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ヒトシ
2022年1月31日 15:53
今年の冬は寒い日が多くってまた週末は寒波が来ると言ってるし。なんとなく夜明けが早くなってほんのちょっと日暮れが遅くなったくらいしか季節の進み具合いは感じられないんだけど、わたしには。それでも南向きの畦の陽だまりにはもう小さな野の花が咲いていて踊るように背伸びをして精いっぱいに陽の光を浴びていたのですよ。そういえば、もうすぐ立春。もうすぐ春なのですね。
2022年1月29日 12:07
緩やかな里山の遊歩道と隣り合わせの尾根筋で手付かずの雑木の森と出会った聳え立つ逞しい木々の冬枯れの枝を透かして暖かな陽射しがたっぷりと差し込み幾年も降り積んだ腐葉土がふかふかと香る倒れて朽ちた大樹の上には美しい緑の苔が蒸して伽藍洞になった幹には冬越しの虫たちが宿る人々がこの里山を忘れ去っても力強く繋がれる小さくも確かな命のバトンは連綿と続いていくのだろう手付
2022年1月26日 16:24
理不尽なことがあったとき思い通りにいかないときその人はパソコンのそばにある地球儀に乗ったアヒルを眺めるんだそうな「地球規模で考えたならあなたのそのイライラは取るに足らない些細なことさ」とアヒル隊長が教えてくれるんだって。なんて素敵なおまじないみんながみんなそんなふうに考えられたら世の中はもっと幸せと平和にあふれそうだよ
2022年1月24日 16:04
河原に続く道を探して いつもと違う辻を左へ民家の庭先を抜けた先 ぽっかり空いた異空間陽当たりの良い斜面に 蕾を赤く膨らませた梅段々の坂を登った先は 枯葉を敷いた春待ち畑 その懐に祀られたのは 柔和な顔した地蔵さま 揃いの赤いおべべ着て 平穏無事な日日を願う行く人来る人隔てなく 春夏秋冬の朝な夕なに お見護りくださる姿の 包み込むような暖かさ手袋を取り帽子を脱いで 膝
2022年1月20日 17:27
その桂の大樹は奥まった社にあり幾本かの太い幹が鬩ぎ合いながらはるか高い空へと聳え立っている。大寒の強い北風が冬枯れの枝枝を轟々と揺さぶりながら吹き抜ける。一条の光が幹の根本の隙間を貫き鮮烈に迸る谷川の水面を照らした。まるで光年の距離と悠久の年輪と刹那の流れを光の糸で結ぶように。
2022年1月14日 18:11
木洩れ陽溢れる里山の散策道を行く。峠にひっそりと佇む小さな馬頭観音。昔、人々は馬を労いこの祠を建てた。馬は必死に背負ったのだろう。村からは木炭を、穀物を。町からは魚を、塩を、娘の衣を。存外きつい坂道に息を切らし往時の馬の苦労はさぞやと感嘆しつつリュックサックのお茶で喉を潤す。背負ったものの重さの違いに苦笑いしながら。
2022年1月11日 14:37
森の入口の枯葉を敷き詰めた小さな庭先野鳥の啄ばみを楽しめる流木の餌台の上常連のヤマガラやシジュウカラに混じってようやく訪れた新顔の小鳥は美しい目白鶯色の小さな身体 目元の白いアクセントチッチッと微かな地鳴きを響かせながらふくふくとした愛らしい身体で枝を渡り甘いもの好きの彼のために置いた蜜柑を器用にくちばしの先でほじくって食べる木漏れ日の窓辺で過ごす穏やかなこの時
2022年1月6日 17:47
密を避けてと日延べした初詣気がつけば残りわずかの松内漸く訪れた氏神さまは雪の中境内の空気は凛と澄み切って白く化粧した玉砂利の参道は巷のあらゆる音を吸い寄せていつにもましての静寂のなか茅の輪をくぐり柏手を打てば正月気分が一気に吹き飛んで新しい年の活力が満ちてくる今年も、丁寧に一歩一歩ずつ神さま、何卒どうかご加護をよろしく、お願いいたします