっと欲しかったネギとニンジンを増やしてゴボウとキクイモは今年はスタメン落ちかなお隣さんを真似てオクラをラインナップに追加昨年不作のトマトとナスはリベンジを期して主力組は連作障害を考慮してポジションチェ
2022年2月10日 13:37
明け方から降り続く雪の真白が景色に溶け込んでいた木々の枝にくっきりとした輪郭線を引いていく風の音もなく小鳥たちの姿もなくただ白に閉じ込められた静寂の世界細い枝先が、時折弾けるように跳ねて重みを振り払う小さな旋律だけが影絵芝居のように生命の躍動を映す暖房の火に温もりながら眺めるいつもの森のいつもと違う表情行く冬の名残りを惜しむひととき何もしない巣篭もりの一
2022年2月8日 16:20
冬至の頃にいただいた柚子の黄色い実良い香りをたっぷりと堪能し取り出した種子をひと粒ふた粒水洗いして日当たりの良い窓辺の鉢水をやったりやらなかったりで気長に冬越しを決め込んでいたら窓越しの暖かな日差しに誘われて緑の双葉がニョキっと芽を出した柚子の大馬鹿十八年とは真実か否かさて、のんびりと試してみますかね
2022年2月3日 15:09
節分は季節の分岐点北風小僧は健在だけど紅梅の蕾のほころびと畦の野花の健気な姿にそこはかとなく春の気配教科書と5年手帳を机に広げコーヒーと羊羹をお供に陽だまりの午後早春の仕事を復習いながら今年の畑に思いを馳せるまずは深くしっかり耡うべし堆肥は多過ぎず少な過ぎず何をどれだけ植えようかと作付けを描き種苗店のカタログを捲るふかふかの畑に青青と育った野菜を
2022年2月1日 12:05
週末のお気に入りの散歩道憧れの大きな畑地を抜けて出る小さな天神様質素なお社の入り口には数本の紅梅ふっと見つけた剪定を済ませたばかりの梅の木に留まった払い忘れの小枝たち寸時、逡巡したけれどたくさんの蕾を捨ておけずいただいて帰りますと許しを乞うて我が家の窓辺の陽だまりで切り花に立春が間近になった新しい月の初めの今日一輪、二輪とほころんで鮮やかな紅の花がぱ